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葬送のフリーレンがなんか面白い

周りのおじさん達がフリーレンにハマってます。
ネットではフリーレン構文なるものまで登場して、人気が出て久しいですね。

知らない方のためにおさらいすると、葬送のフリーレンは冒険ファンタジーの類です。魔法使いのフリーレンが、勇者一行と魔王を倒して凱旋するところから物語が始まります。

https://frieren-anime.jp

勇者一行は寿命で次々と鬼籍に入るのですが、フリーレンは1000年以上生きるエルフです。仲間達を天国に見送り、その弟子たちとかつての旅路をふたたび歩む…というストーリー。

漫画で読んだときはそこまでグッとこなかったんですけど、アニメがやたら評判が良いので観てみました。

結論、面白いです。

いわゆる派手なバトルシーンは少ないし、話のテンポはゆっくりなんですけど、なんか面白いんですよね。気がつくと金曜日の放送が楽しみになっている自分がいました。※Amazon primeで視聴してます

今回はこの「説明しづらい面白さ」を紐解いていきたいと思います。

まず、周りの中年達に刺さる理由として、この作品の「時間」というテーマが大きいと思います。

誰だって歳をとれば昔は懐かしい。
ある程度年齢がいけば、知人や肉親との死別は誰でも経験します。
そんな「時間」がもたらす切なさや愛しさを、この作品はかなり自覚的に描いてるんですよね。フリーレンが過去を回想する時に、共感ができるというか。
歳を重ねると時間が過ぎるのが速くなります。ああ、知らぬ間に子供から青年に、青年から中年になってしまったなあ、と我々が感じる諸行無常感に寄り添ってくれている心地よさがあるのかなと。

ある種達観した、1000年以上生きているエルフが、やんわりとそれを肯定してくれることで、どこか救われる部分があるのかもしれません。そのあたりの描写が押し付けがましくなくて良いです。


次に、あんまり萌え萌えしてないのが観やすくていいですね。いわゆるアニメキャラ的な造形ですけど、あんまり人を選ばないというか。比較的アニメ慣れしてない人でも観やすいと思います。これは個人の趣味によりけりですが。

さらに、漫画とアニメの大きな違いでもある映像的な演出が挙げられます。

脚本やセリフは完全に原作と同じなんですが、とにかく演出が素晴らしい。

演出といっても派手な魔法のエフェクトとかではなくて、人情の機微を丁寧に描いているんですよね。


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いしばなし

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インストバンドtoconomaのギター石橋がお届けするよもやま話。バンドにまつわること、デザインのこと、コラムなど。SNSでは書ききれない…

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