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マルチビタミン/マルチミネラルを飲んではいけない人4選

こんにちは。Wellness, Inc代表医師の中田航太郎です。忙しい労働世代が効率的な科学的に正しい健康管理を実現するためのパーソナルドクターサービス『Wellness』を提供しています。僕自身もFounderドクターとして、100名近いトップビジネスパーソンやアスリート・芸能人の健康と向き合ってきました。

皆さんが健康管理の上で関心の高いものの1つにサプリメントがあります。実はエビデンスがあるサプリメントというのは数えるほどしかないのですが、次から次へと新しいサプリメントが販売されており、各企業が莫大なマーケティング予算を投じています。

「〇〇な人は飲むべき」といった形で、特定の課題を解決するかのように謳っているサプリメントも世の中には沢山あります。そんなデータどこにあるんだろう?と疑問に思うのですが、どうやら仮説や個人の感想に基づいてそのようにおっしゃっているようです。

私自身、完全にサプリメント否定派なのかというと別にそんなことはありません。データが十分でない以上、「〜に効く」と言い切ることは問題だと思いますが、「効かない」というエビデンスも存在しないわけなので、自己責任のもとで飲むのは問題ないと思っています。ただし、その安全性が確かであるものに限りますが。

サプリメントの記事を検索してみると、「〜な人は飲むべき。効果的。」といった趣旨の記事がほとんどです。そこでこのブログでは逆の目線で、「〜な人は飲んではいけない」という記事を書いていこうと思います。身体に害がでる可能性があるにもかかわらず、効果があるかどうかも分からないものにお金をかけるのは無駄でしかないからです。

今回は第一弾として、サプリメントの代表格である『マルチビタミン・マルチミネラル』を飲むべきでない人についてお話しましょう。

マルチビタミン・マルチミネラルを飲むのに注意が必要な人4選

①喫煙者・喫煙経験者

喫煙者や喫煙経験者がビタミンAやβカロテンをサプリメントで摂取してしまうと、肺がんリスクが有意に高まるというエビデンスが存在します。

美容目的などでビタミンAをとろうという方がいますが、喫煙している/していた場合にはやめておきましょう。食事に配慮すれば、十分に補うことができます。

②妊娠中

ビタミンA(βカロテンではない)を妊娠期間中に過剰摂取すると、新生児の出生異常リスクを増加させる可能性が指摘されています。妊娠期間中のビタミンA摂取上限量は、成人女性で10,000 IU/dayです。どうしても飲みたい場合は食事も考えた上で量に注意してください。

③成人男性

鉄分不足と医師の判断を受けた人を除き、成人男性は一日摂取量の鉄分を含むマルチビタミン・マルチミネラルを飲むべきではありません。過剰摂取による悪影響が懸念されます。

また、鉄分サプリメントは小児において中毒の原因になることもあるため、誤って摂取させないように気をつけましょう。

④腎機能障害

健康診断や人間ドックで腎臓の機能低下を指摘されている方は、安易にマルチビタミン・マルチミネラルを摂取するのはやめましょう。

ミネラルとしてマグネシウム(Mg)が含まれている場合、高Mg血症を起こしてしまう可能性があります。重症の場合には呼吸抑制や心停止を起こすこともあります。
 
大量の赤身肉やプロテインを摂取している方や水分摂取量の少ない方では、腎機能が知らぬうちに落ちていることもあります。定期的にチェックすることも忘れないようにしましょう。

まとめ

サプリメント摂取は、健康状態や体質によっては、メリットをデメリットが上回ってしまいます。そもそも現代において栄養不足に陥いることは、(ビーガンや妊娠中など特殊な状況を除いて)ほとんどありません。多少の不足があったとしても、あくまで食生活の改善が基本です。

人が勧めているサプリメントに安易に飛びつくのではなく、自分の状態を適切に把握した上で、本当に不足していて効果が見込めるものだけを賢く選択するようにしましょう。

自分の状態を適切に把握して健康行動を最適化したい方は、いつでもWellnessにご相談ください。

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