【最後の夜にもらった、命の使い道】
船で過ごす最後の夜。
自分の夢にもうひとつの意味と、消えない熱が根を張った。
「表現者の居場所を作る」
この船旅を振り返ったとき、自分の中でのキーワードのひとつは「表現・アート」でした。
これらに対する自分の中の定義、はっきりとしたイメージはまだ掴めていません。
が、この船旅でその輪郭が手触り感をもって見えてきました。
表現こそがこの世界の肝であり、私の道標となりつつある。
この旅で表現者たちと出会い、そんな感覚に至りました。
ここで詳しくその人たちを語ると長くなるので割愛しますが、彼らは本当に最高で、みな「自分もあんな人間になれるように頑張ろう」と思わせてくれるような人たち。
そんな彼らの多くは言うのです。
「日本から出ていきたい」
天候不良で着港できず生まれた、なかったはずの最後の夜にもこの言葉を聞きました。
聞いている感覚としては、海外に対する希望、というよりは日本に対するネガティブなイメージから出てくる言葉。
おそらく共通する感覚は「息苦しさ」だと思います。
自分のしたい表現ができない。
どうしても社会の、集団の空気、圧力が邪魔になる。
様々な面において、日本は変わらなければならない局面を迎えています。
政治、経済、教育、農業、人口問題、、、、
様々な変化を根底から支えるために、人間の意識・感性の変化は必須です。
どう足掻いても他の国より貧しくなるこの国で豊かに生きていくことを考えても、同様の変化がなければいけない。
それには彼らのような、現状の平均的な日本社会の枠の外にいる人たちが絶対に必要だと思うのです。
そんな話は抜きにしても、私は彼らのような人たちと生きていきたい。
彼らのような人たちと日本を作っていきたい。
だから決めました。
覚悟が決まりました。
私は表現者の居場所を作る。
表現者というと仰々しく感じるかもしれませんが、ただ自分らしく生きていきたい人がその人らしくいられる、そんな場所を作りたいのです。
自然に近い暮らしをコミュニティで、という元々の夢にもうひとつのニュアンスが加わりました。
彼らにそんなことを言わせてしまう、現状に対する悔しさで胸が熱くなった。
あの熱を忘れずに、抱えたまま走っていきたい。
普通の人が一生のうちで成し遂げられることは、そんなに多くはないと思います。
命に使い道を決めなければいけないとしたら、私の命はそんなことのために使っていきたい。
そう思うのです。
いつになるかわからないけど、必ず叶えたい夢。
決意表明。
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