やりがい

俳優をやりながらバイトをしていた日々。正直言ってバイトはお金を稼ぐための手段でしかなかった。もちろん楽しかったバイト先もあるが、ほとんどの場所では楽しさを感じなかったし、ただただやるべき仕事をこなし、バイト時間が過ぎるのを待っていた。

宅配、館内配送、事務、コンビニ、レンタカー、などなど上げればキリがないくらいアルバイトを経験したが、どの仕事も生活をするためにただただこなしていた。言ってしまえば誰でもできる仕事。手に職が付く訳でもなく、自分がいなくなったとしても代わりはいくらでもいる。だからと言って適当に仕事をしていたわけではない。どちらかと言えば責任感を感じるタイプなのでやるべき事はしっかりとやってきたし、仕事を覚えるのも早い方なので必要とされてはいたと思う。

でも、バイトの時間は苦痛だった。

演じてる時、歌ってる時はものすごく楽して、仕事をいただけてる時間は幸せだった。でも、俳優の仕事が無い日々にバイトに行くと、落差が凄くて…
舞台の千秋楽でやり遂げて、打ち上げがものすごく楽しくて、最幸な気分になった次の日にバイトに行くのが嫌だった。

でもそんなことは言ってられなくて、アルバイトに向かっていた。

館内配送のバイトをしていた時、朝の荷物を配達した後は午後の集荷までやることがなくて、地下の待機場所で何をすることなく時間が過ぎるのを待っていた。毎日そんな日々を繰り返していた。ある日、昼飯を食べて、トイレに行った時に鏡に映った自分の顔を見た時に酷い顔をしていた。それを見た時に、このまま４０になった時にも、こんな日々を繰り返しているのかなと不安になった。

俳優だけで生活できてる人なんてほんのひと握り。それでもいつか成功してやろうと思ってずっと続けてきた。

続ける事は本当に難しいし大変だけど、

辞める事は勇気がいる。

今の道を選んだことが良かったのかどうかは分からないけど今は全く後悔してない。

アルバイトで働いていた頃とは違い、今は楽しく働いている。いろいろと任される事も増えて責任感を持ってきたし、仕事のことでやる事や考える事がたくさんあるし、やりがいを感じている。

全く触れてこなかったパソコンにも触れ始めたし、清掃員として手に職をつけている。これからも色んな道を探って視野を広げていきたいし、新しい仕事をもっと覚えていきたいと思う。

おまけ
今日はお休みだったので買い物に出かけた！秋服を手に入れて気分上がりました！毎日仕事の日は作業着しか着てないけれど、休みの日はお洒落したいものです！