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投了の意味 〜コーチの一言〜
将棋の「投了」。どう考えても、どう先を読んでも勝つ術が無い。そうわかった時点で自ら負けを宣することです。
カーリングにもコンシードというものがあります。試合終盤でこれ以上やっても勝てないとわかっている場合、相手の勝ちを認めます。そこから全てのストーンを得点に繋げても勝てない点差の時だけでなく、わずかな可能性が残っていてもコンシードすることがある。
しかし、多くの競技に投了やコンシードはありません。最後の1秒、最後の1ポイントまで勝敗は分からないから、諦めずにギリギリまで勝利を追い求める。それが正しい姿と考えている人が多いでしょう。
では、投了やコンシードは誤りなのか?
その問いを考える時、自ら負けを認める姿勢の意味、これが大切になります。
投了やコンシードには相手へのリスペクトがあリます。これだけの差があって、なお自分が勝てると思うのは相手の力量が低いと言っているのと等しい。自分も決して弱くは無い。しかし、今日のこの試合はこれだけの差がついたしまったのは事実。相手の力を素直に認めれば、逆転はありえない。
負けは悔しいし、それを認めて相手に「ありがとうございました」と言う時のココロの中は苦しいけれど、これを明瞭に告げることで、負けを受け容れることができるのかもしれません。
そして、試合を振り返り、悔しさと冷静さを合わせて次の試合に向けて何をすればいいかを考えて、行動に移す。
そもそも負けを認めることができないと、負けた言い訳ばかりが出てきて、同じことの繰り返しになりがちです。
今日は負けたけれども、レベルを上げて次は勝つ。相手は強い。しかし、自分はそれを上回ることができるのだ。
この思いを秘めて「今日は負けました。ありがとうございました」と言える。成長とはそんなプレーヤーにやってきます。
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