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文脈を紡ぐ、物語を創る

美術の世界では、文脈が大切です。

ある作品、ある画家の評価は、美術史の文脈における正統性や新規性によって決まります。

つまり、美術史において正当に評価されるためには、自身もしくは作品が美術史に接続されていなければなりません。

あなたが、いまこの瞬間、たとえどんなに素晴らしい絵画を描いても、美術史上は評価されません。それは、美術史の文脈に則っていないからです。


起業とは、新たな文脈を紡ぎ始める行為だと思います。

創業者の個人的な想いを源にして、人を巻き込み、人生を変える。

人と人とが関わり合う中で、その企業にとっての文脈が生まれていきます。


それと同時に、社会という文脈に接続させる必要もあります。

でないと、顧客を獲得し、対価を得られないからです。

受容されないと、独りよがりのビジネスになってしまいます。

美術の世界と同じです。


マクロで既存の文脈に接続しつつ、ミクロで新たな文脈を紡ぐ。

これを大切にしています。


そして、文脈は紡ぎ続ける事で、やがて物語になります。

僕らはどんな物語を創っていくか。

創業者である僕は、物語の主人公であり、語り部でもあります。

どんな物語になればワクワクできるか。自分はもちろん、周りの人も。

この先どんな登場人物に僕は出会うのか、楽しみでたまりません。

そんなことを考えながら、日々を生きています。

私は、やはり、人生をドラマと見做みなしていた。いや、ドラマを人生と見做していた。

太宰治『東京八景(苦難の或人に贈る)』