アイディア農場プロジェクト:法務機能論(2020/02/11更新、191014開始)

「このページは通読用のものではありません。
ここにあるのは、思考の断片、アイディアの種です。
毎日ひとつを取り上げて読み、それに対して考えを巡らせてください。
そこから、新しいアイディアが芽を吹き、成長することを期待します。」(野口悠紀雄さん)

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■法務機能論 特に、リスクマネジメントという切り口における法務

以下は、考えるきっかけを与えてくれる記事。

リスクマネジメントは、リスクの発生頻度とインパクトの大きさをコントロールすることと捉えていた。

ただ、各要素を直接コントロールできない。実際は、法務は、何をコントロールしているのだろうか?その一つは、「期待値」なのかもしれない。つまり、「人に対する期待値」のコントロールだ。「人が抱く期待」をコントロールすると言った方が正確かもしれない。人が様々な事象に対して、期待をするが、その期待値をコントロールするという意味合いだ。ステークホルダーの期待値をコントロールすると言ってもいい。

契約もその期待値のコントロールの手段に過ぎないとも言える。

記事:Employee Experienceと言う名のもとに、本当に向き合わなければいけないもの。
https://note.mu/symsonic/n/n5b3d04fb3003

*三種類の法務人材

切り口の一つでしかないが、法務人材は、以下の三つに分けられるだろう。

①エンジニアの一員としての法務人材
②ビジネス企画人材の一員としての法務人材
③エンジニアにもビジネス企画人材のどちらにも属さない法務人材

*「経営者から見て壁打ち・議論の相手」としての法務。 https://twitter.com/takujihashizume/status/1089643613103910912
→経営者の壁打ち相手、経営者につく参謀、経営者の知恵袋。

確かに、単純に、法務機能を突き詰めていけば、経営者の一員になれる訳でもない。法務機能を極めたその先に、全社戦略を立案する、事業戦略を立案するという機能が当然にある訳ではない。法務機能の追求とは全く別の軸で、全社戦略を学び、事業戦略を学ぶ必要がある。

でも、それは、法務機能という柱の他に、どんな柱を作るのかというキャリアの話である。つまり、法務機能というものを抽象的に考える範疇に入れる必要はない。もし、法務機能という文脈で、経営機能を語るのであれば、それと同列に財務機能などを語るのが自然だろう。

*事業の成長、それを実現するための事業戦略ストーリーに合致することが大切。 整合性、アライメントが大切。 法的に白であっても、事業ストーリーに合わない場合があることに自覚的でありたい。

*【取引との接触頻度・時間的長さ】契約に関しては、「取引のライフサイクル」と「契約の生成過程及び契約のライフサイクル」の時的重なりの長さ、法務担当者が取引担当者と接する頻度にヒントがある。 つまり、会計担当者や税務担当者よりは、法務担当者や技術担当者の方が取引との接触頻度は多く、長い。

【取引に関する知識の広さ】また、契約締結時の契約書には、会計、税務、技術などの論点を記載するが、そのため、法務担当者は、会計、税務、技術などのについて、薄く広く論点を把握している。

*会計担当者や税務担当者や技術担当者がジェネラルな存在ではなく、法務担当者がジェネラルな存在になり得るのか? 法務が何を扱っているのかにその答えの一つがあると思う。法令そのものを扱っているのもそうだが、もう一歩解像度を上げる必要がある。 また、契約も扱う。

*法律は、事業戦略や競争戦略のフレームワークの中で、どこに位置付けられるのか? 事業経営に関するフレームワークの中で、法律はどこに位置付けられるのか? 経営資源は、ヒト、モノ、カネ、情報と言われるが、経営資源の分配において、法令遵守は大前提になっているため、表に出てこないのか? 経営戦略の教科書を読むと、そもそも法務がいないかのようだ。それは何故なのだろうか? 隠れた真実が潜んでいるかもしれない。

・会計担当者や税務担当者や技術担当者がジェネラルな存在ではなく、法務担当者が「最終的にすべての依頼を受け止める存在」つまり、ジェネラルな存在になるのかが、まだ腹落ちしていない。

会計担当者や税務担当者や技術担当者も、ジェネラルな存在になれる可能性があることが裏にはあるのか。つまり、法務担当者だけではなく、会計担当者や税務担当者や技術担当者も、ジェネラルな存在になれる余地はあるのか?

*繰り返し読んでいるが、あらためて読んでみる。 法務パーソンとしてのキャリアの戦略ストーリーを考えてみる。 

記事「バイドゥ株式会社 好きなだけ勉強ができます。法律も、語学も、会計も、ビジネスについても、いくらでも教材はありますし、実践の機会も多いです」
https://www.wantedly.com/companies/baidu2/post_articles/75573

*KJ_OKMR @OKMRKJ
色々あって、経理について調べている過程で気付いたのだが、経理職能でも、「戦略経理」とか「守りの経理から攻めの経理」みたいな議論はたくさんあるのだなあと。 簡単に検索に引っかかるものをいくつか紹介すると・・・ 書籍では https://www.amazon.co.jp/%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%82%92%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8B%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%B5%8C%E7%90%86-%E5%89%8D%E7%94%B0-%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E9%83%8E/dp/4820726579

▼私のサイン シティライツ法律事務所 弁護士 高橋治
https://www.cloudsign.jp/media/20190913-osamutakahashi/

*「私とクライアントとの関わり方について、キーワードは2つだと考えています。「スピード」と「イテレーション(iteration、「反復」の意)」です。とにかく一次回答をスピーディに返し、クライアントとの対話の中で共に修正しながら解を作り上げていく。」

*「一昔前、「利用規約の同意のUI」について一緒に考えるのが良い法務、なんていう流れもあったと思います。良い傾向ですが、そこ止まりではなくて、プロダクトのユーザーエクスペリエンス全体を一緒に考えるのがいい法務なんじゃないかとすら思っています」

*「アジア圏に限った話ではないですが、契約書を盾にしたコミュニケーションだけでは通用しないと考えたほうがいいでしょう。契約文言を緻密にすることよりも、当事者が契約内容を守りたくなるような仕掛けを考えることが重要だったりします」

「当事者が契約内容を守りたくなるような仕掛け」とはなんだろうか?

*「当時の上司が言っていたことで今でも思い出すのは、「ジェネラルカウンセルは、いわば、投げかけられた依頼から逃げることができない存在。最終的にすべての依頼を受け止める存在だからジェネラルなんだ」という言葉です。法務担当者は会計も、税務も、技術も、全部分かってなければならないと」

*「百度時代は「プロダクトカウンセル」と定義していた私の役割ですが、今はいっそ、カウンセルよりもさらに現場に近いという意味をこめて、「リーガルサイドエンジニア」という役割定義をしても良いかと思っています。」

■戦略法務論

約30年前の1987年6月15日の日経ビジネスに「知的所有権で“ジャパンバッシング” ますます強まる米国の攻勢 “戦略法務”充実待ったなし」という記事を発見。

「戦略法務と最近騒がれているが、商社では10年ぐらい前から戦略法務的な考え方はすでに浸透していた」(中川英彦 住友商事 文書法務部長) 

商社では1977年ぐらいから戦略法務的な考え方はすでに浸透していた、ということだ。

「紛争処理、予防法務ではなく、今後は経営戦略を決定する段階から法務部門が加わり、法務の観点からも戦略決定するという“戦略法務”が重要となる」(真崎ソニー法務部統括部長)

戦略法務という言葉は横に置いておいたとしても、全社戦略や事業戦略のフレームワークを使って、法的な整理をすれば、より抜け漏れなく検討が可能になる。 法務の大事な機能として、全社戦略や事業戦略の打ち手を考える際に、打ち手の選択肢を削る機能は、不確実性を減らす手段としてとても強力だ。

あの委員会の成果物が、時間を経て、法務人材にどう受け止められかは分からない。 採用する側も採用される側も自身の立ち位置を確認しておきたい。

以上


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