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素敵な懸け橋を目指して

いつもお世話になり有難うございます。看護師の森です。

今回は、父を看取った時の私の思いと共に今後私が発信すべきことは何か?を考えたことをお話させて頂きます。私の故郷は、兵庫県の淡路島の小さな港町です。
ずっと海の側で過ごしてきたので、海を見ると、心が本当に穏やかになります。

私事ではあるのですが、今年3月に肺癌であった父を自宅で看取りました。お休みを頂き、淡路島と大阪を行き来しながら自宅での介護を行いました。看護師である私は、父の予後を知りながら今何をするべきなのか?どうしてあげることが父にとって幸せな生き方なのか?と凄く悩みました。私が、大阪に戻っている間は母が父を介護することになり母の不安な気持ちもわかりましたし。ずっと、ずっと迷いながら父を看てきました。

訪問診療に来て下さる先生、看護師さん、ヘルパーさん、ケアマネージャーさん、薬剤師さん。私達がチームとなって頑張りますからと言って下さった時には今まで我慢していた思いが溢れ涙が止まらなくなりました。
知らず知らず、私が頑張らないといけないと思って気持ちが張り詰めていたのかもしれません。一人じゃないんだなって安堵の気持ちと感謝の気持ちでいっぱいになりました。

私が、実家にいる間は母の負担を出来るだけ減らしたいという思いもあり出来る限り夜は私が父に付き添うようにしていました。そうすると、やっぱり疲れも溜まっていくんですね。疲労は限界に近かったかもしれません。大阪に帰る道中、疲れなのか不安なのか気持ちが整理できず、車の中でよく涙を流していました。

それでも、父を入院させるという選択が出来なかったのは、私自身が後悔するかもしれないという思いがぬぐい切れなかったからだと思います。どうするのがベスト選択なのかなんて、わかりませんでした。コロナ渦で面会制限が有る為に御自宅で過ごされる患者様が増えているのは事実です。私の父もそうなのかもしれません。在宅での療養生活は、どんなにチームで支えて頂いても夜は家族が介護することになります。御家族の不安や介護負担が大きいのは避けられない事実です。
今回父を看取るにあたり強く感じたのは、個々のご家庭で介護力等の状況に違いがあること。状況は千差万別であるということ。

 その状況において、これが最善というのは難しい選択かと思います。
だからこそ、その患者様にとって、ご家族にとって少しでも「良かった」と思える選択肢・医療の提供を行えることが訪問診療に携わる私が行っていくべきことなのだと思っております。

Bridge to Home
Bridge to Hospital
Bridge to Clinic
Bridge to Society

患者様、お一人お一人に寄り添えるような懸け橋になれるよう頑張っていきたいと思います。

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