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Tottenham Hotspur vs Arsenal(2-3)

4/28 22:00kickoff プレミアリーグ第35節

プレミアリーグ第35節。
リーグも残り4試合というところで、ノースロンドンダービー。
ノースロンドンダービーとは、ロンドン北部に本拠地を構える2チームによるライバル関係のことである。
ちなみに両チームが初めて対戦したのは1887年らしい。長い歴史を持つダービーマッチだ。
アーセナルはプレミアリーグ優勝に向けて、トッテナムはCL圏内の4位を目指す。

この試合トッテナムは2-3-5で挑んだ。
ポステコグルーならではの超攻撃型フォーメーションだ。
昨年まではカウンターが鋭いイメージだったが、今年になってからはポゼッションも得意とするようになった。
ロメロとファンデフェンのツーバック、左サイドバックのデイビスをボランチの横に配置し、右サイドバックのポロを高い位置に。
前線は流動的に動く。サイドにポロやクルゼフスキ、ヴェルナーを張らせて、マディソンやベンタンクールが[ポケット]を取りに行く。
ソンはあまりサイドに流れずゴール前で待ち続ける。

[ポケット]は今ではもう共通認識を持たれているが、あえて少し解説しておこう。
サイドに選手を張らせその選手にボールを出すと、相手のサイドバックがプレスに来る。
するとサイドバックとセンターバック間のスペースが空き、そこに走り込むことを「ポケットを取る」と言う。

ポケットを取ると、ゴールに近い位置からクロスを上げれたり、相手のディフェンスラインが下げられるたりするのでマイナスが空きやすくなる。また、オウンゴールも誘発しやすい。
対策としては、サイドバックがプレスに行った際にセンターバックがしっかりと横ズレすることである。ポケットを取られてもしっかり付いていけば良いクロスを上げられることはない。

アーセナルはこの試合、4-2-3-1のような形で挑んだ。パーティーが復帰したことによりライスとの2ボランチ、ウーデゴールのトップ下、といった形だ。ライスは状況により少し高い位置を取ったりもする。左サイドバックには守備的サイドバックの冨安。右にはバランス型のホワイトを起用。ホワイトも普段はポケットを取る動きを多用する選手だ。
アーセナルはポゼッションを行い、チャンスを伺うチームスタイルである。

試合はトッテナムペースで始まる。
相手の陣地でボールを握り、センターバック2枚を残し、チャンスを作ろうと試みる。
しかし、終わってみるとこれはアーセナルの罠だったのかもしれない。

トッテナムはサイドから攻めようとするもなかなかチャンスを作ることはできない。
すると、コーナーキックからアーセナルが先制。その後もトッテナムが攻め込むも、アーセナルがカウンターから追加点を奪う。
トッテナムが前がかりになったところでセンターバックの脇を突き、サカがゴール。
普段アーセナルはボールを握りたがるが、前半にそこまで固執しなかったのは、トッテナムをおびき寄せカウンター発動するためか。
トッテナムは立ち上がりが良かっただけに、痛い失点になった。
その後もコーナーからアーセナルが3点目。
セットプレーから点を取れるチームはやはり強い。前半で勝負ありかと思われたが、ダービーはやはりこのままでは終わらなかった。

後半になると少しオープンな展開に。
トッテナムはサールを投入し、中盤での優位性を得ようとする。結果アーセナルの陣地でボールを奪える回数が少しずつ増えてくる。
すると、アーセナルのGKラヤが痛恨のミス。
ロメロに点を決められてしまう。

というか、なんでロメロそんなところにいるの?

アーセナルが裏のスペースを使うと、ファンデフェンが圧倒的なスピードでカバーする。
トッテナム2失点目の際にファンデフェン側のサイドだったら、ストップしていたかもしれない。

試合終盤にはトッテナムが攻勢を強め、PK獲得。それをこの試合ではあまり目立てていなかったソンが決め、1点差まで追いつく。
その後もかなり惜しいシーンがあったが、アーセナルが逃げ切り2-3という結果になった。

これぞダービーという試合で、雰囲気、内容含めてかなり充実したゲームになった。
審判のジャッジにはトッテナムサポーターは納得できない場面もあったかもしれないが。
冨安はブレナンジョンソンに少し苦しんでいた印象だ。
個人的MVPはパーティーにする。
おめでとう。
パーティーの存在は攻守において抜群の安定性をもたらしていた。

終わってみればアーセナルのポゼッション率は37%。ここ最近の試合ではかなり低い方だ。
私は、アルテタがあえてトッテナムにボールを持たせ、カウンターを狙ったのではないかとみている。その上でセットプレーから2点も取れたのは、かなりのアドバンテージになっただろう。

逆にトッテナムは前に人数をかけすぎた感は否めない。それならなおさら決めきらないといけない、ということを身をもってわかったはず。

ますます面白くなる優勝争い。
濃い内容でレビューしていきたいと思います。
読んでくださり、ありがとうございました。

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