見出し画像

H鋼単純梁の最適化手法(Excelソルバー)

H鋼を使った単純梁の最適化手法を提案しています。
他にも、GHのGalapagosを使用した方法や、GHプラグインであるKaramba3Dを使用した方法を解説しています。

H鋼単純梁の最適化

H鋼の断面を最適化することで、コストを最小化する最適化問題
条件
スパン:8m 横補剛間隔:4m 強軸方向に20kN/mの等分布荷重

最適化問題の設定
変数:H鋼のせいHと幅B
目的関数:部材体積(コスト)
制約条件:「幅厚比」「曲げ応力」「剪断力」「たわみ」

「全変数(参考)」シートを参考に、「全変数」シートの空欄を埋めていただくと、H鋼を使った梁の設計方法が少し理解できます。
必要がない人は、「全変数(参考)」シートを使って、下記の最適化手法を実践してください。

目的関数の設定

部材体積を算出している「k18」を選択
目標値は最小値

変数セルの選択

変更するのは、せい、幅なので、「A18」と「B18」を選択

変数セルに対する制約条件を設定する

せい、幅の「A18」と「B18」に対して
0以上
1000以下
整数
とする

制約条件に対する条件を設定する

制約条件:「幅厚比」「曲げ応力」「剪断力」「たわみ」
それぞれ検定比を示したオレンジのセルを1以下とする

解決方法の選択

GRG非線形とする

解決の実行結果

せい 368mm
幅 250mm
部材体積 67,840,000mm3


Vloockupの使用_H鋼単純梁の最適化

H鋼の断面を最適化することで、コストを最小化する最適化問題
部材リストから選択する方法を用います。
しかしこの場合、vloockpを用いますのでソルバーは「エボリューショナリー」しか使えません。

最適化問題の設定
変数:部材No.
目的関数:部材体積(コスト)
制約条件:「幅厚比」「曲げ応力」「剪断力」「たわみ」

目的関数の設定

部材体積を算出している「k18」を選択
目標値は最小値

変数セルの選択

変数は、部材No.「B15」を選択
ここを入れ替えると、自動でせいや幅などが変化するので、手動で試してみてほしい。
部材No.ごとのデータはH鋼断面表シートに記載されている

変数セルに対する制約条件を設定する

部材No.「B15」に対して
1以上
部材データ数「G15」以下(H鋼断面表のデータ数を表示している)
整数
とする

制約条件に対する条件を設定する

制約条件:「幅厚比」「曲げ応力」「剪断力」「たわみ」
それぞれ検定比を示したオレンジのセルを1以下とする

解決方法の選択

エボリューショナリーとする

解決の実行

解決実行すると、画面左下に数値が出てくる
現在の値:〇〇の数値が動かなくなったらほぼ解決しているため、escキーをおして中止する。

結果

部材No.7

まとめ

前回使用したソルバーを、設計に応用する方法を説明しました。
現在、座屈を考慮した許容応力度の低減等を組み込んだExcelを開発中です。

みなさんも、他の条件を組み込んだり、柱への応用、検定比の制限値の変更などと、色々と工夫することで理解が深まると思いますので、ぜひ色々いじってみてください。