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料理道具を売る銭湯、小杉湯

こんにちは、釜浅商店×小杉湯企画室です。

12/1(水)〜26(日)まで待合室にて開催している、【日々の暮らしを豊かにする良理道具月間】を企画しています。

よしのり
合羽橋にある釜浅商店で働きながら、週2で小杉湯朝清掃として働いている人。この企画の発起人。


つっつー
保育士、兼番頭。小杉湯の事務もやっている人。企画会議中はうるさいほど良く喋る。


たいせい
元飲食店店長、おいしいデザイナー。今回のイベントのポスターなど作っている人。最近は深夜清掃もやっている。



わたしたちにとって“料理道具”とはなんだろう?を考えてみた。

よしのり
僕にとっての道具とは、“おいしいを作る、相棒”
僕はずっと、切れれば良い、焼ければ良いと思う程度だった。

はじめて買った鉄のフライパン。きっかけは久しぶりに見たジブリ映画「天空の城ラピュタ」。パズーが焼く目玉焼がとてもとても美味しそうだったからだ。

カンカンに熱したところに食材を入れたときのジューっという音、程よくこんがりと色づく焼色。仕上がりは思った以上で、自分でもエッヘンと言いたくなるくらいのおいしい出来上がりだった。使えば使うほどにくっつきにくくなる鍋肌は時と共に愛着が増し、「パズー」と呼んで使っている。というのは嘘だけど。(笑) 愛用してもう7年、僕にとって大事な相棒。

つっつー
私は18歳の時に実家を出た時、実家で1番切れ味の良い包丁を母に持たされた。あと、私が一番お気に入りだった取手の焦げたホーロー鍋も一緒に。

一人暮らしを始めて、一番最初に作った料理はシチュー。私は4人兄弟で、祖父母も同居だったから、大好きなシチューをいつもおかわりできなくて悲しかったんだよね。(笑) お気に入りのホーローの鍋になみなみあふれそうなシチュー、食べても食べてもおかわり出来る喜び。もう14年前の事だけど、お腹以上に心が満たされたのを覚えてる。

料理はしない父だったけど、母が「包丁が切れなくなったなぁ」とボヤくと「よしよし...」と言って砥石を出して包丁を研いでいた。父が大事に研いだ包丁、それで作った母の料理。あの頃の父母の年齢に近づいて、そのありがたみをひしひしと感じる。そして今年、私も自分で包丁を研ぐようになった。私にとっての道具とは…と問われると“心を満たしてくれるもの”…かな?

たいせい
僕にとっての道具とは、“料理の価値そのもの”
料理の「価値」とは、食べて「感動」することだと考えています。

僕は飲食をやっていて、誰かを感動させる…って経験より、これまで自分が食べて感動することの印象が強い。ぼくの癖というか性格というか、感動できる料理に出会うと絶対に調べたくなっちゃうんです。(笑) どうやって作るんだろう…何を使って作ってるんだろう…と、とにかく調べないと気が済まない。感動したお店には何度も足を運んで、カウンターからキッチンをガン見。気になりすぎたら直接聞いちゃうか、究極はそこで働く。(笑)

そういうのをやってると、感動が生まれる料理って、素材の良さと調理技術のコンビネーションがあって、その技術には必ず良い道具というものが必須条件で付いてくるわけです。

感動する料理をお客様に届けるために、良い道具というものはなくてはならない存在で、おいしいお米を「釜」や「土鍋」で炊くことに価値が生まれるし、「炭火で焼いた」「藁で炙った」その調理工程に価値を生み出すのは道具そのもので、その工程を通るからこそ、口に運んだ時に「感動」が生まれるものだなと、僕は思います。
その感動を作り出すための道具は、自分が気に入るものを使いたいですね。



日々の暮らしを豊かにする良理道具月間

「小杉湯のお客さんの日常が少しでも豊かになったらいいよね」と企画しながらも、”本当に銭湯の待合室なんかで料理道具が売れるのだろうか…”という不安は、会期が始まるまでずっと拭えずにいました。
蓋をあけてみると、多くの方がお風呂あがりに立ち寄って、道具を手にとってくれ、誰かの生活が豊かになっていく瞬間を目の当たりにできた最高のイベントになりました。

企画を始めたのが9月末。まだまだ先だと思っていた年末はあっという間にやってきて、残すところあと3日となりました。
あなたの毎日がちょっとでも豊かになることを願いながら、のこり3日間も待合室でお待ちしています。


Photo gallery by Taisei&Gota&Aranami

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