簡単な介護なんてない
昨日、何気なく見た【姉ちゃんの恋人】がめちゃくちゃ面白いんです。苦労してるけどそれを人には見せない明るく元気な女性、不器用だけど優しさが滲み出ている男性、そんな二人を支える周囲の人たち、そして極めつけは主題歌がミスチルですよ、奥さん!もう観るしかない!#まだ1話だぞ
こんにちは、コッシーです。
さて、僕は一応介護事業部の統括責任者をしております。僕のメインのお仕事と言えば全体の管理になります。管理と一言で言ってしまうとぼやけてしまいますが、その実は割と多岐に渡ります。
事業計画の立案、入退去の管理、入居者の状態チェック、入居者からの相談、家族との折衝、日報のチェック、モニタリング、勤務表、給与計算、人事評価、採用募集、経費管理、目標管理、収支管理、職員からの相談、会議、カンファレンスetc…
こうやって書き出すと結構頑張って仕事してるなぁと思うわけですが、好きでやっているので全然苦になっていません。何でもやります。
「あいつ毎日noteを更新してて暇そうだな」と思っている方もいるかもしれませんが、実は忙しいんだぞという事を分かっていただき、「だから記事のクオリティが低いんだな。仕方ないね」と思ってもらえたら幸いです。いや幸いじゃないわ。
このように業務が多岐に渡るため、普段僕は利用者を介護することはほとんどありません。利用者からお話を伺ったり、一緒にご飯を食べたり、外出同行することはあっても、排泄介助や入浴介助、移乗や整容などなどそういったいわゆる身体介護を行うことはほぼありません。
別に僕が身体介護をやりたくないわけではななく、組織とはそれぞれに役割があり僕は僕のやるべきことをやっており、身体介護はそれをやるべきスタッフがやっているのです。それがチームワークです。
そんなある日のこと。
事務所で介護スタッフが集まって何やら相談をしています。
どうしたのかと尋ねると、どうやら入浴の時間をダブルブッキングしてしまったとのこと。浴室は複数あるので入る事は可能ですが、介助に入れるスタッフがいないとのことでした。
時間をズラしてもらえば良いのですが、入浴される入居者さんがその日はたまたまその後に予定があるとのことで時間を変更するのは難しそうでした。
「どうしようか…さすがに1人で入ってもらうわけには行かないし、今日はキャンセルをお願いしてみようか」
どうしてもスタッフの都合がつかない様子で、キャンセルしてもらうしか無そうでした。しかしこちらの手違いで入居者に迷惑をかけるわけにはいきません。スタッフならここにいます、そう秘密兵器の僕がいるんです。
「僕がやろうか」
入居者は男性の方で、介助内容を聞くとほぼ1人で洗いも出来るとのことで、見守る程度のようでした。最後に後ろからシャワーをかけて洗い流してあげれば終了という至って簡単なお仕事でしたので、僕でも大丈夫だと思いました。
「だ、大丈夫ですか…?」
なぜかスタッフはめちゃくちゃ心配していましたが、普段僕が介護をしていないと言っても、シャワーで背中を流すくらいできます。いくらなんでも心配しすぎだろ。
「大丈夫!大丈夫!任せといて!」
スタッフにそう言い、本当に久しぶりに入浴介助に入る事になりました。
とは言っても別に初めてやるわけではないし、いつ入っても良いように予め着替えは置いてあります。
実際に介助に入ってみると、その入居者はほとんどご自身でやれており、本当に見守りだけで充分でした。世間話をしながら身体や髪を洗います。普段から入居者とは接していますが、こうやって介助に入るとまた違った一面が見られてとても新鮮で勉強になりました。
あとは仕上げのシャワーだけです。シャワーを手に取り入居者の背中を流そうとしたその瞬間、僕の手からシャワーが滑り落ち左足の甲の上に落ちました。
「いってえええぇぇぇ!!!!」
あまりの激痛に思わず声を荒げてしまいました。
心配した入居者が「大丈夫か!ここに座って待ってなさい!」と自分が座っていたシャワーチェアに僕を座らせ、「おーい!誰かきてくれー!コッシーさんが負傷したー!」と他のスタッフを呼びに行ってくれました。入居者に介助されるという貴重な経験が出来ました。そんな経験したくないわ。
かけつけたスタッフに、「ごめん、大丈夫だから。」と伝え、「本当に大丈夫かい?」と心配してくれる入居者にも「申し訳なかったです…大丈夫です…」と伝えました。情けないったらありゃしない。
明くる日、僕の左足には黒龍が宿っていました。#中二病
※グロ注意
邪王炎殺黒龍波が撃てそうです
このように、簡単な介助だと舐めていると僕みたいに悲惨な事になります。介護とは人が人に対してサービスをする仕事です。そんな仕事に簡単なモノなんてあるわけがないのです。
皆さんが僕の様にならないために今日は身を削って注意喚起をさせてもらいました。くれぐれもシャワーヘッドはしっかり持つようにしてください!#お前だけだわ
現場から以上です。それではまた。
コッシー
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