見出し画像

こんなシチュエーションに憧れる

映画『えんとつ町のプペル』を観てきました。めちゃくちゃ面白くとても感動しましたが、なぜか涙が出ませんでした。絶対泣く、しかも号泣すると思ってハンカチを用意していましたが、自分でも不思議で仕方ありませんのでこの謎はまた深堀して考えたいと思います。#でも映画は本当に面白かったです!

こんにちは、コッシーです。


さて、僕は会社では一応統括責任者という肩書を頂戴しておりますが、普段スタッフからは苗字で「○○さん」と呼ばれています。誰1人「統括責任者」と呼ぶスタッフはいません。

かなり呼びにくいですし、社外の人が聞いたら「何者?」と思うに違いありません。そもそも僕もそんな風に呼ばれたくないですし、苗字で呼ばれるのは全然構いません。

実はこの苗字で呼んでもらっているのには別の意味も含まれており、僕は昔からあるシチュエーションに憧れており、それを実現するために苗字で呼んでもらっています。


例えば、テレビドラマや小説などでよくありますが、物語の要所要所でなぜか登場する学園の【用務員】さんが、実は学園長だったとかってありませんか。

また、仕事を失敗して落ち込んでいる時にめちゃくちゃ良い事を言ってくれたり、新たなビジネスのヒント的なことをそれとなく言ってくれたりするオフィスの清掃のおばちゃんが、実は女性社長だったってことありますよね。

僕はそんなシチュエーションにめちゃくちゃ憧れております。

「おばちゃん!こないだはありがとう!おかげで契約がまとまりそうだよ!」

「フフフ、それは良かったわ」

「ん?今日は何か綺麗な格好しているね」

「バカ!社長に何て口聞くんだ!申し訳ありません社長!こいつ新人なもんで!」

「へ?社長?おばちゃんが?まさかぁ(笑)冗談はやめてくださいよ~。って……え?マ、ママママジですかーー!!!」

「よろしくね。(ウインク)」


こういうのが死ぬ前に1度はやりたいと昔から思っており、それを実現するために出世したいと頑張っていると言っても過言ではありません。いやそれはさすがに過言です。

別に偉ぶりたいわけではなくて、もっと敬意を表せと言いたいわけではありません。単純に【実は偉い人だった】と驚いて欲しいだけで、本当に僕は昔から憧れていました。

ただこのシチュエーションを実現するためには、大前提としてある程度偉くなる必要があります。

仮に会社の清掃係が実は平社員でしたー!となったとしても、「ふーん」と言われて終わるだけですので、社内において結構な重役を任される必要があります。

前半部分でも言いましたが、僕は介護事業部の【統括責任者】を任されており、簡単言うと介護事業部のトップなわけです。そうこう見えて偉いんですよ、僕。

事業部のトップならば【実は偉い人】と言っても恥ずかしくないと思うのです。機は熟しました。今こそ長年の夢を叶える時がやってきました。


ただ僕は入居施設の施設長も兼務しており、そこでは僕は責任者として入居者から認識されておりますので、【実は偉い人】のシチュエーションを作ることは出来ません。

しかしデイサービスであれば毎日顔を出しませんし、管理者はYさんという男性がやっているため、デイの利用者で僕が偉い人と知ってる方は少ないと思うのです。

今、うちのデイサービスはありがたいことに利用者が増えて猫の手も借りたいくらい忙しい毎日を送っています。僕が雑用を手伝ったとしても全然おかしくありません。

雑用をしている姿を利用者に見てもらうことで僕が普通のスタッフだと認識してもらえると思い、お茶出しや昼食の配膳などなどいろんな雑務を積極的に手伝いました。#もちろんそれとは別に普通に手伝ったよ、ほんとだよ


毎日の手伝いが功を奏してか「最近よく見かけるね!」「ご苦労様!今日も冷えるね!」と言ったように利用者から声をかけてもらえるようになってきました。おそらく僕が【統括責任者】とは夢にも思ってなさそうです。シメシメ。

あとはどうやって僕が【統括責任者】かを利用者に伝えるかです。まさか自分から言っては身も蓋もありません。他のスタッフから言ってもらいバレるのが1番良いと思います。

うちのデイサービスでは利用者をご自宅へ送る前にYさんもしくはその日のリーダーが利用者全員に挨拶をします。

「今日も1日ありがとうございました。寒くなってきたので暖かくしてくださいね。それではさようなら!」

みたいな感じで今日のお礼プラス何か一言を添えて挨拶をしています。


これだ、と。


この挨拶を僕がやるとなるとそこはさすがに、「今日はうちの【統括責任者】に一言もらいます」と言って紹介してくれるに違いありません。

それを聞いた利用者の心理としては、

「へー統括責任者か、今日は偉いさんが挨拶するのか。ん?あれ?いつも雑用しているお兄ちゃんじゃない」

「こんにちは、統括責任者のコッシーです」

「えー!あのお兄ちゃん統括責任者だったのかーー!!」

って、なると思います。もう考えただけでゾクゾクします。


先日、デイの管理者Yさんに「今日の終わりの挨拶、僕がやってもいいですか?」とお願いしたところ、「是非お願いします」と了承を得ました。

その日もいつも通り、いやいつも以上に雑用をこなし利用者にアピールをしました。無駄に掃除とかしちゃったりして猛アピールしました。

そしてその時がやってきます。Yさんが大きな声で利用者に声をかけます。

「みなさーん、ではそろそろ帰りの準備をしますよー」

胸が高鳴ります。僕の長年の夢が叶う時が遂にやってきます。

「今日は、珍しい人に帰りの挨拶をしてもらいますよー」

ドキドキ、ワクワク、若干緊張してきました。

「うちの介護事業部の統括責任者のコッシーさんです。って言っても最近こちらにちょくちょく来られていろいろと手伝ってくれていたので、みんな知ってますよね。そうそう、あのお茶組みとか食事とか運んだりしてくれた人ね。あの人が今日は挨拶してくれます。ではどうぞ~」


全部説明しちゃったよ!


ここまで丁寧に説明されるともうサプライズ感ゼロだし、誰1人驚いてる人はいないし、なんなら【統括責任者】って一発で覚えられないしで、僕の長年の夢である【実は偉い人だった】シチュエーションは脆くも崩れ落ちたのでした…。


入居施設でもデイでも僕の役職はバレてしまったので、この夢は僕が社長になった時に果たしたいと思います。夢を叶えるために頑張って社長になりたいと思います。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?