敵とか味方とか
ある日、職場でスタッフがつけているマスクが赤や青や黒などカラフルだったので、「今日のマスクは戦隊モノみたいだね。介護戦隊マスクマン!なんちゃって」と言ったら職場が不穏な空気になりました。#失笑
こんにちは、コッシーです。
さて、うちは入居施設とデイサービスが併設しているため、うちの入居者の多くはうちのデイサービスを利用されています。ただ特に外部のデイサービスを利用してはいけないという決まりはありませんので、他のデイサービスを利用されている入居者も何名かいらっしゃいます。
介護保険サービスというのは、1人の利用者に対していくつもの事業所がそれぞれの立場で支援サービスを行います。同じ会社内の事業所もあれば外部の事業所もあります。
そういう中で重要となるが情報共有だと思います。特に外部の事業所と連携する場合はその辺りをしっかりと行っていないと事故に繋がったり、一体的な支援が出来なかったりします。
お互い利用者に関する情報をきちんと申し送り共有することで、利用者にとってより良い支援ができると思います。
うちの入居者のMさんという90代の女性の方も外部のデイサービスを利用されています。そのデイサービスとは送迎時に申し送りをし合ったり、また記録などを閲覧してMさんの情報を共有しています。
ある日のことです。
デイから帰宅したMさんの左足に打ち身のような痣がありました。デイのスタッフさんから特に申し送りはありませんでしたし、記録にもそれに関する記載はありませんでした。
Mさんは要介護5で認知機能も低下しているため、いつどうやって打ったのか本人は覚えていません。毎朝モーニングケアに入っていますが、特に左足にそういった打ち身は見られませんでした。
もしかしてデイの利用時に何かあってこちらに報告を忘れただけかもしれないと思い、デイサービスに確認してみました。
「前回利用され帰宅後左足に打ち身のような痣がありました。そちらで打ったり何かが当たったりされていませんか?」
こう僕が尋ねると、デイのスタッフさんは明らかに怒った声で、
「うちは全身チェックしてそちらにお戻ししておりますので、仮に打ち身などあれば見逃したりしません!!こちらのせいにされたら困ります!!」
と言われました。
僕としては、デイサービスのせいにしているわけではなくただ確認をして欲しいと思って連絡をしただけですが、まさかこんな風に怒って言われるとは思っておらず驚きと共に少しムカつきました。
ただケンカしても仕方ないのでその場は謝って済ませましたが、釈然としない気持ちでした。
そしてまた別の日。
デイから帰宅されたMさんですが、今度は左第1趾に切り傷がありました。デイのスタッフからは特に申し送りはなく、記録に【爪をカットした】とありました。切り傷から見てもおそらく爪切りを行った際に誤って切ってしまったと思われます。
これは間違いない、100%デイのせいだと僕は思いました。
今度こそ確実に罪を認めさせるために口頭ではなくしっかり文書で問いただしてやろうと思い、切り傷の写真を何枚も取りそれをしっかりと書類に添付しました。
そして前回のお返しとばかり嫌味たっぷりに、
「そちらから帰宅後左の第1趾に切り傷がありました。足の爪をカットされたとのことですがその際に切ったのではないですか?全身をチェックされてるとのことでしたが気付きませんでしたか?それとも足の指は全身チェックの対象なんでしょうか?まさか全身チェック後に付いた傷ですか?それならばどのようにして付いたのか納得いく説明をお願いいたします」
とまるで悪魔のような顔で文章を打っていましたが、そこで傍と気付きました。
僕は一体何をしようとしているんだろうと。
証拠を突き付けてデイサービスに罪を認めさせたとしても自分が気持ち良くなるだけでMさんのためには全くなっていません。
Mさんを支援する者として僕らは決して敵同士はないはずです。むしろMさんが安全で安心して穏やかに生活してもらうためには手を取り合って協力しないといけないはずです。
【左の第1趾に切り傷があります。確認をお願いします。】
デイサービスには傷口の写真を添付してそれだけ伝えました。
するとデイサービスからは、
「傷を確認しましたが、おそらくこちらで爪をカットした際に出来た傷だと思います。確認を怠っておりました。申し訳ありませんでした。」
と連絡がありました。今回の件で次からこのデイサービスはMさんの爪をカットする際に慎重になってくれると思いますし、終了後に傷を負っていないかきちんと確認してくれると思います。
あのまま僕が怒り任せに「そっちのせいだ!」と問いただしていたら、もしかして罪は認めたかもしれませんが、デイ側としては遺恨が残り次はこちらの粗探しをしていたかもしれません。
Mさんを支援する者同士がこんな風に争っていても全く意味がないと思います。
僕らも人間ですから、腹立つ言い方をされればムカつきますし、そんな相手に一泡吹かせてやろうと思ったりすることもあります。でも大切なのはそんないがみ合いではなく、言うまでもなく利用者に対する支援です。
僕らにはプロとしてのプライドがあるので、同業者相手につい虚勢を張ってしまうことがありますが、そんなもんは利用者には何の関係もありません。
プライドを持つなら自分のためではなく利用者の支援の向上のために持ちたいと思います。それが本物のプロだと思います。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー
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