【創作】おもしろそうにおよいでる
子どもの日が近づき例年通り僕らは倉庫の奥から出された。
「今年もよろしく頼むな。あら?こんなとこに穴なんかあったっけな?もう随分と使っているから無理もないか。直せるかなぁ」
僕の尾びれの穴を見つけた太一が慌てた様子で言った。ホントは他にも小さな穴がちらほらとあるんだけど太一を心配させたくなから僕は何も言わなかった。
僕に続いて緋鯉と青鯉も出された。被っていた埃を太一が丁寧に払ってくれる。二匹とも嬉しそうだ。
太一は僕らの口ひもを金具に取り付けて滑車で引き上げた。予め立て