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知ってる?ママン No.54"あのお城は"

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数日後、僕はその会社に見学に行った。そして雇用条件やどのような業務をするのかなどの説明をしてもらった。

帰宅して妻と会議。これからの暮らしと子どもたちが育つとともにかかるお金。今の会社では確実に厳しくなるのは目に見えていた。それであれば今のこのチャンスを逃す手はないのではないだろうか?

「さとしくんはそのお仕事がしてみたいの?今のお仕事との違いはなに?」

「今の仕事との違い・・・確実に言えるのは規模が小さくなる分お客さんとの距離が近くなることかな・・・。あとは仕事の面ではやることは増えるけど面白そうという風に感じている。」そう伝えた。

「さとしくんがそういう風にとらえているのであれば、転職するのがいいのかもね。今までの職種とは少し違うから慣れるまでは大変かもしれないけど土日休みでリセットできるだろうし。年齢的にも31歳でしょ?いいタイミングじゃないかな?」

「土日休み、お給料も上がるのであればこんな好条件ないもんね・・・。」

そして早速、面接の申し込む。翌週、有休をとって面接に行った。

面接官の人の話を聞きながらこれまで自分が経験してきたことを話す。これまでたくさんの現場を経験させてもらえてきてたんだと再認識した。

「では、来週お返事の連絡いたしますね。」と面接が終了。受かれば5月の連休明けからの入社になる。

季節は2月を迎えていた。今、行っている工事現場は大きな川の横にお城がそびえたつ場所。ここのお城はみきさんが初めて僕の家に来た時に、外に遊びに行こうと誘ってきたのがこのお城だったなぁと思い出していた。

毎日、あわただしく仕事をおさめていく。そこへ面接の結果の電話が・・・。

「5月からぜひわが社に来てください。」とのこと。僕はホッとすると共にちょっとだけプレッシャーを感じつつ

「よろしくお願いします。」と返事をした。

みきさんに電話をすると「よかったねぇ。こんばんは、ごちそう作るね☆」と大喜び。そして僕はこのことを上司に伝えることにした。

あらかじめ、面接に行ったことは話してあった。

「あの、無事に面接が通りまして5月からうつることになりました。」

「おめでとう。いなくなるのは寂しいが・・・今のこの会社の状況だとなぁ、引き留めることもできんしなぁ・・・。」上司は寂しそうに語った。

「4月までしっかり仕上げていきますのでよろしくお願いします。」と伝えた。

そして期日までに何とか仕上げようと夜遅い日が続くも頑張った。

春が来て桜が咲き乱れ美しいお城が見れるように・・・そんなある日、僕は大事なものを家に忘れてきたことに気が付いた。急いでみきさんに連絡。

「今日、使うものを置いてきてしまってお昼までに届けられるかな?」そう伝えると・・・

「あ~、ここに置いてある。今から持っていくね(^▽^)」と二つ返事。

1時間後、三男君、次男君と共にみきさんが現れた。二人とも温かい陽気に連れられてぐっすりお昼寝。車から降りて川の方からお城を眺めたみきさん。

「きれ~い(⌒∇⌒)あのお城、初めて二人でデートしたところだ☆」

「覚えていたの?僕もこの現場に配属されたとき、あの時のお城だぁと思って。懐かしいね。今じゃ4人も子どもがプラスされて面白いね。人生って」

「そうだね。それも今の会社の最後の仕事がこの現場と言うのもなんだかおもしろいね。」

そんな風にたわいのない話をしながら車の横でお花見。忘れ物のおかげで素敵なヒトトキを過ごすことができました。

そしてすべての業務を終えて、引き継ぐものは引き継いでこの会社での仕事を終わらせました。数日ある有休を消化し次の仕事に進みだす新たなステージが始まります。

次につづく・・・

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