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知ってる?ママン No.91"あけてみたら・・・"

前回はこちら↓

笑顔のみきさんは話をつづけた。

「みんなね、ネガティブな記憶の方が残りやすいみたい。楽しかったことや嬉しかったことなんかもいっぱいあるんだけど、そのうちのわずかなネガティブな記憶を上塗りして見えなくしちゃうみたい。」

水の中に響いた声と同じような内容だった。

確かに僕はあの頃、仲間と一緒に劇団をして脚本つくりや舞台に立って演じること、大道具や小道具、照明や音響などの演出を全部見ていて本当に楽しんでいる自分がいた。

けれど、その後におきた付き合っていた子との別れをきっかけに共通の友人たちとの仲を僕自身が切ったんだ。

自己嫌悪感や罪悪感の始まりはそこからだったんだ・・・。

「さとしくん、その罪悪感って本当に持ってなきゃいけないものなの?」

「えっ、持っていなきゃって・・・僕があの子を傷つけたのは事実だし・・・。」

「傷つけられた人は他の人を使って、傷つけた人を傷つけてもいいの?」

「えっ?」

「さとしくん、あなたはずっと傷つけ続けていることに気が付いている?みんなの言葉をそのまんま受け取り自分自身で刻み続けているの」

「えっ?僕自身が刻み続けている??」

「そう。自分自身で」

僕自身が僕のことを刻み続けている・・・。その言葉を反芻していた。

あれ、僕はあの時の言葉を思い出していた。

「なんてひどいヤツなんだ。」「そんな人とは思わなかった」みんなが口々にした言葉をそういえば・・・前にも聞いたことがある気がする・・・。

僕の意識は実家の自分の部屋に飛んで行った。

そこには前に付き合っていた子とその先輩の子がいた。そして口々にさっきと同じセリフを別の男の子に言っていたのだ。

どうやら付き合っていた子が傷つけられそうになったらしく、そのことを先輩が僕のところに連れてきて相談に乗ってあげてと言われているところだった。

ああ、そうだ。僕はこの子は可哀そうな子だから助けてあげないといけないとこの時思ったんだ。そして成り行きで関係を持ってしまった・・・。

そこからズルズルとその関係を続けていた。

どうしてズルズルしていたのかというと・・・怖かったのだ。彼のようにみんなに罵られるのが・・・。ある意味で共依存的な関係性だったんだと思う。

一番最初に付き合った人と性的な関係をするときにうまくいかず・・・本当に好きだった人にはきちんと思いを告げることができず・・・。可哀そうな子で自分に好意を持って来てくれる子となら・・・という臆病な僕。

だけど、結局同じように罵られ(;'∀')

その瞬間「さとしくん、お戻りください☆ちょっとコンビニに行きたいです。」とみきさんの声。

我に返りコンビニの駐車場へ車を停めた。お店の中に入りお茶を一本買って戻ってきたみきさんは「運転手交代です。いろいろ出てきたでしょ☆」と呟いた。

「ね、さとしくん。その罪悪感いりますか?」

「う~~ん、なんだか・・・わからなくなってきた・・・。」

僕のせいであの子は傷ついたと思っていた。けれど・・・もしかして・・・いやいや・・・そんな風に思ったらあの子に悪いよね・・・。

みきさんはニコニコしながら「今、あの子に悪いって思いましたね(^▽^)本当に悪いんですか?そもそも良い悪いって何ですか?」

えっ?良い悪い?ってそもそもそこを聞いてくるの??こんがらがっている僕にみきさんはこう続けた。

「良い、悪いって一人一人の立ち位置で変わるものです。今のさとしくんから見たらその起きた現象のとらえ方はきっと違うと思います。」

立ち位置・・・確かにそうかも・・・。

次につづく・・・。

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