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知ってる?ママン No.60"降りてきた"

前回はこちら↓

町中にある助産院に着いた。格子の扉を開けて中に入る。

中2階の部屋へ通された。そこに助産師さんが登場。みきさんと楽しそうに話を始めた。そして僕の方を見ると

「初めまして。今日は一緒に来てくれてありがとう。まずはどこから話したら良いかしら?」

「こちらこそ、初めまして。妻が色々とお世話になっております。・・・あの聞きたいことは山のようにあるのですが・・・どこから話していいのか・・・。」

「そうよね、いきなり自宅で出産と聞いても怖さしかないわよね。奥さんも子どもさんも大事だから。今回、奥さんは突然の出産場所の変更で不安だったと思うの。私に連絡してきたときもね・・・ほっとけなくてね。」

「妻を支えてくれて本当にありがとうございます。・・・そうなんです。大事だからこそ心配で・・・不安なんです。でも妻の気持ちを考えると無理矢理、病院で産むことを勧める気にもならなくて・・・。」

そこから助産師さんと長い長い話し合いが始まった。そしてとことん僕の不安に付き合ってくれたおかげで僕の心は決まった。

「自宅での出産について理解することができました。僕たち家族で迎えることができるように僕自身も頑張ります。」と。

「では、夫婦で一緒にお産の勉強をしましょう。まずは知ることから始まるからね。」

そして、お産の勉強会になるものに夫婦で参加していくことになった。全10回の講座。ママだけが参加する回と、夫婦で参加する回、夫のみで参加する回があった。

前回のお産でも色々と学んだように思っていたが今回は自分の生き方の指針のような・・・すべてを振り返りこれからどうこの家族と生きていくかを示された気がした。

そして、いよいよ36週。これまでできることはすべてやりつくした感じ。お腹が張ることもなく、幼稚園の送り迎えもお山の中のコースを選び子どもたちと片道1時間かけて歩き体力作り。食事も前回の時よりもさらに深ったように思えた。

「あの、さすがに36週も入ったんだから山道コースで産気ついたら心配で・・・車での送迎に切り替えたらどうかな?」

「う~~ん、確かにそうだね。じゃあ、おうちの周りでお散歩するのに切り替える。」

そんな風におだやかに日々は過ぎていった。

37週を迎えて大喜びしたみきさん。その夜、安産体操なるものを本で見つけ試しにやっているらしい・・・。もう少し後の方がよいのでは?とドキドキ。

翌日の朝、4時過ぎだろうか?みきさんの唸り声で目が覚めた。

「あの・・・たぶん陣痛来ちゃったみたい(;^ω^)」

「えっ?・・・そうだ、助産師さんに連絡だ。」

連絡するとすぐに向かってくれるとの返事が来た。その間に出来ること・・・。

振り返ると、陣痛の合間なのかみきさんはキッチンに立ちながら食事の準備をしている。波が来るとこごんで去るとまた動き出す。

「こんな時ぐらい落ち着いたらどうなの?」と伝えたら

「こんな時だからこそ、意識をそらしたくて・・・(;'∀')」

「わかった。辛かったら言ってね。」

そう伝えて僕も洗濯を回しにいき、起き始めた子どもたちに説明をした。いよいよ赤ちゃんが生まれてくるみたいだと。

お風呂にも入っておくとみきさん。破水の確認をして大丈夫ということでシャワーを浴び着替えを済ませる。

30分後、先生が到着。あらかじめ準備していた部屋の中を手際よく収めていく。

いよいよ息づかいが荒くなってきたみきさんがお布団に寝転んだ。

僕は椅子に腰をかけ、そこにしがみつく形でみきさんがポジショニングをとる。

長女ちゃんは助産師さんと一緒に腰の方に座り込んだ。

「なんだか、黒いの出てきた( ゚Д゚)」と小学1年生の長女ちゃん。

ゆっくりと呼吸をしながら力を強弱させるみきさん。

「もう出てくるよ~」と助産師さん。

次の瞬間、みきさんの体がゆっくりと丸まり、反っていった。

赤ちゃんがクルっとして助産師さんの手の中に降りていったのだ。

次につづく・・・

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