知ってる？ママン No.30"トイレで電話・・・"

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成人式の翌週、引っ越し。初めて3人での暮らしが始まった。ここのおうちはアパートの2階。4世帯が暮らしているらしい。僕の家の下は家主さんの息子夫婦が住んでいるらしい。←今思えばあの時期に・・・この部屋だけ空いているという時点で気が付けば良かったんだなぁ。この話は後日・・・。

6畳・6畳・8畳のキッチンダイニングの3部屋。家族3人で暮らすのには支障はなかった。

新しい暮らしが始まりみきさんは近所の図書館にお料理の本を借りに行くのが日課に。月に2万5千円の食費で一生懸命やりくりをしてくれていた・・・。

和やかに過ごしていた日曜日。お昼前に僕の携帯電話が鳴った。例の・・・先輩からの電話だった。急いでトイレに行き電話に出ると

「この間、話聞いてくれるって言っていたよね・・・。いつになったら聞いてくれるの？電話くれないし・・・」そう言って話し始めた・・・。長男君の泣き声が聞こえてきた・・・。みきさんは外で洗濯を干していたはず・・・。「用があるから切るね。」と伝え長男君のところに。

みきさんも慌てて外から戻ってきた・・・。「おむつかな？」と長男君に話しかけている。

それから頻回にかかってくるようになった先輩の電話・・・。無下にもできず・・・。話を聞き続けることに・・・。

そんなある日のこと・・・いつものようにトイレで電話をしていると・・・「あの、トイレ使いたいです。さとしくん？お腹痛いんですか？大丈夫？」とみきさんがノックした。

「あっ、大丈夫・・・すぐに出る。」

トイレを出ようとした瞬間、

「なに？トイレで話しているの？」と電話の向こうで先輩がつぶやいた・・・。

「電話中？誰と話していたんですか？」

急いで電話を切るもあとの祭り・・・。「実はこの間の先輩から電話で話を聞いてほしいって言われて・・・」

「なんで、さとしくんが聞きたいことなの？」

「別に聞きたいわけじゃなく・・・。でも聞かないとめんどくさいことになるかなって・・・」

「もうすでにめんどくさいことになっています。なんだかすごく嫌な気持ちです。コソコソとトイレに行っていたのはずっと電話をしていたという事だったんですね・・・。ちょっと・・・無理。」というとすぐそばにあったリュックを背負い長男君を連れて外に出て行ってしまった・・・。

あまりに早い行動にあっけをとられ固まっていた僕。そこに・・・携帯電話が再びなった。

次につづく・・・

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