知ってる?ママン No.41"歯車がずれだした・・・。"
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脱衣場で声を殺しながらなきだしたみきさん。
「いったいどうした?なにかあった?」
「・・・ごめん、なんでもないよ・・・。さとしくん、お仕事で忙しいから心配かけちゃダメ。まだ頑張れる。」
「まだ頑張れるって何があったの?」部屋に戻り話を聞くことにした。
実は・・・食事の事や掃除洗濯、子育て、お金のことなど事あるごとに母や妹から指導が入っていたようで頑張れば頑張るほどドツボに・・・。
「今日は、食事のことで味付けが濃くてこれじゃあ、さとしくん早死にしちゃうって・・・。お母さんたちはこれから別に食べるって言われちゃって・・・冷蔵庫も別々にしようと。どうやら妹さんの何かを使ってしまったみたいで・・・。わからなくて質問するのに〈なんでですか?〉って聞いたら口答えばかりとさらに怒らせてしまったみたいで・・・。」
「あの人に〈なんで?〉とか質問することは禁句なんだよ。この家で暮らしていくなら覚えておかないと。」
「それこそ〈なんで?〉って思うの・・・なんで?さとしくん」
「そんなこと言われても・・・ごめん、明日早いからもう寝るね。」そう話すと僕は布団に潜り込んだ。
布団の中からみきさんのすすり泣く声が聞こえた・・・。
どうしたらいいのかなぁ・・・。
そして僕は仕事に集中するようになっていった。帰宅も10時過ぎに。みんなが眠るころに帰宅するようになっていった。目を背けたのだ・・・。
そして約束の水曜日があっという間にやってきた。・・・そういえばみきさんに言い忘れていた・・・(◎_◎;)まあ、いつもの帰宅時間にはかえれるからいいか。くらいに思っていた。
駅前で待ち合わせをして車でお店に向かう。ちょっとお高そうな感じの洋食屋さん。
入ると席が用意されていた。そして注文も手慣れたように頼まれていく。そして話を始めた。
「先週、仕事を辞めるか悩んでいると話していたじゃないですか?私あれからいろいろと考えて学校に行くことを決めました。体に関わることをしたいのでそっち方面の学校に春から通うことにしました。だから会えるのも春までですね。サトシさんとお弁当の時間にお話しできるの楽しいんですけどね。」
「僕も・・・お弁当の時間がここの所の心の支え(;^ω^)家があんなふうで落ち着かなくて・・・。」
「揉めちゃっている感じですもんね・・・。」
食事が出てきた。色とりどりの食事達。味も最高においしい。
「どうですか?奥さんのご飯よりおいしい?」
「うん、すごい・・・おいしい。」ちょっとみきさんに対し後ろめたさも感じつつもこのおいしさは・・・素晴らしい・・・。
「うれし~い」彼女は満面の笑みを浮かべた。
9時くらいに店を出た。夜遅いので自宅まで送っていくことに。いつもは駅から自転車で通っているらしい。
「このあたりが暗くて毎日怖いんですよ~」と。
確かに真っ暗で女性一人で通うのは心配な暗さ・・・。車だとほんの10分もかからないけど・・・。彼女の家に到着。
「あのさ、こんなに暗い道だと心配だから時間が合う日は送りましょうか?」
「ほんとですか?春までですけどお願いします。では、おやすみなさい。」
そう言って、彼女は車から降りた。手を振る彼女に見送ってもらいながら家に戻る。
家に戻ると・・・みきさんが珍しく居間で待っていた。
「さとしくん、晩御飯食べる?今から温めようか(^▽^)今日は子どもたちが早く寝てね・・・のんびり待っていたの。」
「ごめん、今日は会社の人と飲み会で・・・。明日、お弁当で持っていくね。お風呂沸いているかな?」
「わかった(^▽^)お風呂沸いているよ。」
ありがとうと伝え、お風呂に向かおうとすると
「さとしくん?なんだかお花のにおいがする?香水?」
「あっ、会社の人乗せたからかな?」
「そうなんだね。お疲れ様(^▽^)」
そうだった・・・みきさんの嗅覚は警察犬なみ・・・だった。
僕はいそいそとお風呂に入った・・・。
次につづく・・・
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