知ってる？ママン No.42"大混乱の始まり"

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そして週に２、3回彼女を自宅に送るような感じになっていった。

その時間が僕にとってリセットされていく時間だった・・・。

ちょうどその頃、僕は建築の施工管理の試験に合格していた。その話を何気に話した時、彼女はとてもほめたたえてくれて何とも言えないうれしい気分になったのだ。

2月になり「いつも送ってくれてありがとうございます。これ合格のお祝いとバレンタインです。」とプレゼントをもらった。どうやら今日はバレンタインデーだったらしい。

「そんな、帰るついでに送っているだけだから・・・。」と伝えたがせっかくなので受け取らさせてもらった・・・。これが後で大変なことを引き起こす・・・。

家に帰り、食事を済ませお風呂に。そして部屋へ行くとみきさんがおおきな袋を持ってきた。「じゃじゃ～ん、さとしくんバレンタインのプレゼント」

「ありがとう・・・。」と受け取る。ここのところ忙しそうだったのは何か作っていたのか？

開けてみるとジャケットセーター・・・。すごい・・・こんなの作っていたの？・・・でも眠い・・・限界。

「本当にありがとう。でも、もう眠いから明日ゆっくり見るね。」

そういうと僕はまどろみの中に。

翌朝、目が覚めると昨日のプレゼントは片付けられていた。

下の部屋に降り「おはよう。お弁当ある？」みきさんに声をかけた。

「できてます。・・・あのね、さとしくん・・・わたしのおじいちゃんの体調が悪いみたいで一度会いに行きたくて・・・。」

「そうなんだ・・・。今月は忙しいからもしできるなら子どもと一緒に行ってきたら？春から長男君も幼稚園が始まるし1週間くらい気分転換に行くのもいいんじゃない？」

「いいの？そんなに家を空けて？お母さんたち怒らないかな？」

「えっ？怒る？気にしなくていいよ。」そして妻たちが月末に家を空けることが決まった。母と妻の関係性は非常に悪い状態に・・・なっていたのだ。その間に板挟みの僕も辛い状態でもあり・・・。

妻たちが実家に帰っている間、僕のお弁当はないわけで・・・毎日、その人とランチの日々に・・・。

夕飯も一緒に過ごすようになり・・・。そんなある日、家へ送っている車の中で

「サトシさんはなんでキーケース使ってくれないんですか？」と聞かれた。

そう、バレンタインの日にもらったのはキーケースだった。けれどさすがにこれは持ち歩いていたら妻に怒られるのでは？と思い、つけられずにいたのだ。

「・・・大事過ぎて使えなくて」と返した。

「そうだったんですね・・・。大事に思ってくれているなんてなんだか嬉しい・・・。今日、奥さんたちおうちにいないんですよね・・・。寂しくないですか？」

「そうだね・・・。でも母とのいざこざもないし、ちょっと気が楽というか・・・。」

「・・・サトシくん、私の気持ちわかっていますよね。私、奥さんいてもいいです・・・。」そう話すといきなり顔が近づいてきて・・・キスをされた。

彼女は急いで車を降りると「また明日」と手を振った。

僕は茫然自失・・・。何が起きたのかわからない・・・。

大混乱の始まりだった・・・。

次につづく・・・

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