知ってる?ママン No.74"愛をありがとう"
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そこからの出来事はみきさんがすべてを綴ってくれた・・・。
なんども泣きながら・・・それでも伝えてと言ってくる六女ちゃんの言葉に支えられて・・・。
僕は病院に搬送されてきた六女ちゃんにずっとついて過ごした12日間。
葛藤の連続だった・・・。ドクターの言葉に一喜一憂・・・。
喜びを覚えたり、怒りを覚えたり、悲しんだり・・・人の感情とはこんなにも虚ろいやすいものなのか・・・。
最初に搬送された病院で心拍を取り戻した六女ちゃん。でも心拍再開まで80分と言う時間はダメージが大きく、ここよりも施設の整った病院に行ったほうが良いと判断された。
搬送されることが決まったとき、新たな搬送先の先生はリスクはあるけれどここで終わることよりの少し可能性でもあるのであればうちの病院にと引き受けてくれたそうだ。
そして、搬送された先で輸血や様々な薬が投与され一命をとりとめた六女ちゃんのこの日の生存確率は10パーセントと担当の先生から告げられた・・・。
この瞬間の僕は・・・真っ暗な世界に落ちていった。隣接する宿泊施設で休むように言われて部屋へ向かった。
布団にもぐっても眠ることができず・・・。そこでメッセージをみきさんに送ることにした。
みきさんもきっと眠れていないはず。昨晩は警察に行き事情聴取も受けている・・・。
珍しく・・・手書きで手紙を書いた・・・。そしてそれを写真にしてみきさんに送った・・・。
しばらくして返事が届いた。「さとしくん、もう、もう、六女ちゃん頑張っているね・・・。」言葉にならない声が届いた・・・。
電話をすると、やはりみきさんも眠れていなかった。家の中を掃除し続けていたらしい・・・。そして六女ちゃんのかけらを見つけては泣いていたようだ。
それから・・・家族で沢山のことを乗り越えていった。
そして沢山のみんなの愛を僕は知った・・・。六女ちゃんは僕たちの繋がりから生まれてきたけど・・・僕たちだけの子じゃなかった。みんなの子だった。
六女ちゃんの肉体が最期を迎える日の朝、僕は目が覚めてすぐ朝陽と共に六女ちゃんに会いに行った。
そこで一番最初に六女ちゃんを搬送してきてくれた先生が当直で六女ちゃんの様子を見に来てくれていた。
先生はぽつりぽつりと話し始めた。
「あの日、向こうの病院から連絡があったとき正直難しいと思いました。けれど、少しの可能性でもあるなら・・・と思ってしまったんです。僕にも同じくらいの子どもがいまして・・・。僕には一番大きい子が10歳でその下にもいて一番下の子は2歳にもうじきなるんです。
この病院で学びたくて単身でここにきているんですが春になったら向こうの病院に戻るんです・・・。
それで、不思議と六女ちゃんと重なってしまい・・・なんとか助けたくて・・・。お父さんの気持ちとぶつかるときもあったと思うんです・・・。酷なことを言ったと思ったこともあります。医療者としての言葉と一人の人間としての言葉・・・。今、僕は一人の人間として話します。
六女ちゃんは本当に家族思いだったと思うんです。大好きなみんなのことを考えてみんなに温かい体で会って・・・記憶を塗り替えてみんなにかわいい姿で覚えてほしくて・・・。今日、夜からバイタルが不安定になっているんです。
わたし、頑張ったでしょ。って言っているようで。この子はすごいなぁと思いました。医者の想像を超える奇跡をこの子は起こし続けてくれたんです。
在宅にしてあげたい・・・という思いと、支える家族の大変さを僕たちは知っています。だから安易なことは言えなかった・・・。」
先生の絞りだすかのような声に僕は半べそになった・・・。
「先生、たしかに行き違いはあったと思います・・・。だけど、六女ちゃんの担当が先生で良かった。本当に、本当にありがとうございます。」涙が止まらなかった・・・。
そしてその日の夜、体から飛び立った六女ちゃん。
その後もたくさんの愛をみせてもらいました。
もうね・・・もう、本当にありがとう。君のおかげでパパは優しい人になれました。人として成長させてもらえました。
これから、君の体現したかった世界をみんなに見えるようにパパはしていくからね。
一緒に進んでいこうね。
ありがとう、だいすきだよ・・・りょうか。
次につづく・・・
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