漱石の「こころ」が私の救済だった(再掲)

(この記事は数年前に書いて削除したものの再掲です。高校の現代文の授業で「こころ」をやって感化された典型的な高校生の文章です)




「月が綺麗ですね」と言われたら「月より私の方が綺麗だろ」と返すのが夢。木染維月です。

さて、「舞姫」や「山月記」と並んで現代文の教科書によく掲載されているのが夏目漱石の「こころ」。教科書には「先生」が書いた手紙の一部しか載っていませんでしたが、私の学校では文庫で全文読まされました。

そんな「こころ」を読んで以来、私は漱石の作品が大好きになりました。

ので今回は、漱石の話をしたいと思います。

【そもそも漱石ってどんな人?】

まとめサイトじゃないので各自でググってくれよな。(雑)
こちらのサイトが分かりやすかったので貼っておきます。
夏目漱石生い立ち:新宿区

ところで漱石の「行人」、ずっと「ぎょうにん」って読んでたのですが、この記事を書いていて初めて「こうじん」と読むことを知りました。ショックなので経歴の要約とか書こうと思ってたけどやめます。本題に入りましょう。ぴえん。

【「こころ」ってどんな話? ※ネタバレ注意】

これは記事の内容上飛ばせないのでちゃんと書きます。ネタバレ注意。「こころ」既読の方は飛ばしてください。

主人公の青年は旅先の鎌倉で、ある人物に出会います。作中で「先生」と呼ばれるその人が主人公は気になり、旅の中で「先生」に声を掛けました。それがきっかけで二人は懇意になり、交流が始まります。

旅から帰った後も主人公は「先生」のもとに頻繁に通いました。主人公と会う中で、「先生」はたびたび意味深な言葉を残します。

「しかし君、恋は罪悪ですよ。解っていますか」

先生は孤独を好む人でした。世と、人と、交わろうとはしませんでした。そして人間を信じておらず、自分すらも信じていないような人でした。また常に何かに苦しんでいるような人でした。
しかし主人公が訪ねてくるのは嬉しく思っているようで、先生と主人公は様々な話をしました。

主人公の父親が体調を崩したのをきっかけに、主人公は故郷へ帰ります。学校を卒業した主人公は就職先が決まっておらず、両親には「その先生という人に就職先を工面してもらいなさい」と言われました。そこで主人公は、先生に就職先の紹介をお願いする手紙を出します。しかし待てど暮らせどいつまで経っても返事はなく、やっと返ってきた手紙は就職先の紹介にしては分厚すぎるそれでした。

手紙には先生の過去と、「この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう」という、先生が自殺したことを報せる内容がありました。

【この話のどこに救済要素があったんだよ】

あったんですよ。それが。

もちろん、漱石が書かんとした(と思われる)テーマ通り、漱石が投げかけた(と思われる)問い通りのことも受け取りました。
しかし救済はそれ以外の点に存在します。

突然ですが、私は自分の意思の介入しないもので死ぬのが怖いです。要は事故や他殺ですが。かといって自分で死のうと思ったらそういう向こう見ずな勇気って20代のうちになくなってしまいそうだし。「私、30までは生きないと思う」って言うメンヘラ女さんになるしかないか……とか思ってました(実際死んでるかどうかはさておき)。

ジェットコースター、どうしても乗らなきゃいけないなら、知らんうちに他人に乗せられてるより自分で乗りたいじゃないですか。え、絶叫マシーン好き?知りません。私は無理。

ですから何だか安心したのです。自分の罪悪や恋愛の話が理由でその選択ができるエネルギーが、「先生」と呼ばれる年齢の人間にも備わっていること。選択できなくならないなら、私はまだ生きていられる。矛盾しているようですが、そう思って救われたのです。

【オチ】

ところで「先生」って何歳くらいなんだろうな。Google先生知ってる?

「35歳前後と推測されています」

思ったより若いんだが??????????

それではまた。

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