見出し画像

「何をしているか?」特化型Vtuber3選


コンテンツは心臓だ。
絶えず脈動し、エンターテインメントの血流を世界中に循環させるものだ。
前回の記事で、俺はVtuberについて所感を述べた。
次は、俺の琴線に響いたVtuberを紹介しようと思う。

「Vtuberになって何をやるのか」を明確にするべきだと、俺は主張した。
当然のことだと思うかもしれない。
だが、Googleで『Vtuber 種類』と検索しても、「何をやっているか」ではなく、「どんなキャラクターか」が出てくるのは、個人的にどうかと思う。
1万人以上に増えたVtuberの混沌世界の中で、もはや「キャラクター性」は武器にするにはあまりに心許ないものだからだ。
これから紹介する3人のVtuberは、俺が「何をやっているのか」を重視して選んだVtuber達だ。
3人それぞれが個性溢れるVtuberで、やっている事の専門性、またそれを磨き続ける向上心にかけても、リスペクトするに値する者たちだ。
その溢れる『個性』は、これからのVtuber界の中で、唯一無二の武器として新たな世界を切り開くだろう。
それでは紹介させてもらう。
なお、掲載する動画に関しては、俺が一番面白いと思った動画を掲載させてもらうので、全ての動画が見たい人はyoutubeまで足を運んでもらいたい。


料理部門
エスプレッソマキアートさん

https://www.youtube.com/watch?v=cXMSJx-hJ7Q&list=PLmWKoJ8BgFfjTRdx3A9XnHo-XqVFnLGei&index=2

衣食住。人間が生きていくために必要な、3大要素と言われている。
その中でも、『食』を重視したVtuberがエスプレッソマキアートさんだ。
デビューは2018年の7月。だいたい2年前。配信などを挟みながら、料理動画を投稿し続けている。
どの再生リストを見ても、料理やコーヒーの動画がずらりと並ぶ。エスプレッソマキアートの名に恥じぬ料理人ぶりだ。
動画を見てみよう。
おしゃれな音楽と動画で構成されたオープニング。今から料理を作るぜという、清潔で不撓不屈な雰囲気が漂ってくる。
続いて、今回作る料理の説明が始まり、料理が開始される。
慣れた包丁さばき、丁寧な解説、難解な素材を使用しないシンプルでおいしい料理。
編集の腕前も確かで、テンポよく動画が進んでいく。
見ているうちに、料理が出来上がっていく様はまさに職人芸だ。
これはすごいな、と思った。
シンプルにまとまった動画を作るのは難しい。
余計なものを入れないというのは、動画に何を残すかがよく考えられているという事だからだ。
料理動画の他にも、コーヒー用品のレビューもしている。
ダイソーで買った500円のコーヒーミルの性能実験動画は、実際にコーヒー豆のひき具合をブランド品と比べていたりと、見ごたえがあって面白かった。
ただ一つ、欠点を挙げさせてもらうなら、料理動画の初めに使った食材の一覧があると、真似して作るときに便利なのではないかと思った。
料理する前に食材を用意しておけば、あとは動画の通りに真似するだけで同じものが出来上がる。それだけ動画の完成度が高いのだ。
不撓不屈の料理人Vtuber、エスプレッソマキアート。その技量の高さはVtuber界の職人芸だ。

釣り部門
釣り人テキサス・ライトさん

https://www.youtube.com/watch?v=-63aSH5HPG4&t=568s

Vtuber界の釣りバカ日誌。それがテキサス・ライトさんだ。
Vtuberデビューは10ヶ月前だが、釣り動画自体は2年前から上げ続けている人だ。
カヤックを使った川釣りを主に投稿しており、Vtuberとしては珍しいアウトドアな分野を得意としている。
動画を見てみよう。
釣りである。正直、俺は釣りに詳しくない。
だが、そんな俺でも楽しむことができるくらい動画の完成度が高い。
まず、カヤックの上からの景色が新鮮だ。
普通、川に来ても川岸から眺めるだけで、視界の両側で川岸がずっと向こうまで伸びている景色はあまりにも新鮮で、一種の非現実感すらある。
次に編集だ。カットと字幕が巧みに使われていて、魚がヒットするまで待つのが苦手な人でも楽しめるくらいテンポがいい。
旅系バラエティー番組のような編集がされていることもあり、見ていて飽きない構成になっている。
それに、苦戦する様子をきちんと動画に入れていることで、魚を釣り上げるという行為にドラマ性を盛り込んでいる。
江戸川のブラックバス釣りの回が分かりやすい。場所を何度も変えつつ、苦戦しながら竿を振り、ヒットするのを待ち、ようやく釣り上げた時は達成感がこちらまで伝わってくるほどだった。
また、テキサス・ライトさんはカヤックのおすすめ動画も投稿している。
10万円あれば余裕!バス釣りカヤック講座〜買おう編〜は、カヤックでの釣りの楽しさをうまく伝えられていて、とても勉強になる動画だった。
Vtuber界の釣りバカ日誌、テキサス・ライト。釣りに興味がある人なら目を離せないVtuberに違いない。


植物部門
ネアちゃん(食虫植物TV)

https://www.youtube.com/watch?v=gJ-lOPZK1BU&t=417s

クレイジー。それしか言えない。
自作の罠でスズメバチを捕まえて食虫植物と戦わせたり、ウツボカズラに米を入れて食べるウツボカズラ飯を敢行するVtuber。
それが食虫植物TVだ。
Vtuberになる前の、今から7年前には既に食虫植物の捕食瞬間動画を上げていたことを考えると、そのクレイジーさが分かるはずだ。
一見、クレイジーな面が目立つが、実際は真面目に食虫植物を愛していることが伝わってくる。
ハエトリソウの受粉動画の説明はとても詳しく、分かりやすかった事からも確かな知識を持っていることが窺える。
動画を見てみよう。
TVチャンネルのOP動画は、さわやかな学園モノ風で、キャラクターのコンセプトがきっちり詰め込まれている。
動画は、真面目なものが多い。
食虫植物の紹介動画が主で、たまに奇怪な企画(スズメバチVSシリーズ)が混ざっている。
動画構成は、実写動画を背景に、ネアとフスカという二人の少女が、食虫植物について語っていくというのが本筋だ。
実写のぽうでは、実際に食虫植物に触れたり、スズメバチと食虫植物をバトルさせたりする。
その光景を、ネアとフスカがほんわかした口調で解説している光景は、教育番組めいた雰囲気があり、とても面白い。
二人は食虫植物を愛しており、動画越しでも深い愛情を注いでいることが感じられるほどだ。
食虫植物の深くて神秘的な世界の案内人として、二人はこの上ない適役だろう。
また、植物の専門用語が出てきたときにはそれを丁寧に説明してくれるため、植物の知識がなくても非常にわかりやすい。
奇怪な企画の動画でリスナーを集め、真面目な食虫植物動画でチャンネル登録に引き込む。
Vtuber界の食虫植物として、まさに名前負けしないVtuberと言えるだろう。

いかがだろうか。
自分の『個性』を特化させ、磨き上げ、動画を投稿している者たちだ。リスペクトするぜ。
主に「何をやっているか」という事が分かりやすいとどんなメリットがあるか。
特に、同好の士によるクラスタができやすい事だろう。
現に、テキサス・ライトさんの動画には釣り人らしきリスナーのコメントが多数あった。
それに、その特化した事を続けているうちに、何か別の事に繋がるかもしれない。
『料理』に特化したVtuberなら、新製品の調理器具の宣伝の仕事が来るかもしれない。
実際にそういう例があるかは分からないが。
この紹介を見て、彼らに興味が湧いたら、ぜひチャンネル登録をして、動画を楽しんでほしい。
そして、動画の感想をSNSで呟いたり、コメント欄に入れてほしい。
そういった反応の連鎖で名前が広まり、リスナーが増え、新たな世界が広がる。
『個性』が大きくなり、Vtuberの新たな可能性が見いだされる。
それこそが、俺の求める『より良きものに向かう力』に他ならないからだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?