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【FF14雑記】なぜ俺はTANKをやりたいか

子供の頃の将来の夢は、ドラクエの戦士だった。
魔法なんてコスい事はせず、剣と盾と己の肉体のみを頼りにドラゴンを倒す。
それが最高にかっこいいと本気で信じていた。
メタルのCDに描かれていた、断崖絶壁の上で剣を構え、空を舞うドラゴンに立ち向かう戦士が俺のヒーローだった。
高校ぐらいになって、将来の夢は叶いそうもないと気づいてから、せめてゲームの中ではその通りにしたいと思い始めた。
オブリビオンやスカイリムでは純戦士のスキルしか取らなかったし、エルミナージュをプレイした時も戦士一直線だった。
新しいゲームを買えば、真っ先に調べるのは『どのキャラクターやジョブが戦士なのか?』ということで、他には目もくれない。
魔法使いやアサシンにも手を出したりしたが、最後に行きつくのはやはり戦士だった。
4ケタある屈強なHP、高い火力、どんな攻撃を受けても耐える頑丈さ。
まさに、戦士は俺の理想だ。
しかし、戦士としてゲームを渡り歩くにつれ、俺の要求も高くなっていった。
『強敵と真正面からぶつかりたい。殴り合いたい』それが俺の要求だった。
その頃は、PSPやPS3全盛期で多数のゲームがあったが、どれも俺の要求を満たすには至らなかった。
モンハンは被弾を前提としていなかったし、FPSは反射神経ばかり要求されて、なんか違った。
アーマードコアFAのブレオン(ブレードのみを装備)でNPC相手に暴れまくるくらいしか、俺に救済の道はなかった。
NPCの機体をブレードで引き裂くうちに、俺は戦士ではなくなっていた。狂戦士の闇に落ちていたのだ。

そして、今に至る。
俺はFF14をプレイした。フリートライアルなら金もかからないし、暇つぶしにいいかと思ったからだ。
予習くらいはしようとwikiを見た。
そこに書かれていたのは、敵の攻撃を一手に引き受ける役割、すなわちTANK……
そして、戦士というジョブ。
迷わず、斧術士を選択した。
レベルをちまちまあげて、15レベルになる。
初めてのライトパーティ。初めてのダンジョン、サスタシャ洞窟。
俺は自分にディフェンダー(攻撃で得られる敵視が上がるスキル)をかけ、とにかくオーバーパワー(範囲攻撃スキル)で敵を引き付ける。
ボスはでかい魚人。仲間が攻撃されないように敵を引き付け、コンボで殴る。殴る。殴る。
しかし、魚人もボスだ。俺を槍で打ちすえ、攻撃スキルを叩き込んでくる。
その時、俺は感じた。
こちらに向いている巨大なボス、それに立ち向かう自分のキャラ。
それは、幼き日にみたメタルのCDに描かれていた戦士そのものだった。
これだ、と思った。
これこそ俺が求めていた、強敵との殴り合いだった。
記憶の底から、メタルCDの戦士が語りかける。「You are berserker.」
俺は言った。「NO.I'm warrior!!!」
メタルCDの戦士は笑った。それと共に、俺の中の狂戦士は戦士に変わっていった。
強く、屈強で、HPが4ケタある強き戦士へ。
「OK.Good fight warrior!!!」メタルの戦士は消えていった……
俺はでかい魚人を叩き切った。そして、戦士を極める決意をした。
敵の真正面に立ち、DPSが敵を削り切るまでヒーラーの援護を得ながら、敵の攻撃を耐えきる。それがTANKだ。
仲間を守り、自分こそが一番の脅威だと思わせ、他のジョブなら致命的な敵の必殺技を耐えきる。
スリルがあった。最後に立っているのは、敵か俺か。そういうはっきりとしたルールがそこにあった。
それがなによりも心地よかった。
TANKの事ばかり書いているが、DPSに魅力が無いわけじゃない。
スキルを回し、高い爆発力を相手に叩き込んでHPをがりがり削るのも、それはそれで面白いはずだ。
だが、俺は敵の正面に立ちたい。側面や背後では無く、正面に立っていたいのだ。
敵と対決している、という実感がなによりも欲しいのだ。
だから、俺はTANKを極めようと思う。
TANKを極めたら、次はヒーラーだ。なぜなら、TANKが回復を求めるタイミングをそれとなく掴みかけているし、その感覚はヒーラーをやる上で間違いなく役に立つはずだからだ。
たぶんDPSは最後になるだろう。
しかし、DPSが嫌いなわけじゃない。
TANKがいなければパーティは敵の攻撃を耐えられない、ヒーラーがいなければTANKは攻撃を耐えられない、DPSがいなければTANKが力尽きる前に敵を削り切れないし、雑魚の処理もできない。
誰が欠けても、コンテンツはクリアできないのだ。それはDPSもそうだ。だから、どの職も俺は好きだし、先走りDPSが釣った敵でもきちんと敵視を取ってやる。
話は変わるが、MIPを投票するとき、なぜ全員を選べないかと思う。
誰が欠けてもクリアできないなら、コンテンツをクリアした時点で皆がMVPではないか。
皆がクリアに向かって全力を出している時点で、皆にMIPが贈られるべきではないか。
MIP投票で誰に投票するか迷う時、俺はいつもそう思うのだ。

もうすぐ、アルテマウェポンを攻略し、新生のメインクエストに一区切りがつく。
8人パーティの機会も増え、コンテンツの難易度は更に増すだろう。
TANKもメインタンクとサブタンクの役割分担が重要になる。
まだまだ俺はひよっこで、TANKの道の入り口にすら立っていない。
だが、敵と向かい合い、打ち倒す気概。ギミックや特殊な攻撃を理解する力。
そして、敵と対決しているという実感さえ感じていれば、どんなコンテンツも攻略できると信じている。
それらを会得し、真のTANKに至った時こそ、FF14が最高に楽しい瞬間に違いないと俺は思う。
アルテマウェポンの予習動画を見ながら、俺はそんなことを考えるのだった。

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