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かっこよさと中二病の話

昨日は福岡市は香椎の照葉というところに行きまして、「しょうよう」って読むのかと思ったら「てりは」だそうで、近くに住んでいるカメラマンあべに言わせると照葉は金持ちっぺえ人たちが多く住んでいる感じの、大変に洒脱でソフィスティケートされていて 紐付きメガネに ざんす言葉が似合うところだそうですが、

ざんすマダムと縁遠い私が照葉に行った理由は 某大手企業の大株主の女傑が自前のクルーザーで開く、尊厳をお金でお買い上げしてカタルシスを得るという怖そうなパーティーに強制召集されたため、ではなくてですね、

なんでもホテルが新しくできるそうで、インテリアとして伝統工芸品の焼き物を ということでの打ち合わせだったのです。でもそんなパーティーがあったら行ってみたいですよね。何をさせられるのかしら。


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結構前から話が来てたので もうホテルが出来上がってるのかと思いきやプレハブみたいなのしかなくて、これはこれでおしゃれっぽいけど全然できてへんやんけ、って思いながらプレハブの中に入ってみたらめちゃくちゃホテルになってまして、

プレハブ的なホテル というのではなく、何十階建てみたいなタイプのホテルのワンフロアが再現されてて、エレベーターホールとか廊下とか室内とかが本物と同じように作られていたんですね。これ目隠しされて連れてこられたら量子テレポートでもしたのかしら とびっくりするくらいの作り込みでした。

なんでも内装のデザインを監修するのに一回こういうのを作るみたいで、やっぱり大きい資本が入ってると違うなーと思う一方、このプレハブどうせ壊すんだったら丸ごとくれないかしら、と切に思いましたざんす。

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その後近くに住んでいたカメラマンあべと「シンエヴァンゲリヲン」という映画を見に行きまして、私はいわゆるエヴァ直撃世代ではなく、テレビアニメ版は大学生の頃に 誰か親切な方がネットにアップしてくれていたもので見て、劇場版は一つも見てないくらいの温度感なんですけど、映画シンエヴァンゲリヲンは大変によかったです。

とにかく絵が かっ飛んでかっこよくて、構図だったりアニメーションの動きだったり、アニメ絵や3Dや実写やパラパラ漫画みたいなのまで あらゆる映像技術を駆使していて、ずーっと映像が凄いんですね。単純に映像表現だけでアニメ史上最高峰のものになっているんじゃないかしら。

内容も面白くてですね、各人の喋ってる会話とかは半分くらい何言ってるのかわかんなかったんですけど、前作の劇場版を見てないこともあって、だからようわからん単語の意味を類推して、私の中で 多分こんな感じのことがあったんだろうなーと勝手に物語を作りながら見てました。これは前作を見ていない人だけができる鑑賞法ですね。カメラマンあべは普通に前作見てからにすればよかったと嘆いていました。

あと主要の登場人物が全員中二病というか痛い人たちで、それもいいんですよね。ここまで堂々とやられたら潔いですし、中二病的なものを経た人間というのはやがてそれらを否定しつつも新たなステージでやっぱり「イタい」わけで、

それが高二病とか大二病とか社会人二年目病とかって感じで、少し前の過去を否定しながらも どうしても捨てきれない自分の中の信念やら核やらを、やがてはその人の表現として確立していくんじゃないかしら。生活のスタンスだったりしゃべる言葉だったり。

だから かっこよさの初期段階には多分中二病があって、それを繰り返し煩悶することでしか 人や表現はかっこよくなれないんじゃないかしら。中二病的な成分が全くない人は合理的すぎて どこか信用しにくいところがありますものね。固執したり突き放したり恥ずかしくなったりそれを認めてみたり、そんな自意識のジタバタを経験してきた人だけが到達できるところがあるんだと思います。



高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目




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