上目指そ

最近の私は、もうこれしか言ってない。
とりあえず、上を目指したいフェーズ来てるのだ。
読んでそのまま、上に移動したいときに使う。

「とりあえずうち上目指して席とっとくわ」

これはマックで友達に言ったセンテンス。友が商品受け取る係で、うちは席取る係。長居する予定だから上目指すことにした。マックていうのは大抵、長居する奴しか2階に居らんから。マックで上目指すってうちが言ったってことはうちらは向こう1時間はミリもどかんよってことね。シェイク1個で粘るよてことね。

けど、場面によって「上」の意味は変わる。

「とりあえず上目指そ」

これは、友が洋服買うか悩んでたときにうちが解き放ったセンテンス。
いくつか服屋さんまわってるけど、お互いピンと来るのが見つからんくて丁度だれてくる頃合い。もうなんでも良いけん買っとけ?買わんと今まで悩んだ時間と体力無駄感でるから。服を買うっていうのは大抵、今まで探しまわった労力を救ってあげたいがための、 買った という事実に対する出費もある。やけん、ここらへんで手を打っとかんか、てことでの「上」

「上目指す?」

これはうちがトリキで友に投げかけた確認のための問い。答えは「うん」しか許されん。正確には3秒くらいためてから「うん」って言うのが常套の流れ。微妙にうちらのキャパではギリきついんじゃね?ってラインナップをボコスカ注文表に入れたあと、注文完了ボタンを押す直前のひととき。
後悔確のカスみたいな未来しか思い浮かばんけど行くよね?っていう覚悟のファイナルアンサーを導き出す「上」
ファイナルアンサー?って聞かれたあと、ごちゃごちゃ言ってる奴見たこと無いもん。

「上目指すしかないっしょこれ、」
これはうちが天神で遊んだあと、そろそろ家に帰ろうかというシーンで友にしか聞こえんくらいの声量で静かに呟いたひとこと。
昼から集まったものの、特にやったことと言えば喋るかスマホ触るくらい。無数に居る、わざわざ天神に居る必要もないペアの中枢に位置するうちらだからこそ言えるセンテンス。
なんやかんやで疲労感はあるものの、どこかで 足りなさ を感じている。
これを補うのは酒でも歌でも愚痴でもない。
徒歩 だと気づいた頃にはすでに家まで完歩の道筋はグーグルマップを見るより明らか。行くしか無い。歩いて帰ろう。
斉藤和義なら共感してくれる「上」

ここ最近はもう、上しか目指してない。横も下も目指そうと思えばいけるんだけど、いつだって最終的にドスッと腹に落ちるの真上。
スポ根漫画の主人公が、常に上を目指していることを嘲笑していた中2の時分には分からなかった、義務教育でアサガオを育てた意味。
あれは、うちらだったんだね。
上を目指して成長する植物さんに、自分を見出し理解するまでに10年以上かかってしまった。
今のうちにはもう、上しか無い。
みんなごめん。うちは上を目指します。追いかけないでください。

この言葉を最後に、女は消息を絶った。
女の行方を知る者は、もう、どこにも居ない。(衝撃のラスト)

おわり

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