aiko、大人になる

2月の下旬に一週間のひとり旅をした。
小平市からいただいた7万円の給付金を全ツッパして北海道から南下する旅。途中の福島県郡山であたしはふきのとうを食べれるようになった。
なんとなく入った居酒屋のお母さんに、西の人はあんまり食べないんでしょ?といただいたふきのとう味噌がすごく美味しかったから。
たしかに、ふきのとうは全然食べない。まず、家で出ない。どころか、スーパーでも見ない。さらには、一時期バイトしていた八百屋にも入荷しない。うすぼんやり、どっかの蕎麦屋で天ぷらのやつを食べた事があったけ…くらいの存在感だった。大人の味だよとか言われちゃったから、たちまち体が発光して2.3回拡大縮小したあと頭の上らへんからキランって星が出て分かりやすいレベルアップが生じた。
調子に乗ったあたしは、その後福井県の居酒屋でもふきのとうを頼むことに。カウンター席の隣でずっと軽いペッティングをしていた壮年のヤンキーカップルの女性が、流しっぱのテレビにフワちゃんが映った瞬間「嫌い。」とひとこと呟いた。そのせいで店全体にウミガメの産卵に限りなく近い神秘と緊張が走り、爆速会計→帰宅したことはふきのとうには関係のないはなし。


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