(゜.゜)

茄子田腰麻呂には、虚実入り混じり之助という友達がいる。
そいつは最近バイトを辞めた。そしてまた始めた。

辞める前は大きなモールの1階、スーパーの横にごちゃっと並ぶカルディやらディッパーダンやらの並びにあるキムチ屋に勤めていた。
入り混じり之助はいい加減な奴だけど、仕事は真面目に取り組んだ。
真面目にキムチを棚に陳列し、真面目にキムチを客に売り、真面目にキムチを計上したレシートを切っていた。

入り混じり之助は店長と仲良くできなかった。彼は悪くない。彼はいい加減な奴だけど真面目で良いところはたくさんある。根拠はそれだけ。けど、話を聞くより明らか。入り混じり之助が悪いなどという事は必ず無い。
入り混じり之助はインスタの親友(したとも）ストーリーで店長とのLINEの内容を暴露しまくってはひとこと「まじこいつうぜぇんだがwww」的なコメントを添えていた。いつしか奴のストーリーにはなにわ男子か店長とのLINEしかあらわれなくなった。
日に日に募る店長への愚痴となにわ男子の道枝くんへの愛が錯綜し、非常な混沌を極めていた。
その様子はまさに現代の曼荼羅。LINEの背景の青と、なにわ男子をアプリでデコレーションしたピンクが見事な彩度の一致を為し、ストーリーを右にタップするたびにチカチカチカチカチカチカチカチカ…

病気になるっっっっっっっっっ!!

そう思った矢先、入り混じり之助の方から「バイトを辞めた」と歓喜に溢れたストーリーが更新された。
丁寧にも
「1月1日をもちましてキムチ屋を辞める運びとなりました」
と書いてあった。
ほらね、真面目な奴なんだあいつは。
真面目なんだとても。

ほどなくして新たにバイトを始めたという。
以下は私、茄子田腰麻呂と虚実入り混じり之助とのリアルなメッセージのやり取りである。

茄子：入り混じり之助、○○モールの漬物屋のバイト辞めたんやないっけ！またはじめたん！？
虚実：漬物屋じゃないしキムチ屋だし
虚実：いま真隣の弁当屋に居る！！
茄子：気まずくなったりせんと？
虚実：店長が気まずそう(゜.゜)

驚いた。その弁当屋というのも、キムチ屋のマジの真隣。休憩スペースとかとか共有なんじゃねぇか？というレベルでビタッと隣り合っている。気まずいどころの騒ぎじゃない。
そういう時ってさ、せめて同じモール内でも離れた所行くくね？
弁当屋ならモールじゃなくてもあんたの家から30秒のところにあるだろ、
キムチ屋の店長のこと、嫌いなんちゃうんけ？？？
あと、最後の顔文字なん？？？？？？なんの感情それ？？？(゜.゜)て。
あんなにたくさんある顔文字の中でそれ？？？？(゜.゜)てあんた。

言いたいことはたくさんあった。ほんとにあった。
けど、
あ、どーでもいいかもーってなった。

虚実入り混じり之助は3日後、また見事な曼荼羅を作り上げていた。

なにわ男子・弁当屋の店長とのバトル・なにわ男子・弁当屋・なにわ男子…チカチカチカチカチカチカチカチカ…

(゜.゜)

おわり。