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とある同人誌即売会にサークル参加してきました

久しぶりの投稿! ただ結構愚痴っぽい内容なのでお気をつけください!

結論から言うと、「リアル同人誌即売会への参加に対してかなり慎重にならざるを得なくなった」ということです。これは参加した即売会が悪いという意味ではなく、「リアル即売会全体のシステム的に」という意味でお考えください。参加した即売会のスタッフはベストを尽くしてくれました。そこは感謝しています。

ただ、元から即売会自体が抱えていたデメリットと、疫病蔓延中の現状が合わさって、現状二つ返事でリアル即売会をやりたいかというと必ずしもそうではないということを、1サークル参加者の感想として書き記しておきます。

ソロ参加のつらさ

これは実際に参加して初めてわかりました。特につらい部分はいくつかあります。

1. 設営のつらさ

以前自分が他のサークルの売り子やっていたことがあって、2人で設営したときは「そこまで大変ではないな」という感じでした。ただ、これを1人でやろうとするとかなり大変でした。

自分の本どうしても200Pとか重い本が多いので(書いてるとページ数が増えてしまう)、1箱25キロとか余裕であるんですよね。それを2箱(完全に在庫読み違えたんで、1箱にしたらもう少し楽になったかと思います)で、設営の細々したのをやっているともう開場ギリギリになってしました。設営しただけでもう死んだ目になっていました。

次の話と重なるのですが、出展者交流時間が設けられていたので、そこで他のサークルさんの本を買えるかなと思ったら、設営だけで精一杯で、他のサークル回ってる時間なんかゼロ。

「追加椅子はありません」と書かれていたから、他のサークルもソロ参加なのかなと思ったら、ソロ参加のほうがレアで「あれ???」ってなってしまいました。イメージ的には「平服できてください」って書かれていて自分以外スーツみたいな感じです。周りがソロだったら、交互に店番頼んで買ってくるみたいなのできたかなと思ったのですが、「あっ…(察し)」って具合に律儀に店番してました。

2. 休憩所あるけど休憩できねえ

ご丁寧に出展者専用の休憩スペースを用意してくれていたんですよね。そこで休憩したいと思っていたのですが、ソロからサークルスペースを離れられない。なので、いつもどおりにサークルスペースで飯を食うしかない。少し離れたサークルの方もソロだったので、同じことをしていられました。

休憩ぐらいなら「お腹すいたな」ぐらいで済んだんですが(実際駅巡りとかやってると昼抜きになることもあるんでここは問題ない)、一番喫緊だったのがトイレです。「あれ、これトイレいついこう? 最後の方ガラガラになったらさっさとスペース閉めてトイレいこうかな?」って内心思ってたんです。ちょうどそこにフォロワーさんがきてくれたので、「ちょっと店番お願いします」って数分頼んでトイレ行ってきたという次第です。本当にぼっちを極めるとオムツァーになるんでしょうか?

3. 他の人のスペースが回れない

このつらさを痛感させられたのが初めてです。何人か親切なフォロワーの方が「参加していて買いに来ていただける」というケースがあったんですよね。実際それがそこそこ売上に効いていたりします。その人の本を買いにいけなかったのがとてもつらかったです。

他にも買いに行きたかったサークルがあったのですが、一般参加よりも自由度が落ちるというのは実際に体験してみないとわからなかったです。そしてその辛さも経験しないとわからなかったです。

つらいという点では、一般参加だと「単に戦利品が得られなかった」ぐらいなんですが、サークル側の視点が入ると「その人の売上に寄与できなかった」になるんですよね。設営やトイレが自分が辛いだけで済んで笑い話で済むんですが、ここの辛さはかなりのウェイトを占めているかなと思います。

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自分は良くても現状売り子をお願いできるか?→うーん…

これを解決するには売り子を配置することなんですが、まぁいろいろあって頼みづらいよねというのはあります。これは人によって違うと思います。その理由をいくつか書いていきたいと思います。

1つ目はサークル主と売り子の関係が、著者と著者の関係ではないこと。自分の場合は1人で原稿が書いてしまうので、どうしても著者とそれ以外の関係になってしまうのですよね。サークル主も売り子も著者だったら「いろいろリスクはあるけどお互い様だよね」で行けたんですが、そうでないと現状頼みづらいよねというのはあります。「密集とはいかなくてもそこそこいる人の空間に何時間もいてね」と赤の他人に言うのって頼みづらいです正直。もしここが共著なり売り子も著者だったら変わるのかなとは思います。

2つ目は日程調整の関係です。コミケや技術書典みたいにそこそこ大きいイベントなら、「この人なら一般参加でくるだろうな」みたいな人を売り子に指名して、「サークル入場使っていいよ」で釣ることもできました。ただ参加したのがそこまで大きくないイベントだったので、いきなり「この日売り子やってくれない?」とも頼みづらい。第一いきなりそんなこと言ってもその日空いているかどうかわからない。正直そこをいちいち調整するのが個人的にかなり面倒くさい。

3つ目は小さいイベント特有の問題ですかね。売り子確保の極論は金のパワーで殴るですが、そこそこ大きいイベントなら謝礼払ってもペイはできても、小さいイベントだとあんまり売れないからそのパワーで殴れない。結果的にコストだけ増えてしまい、通販でやったほうが全然楽になってしまう……という悲しい状態に。

人的リソースがネックになるのって話には聞きますが、自分が実際遭遇すると「うーん」という感じになってしまいましたね。

値段を下げても売れる数は増えない。刺さる層に訴求できるかが大事

これが結構驚かされました。例えば、「モザイク除去から学ぶ 最先端のディープラーニング」

とか、全体で700人ぐらいに読まれてるんですよね。まぁ小さいイベントだしって15部ぐらい持っていって、さらに本来は2500円+送料のところを、2000円まで下げても、実際に売れたのは数部でした。個人的には持っていった分ははけるでしょ、って思っていたんですが、値段見て「あーたけえな」って思われたのが数人ぐらいいてにっこりしました。きっと刺さる層ではなかったのでしょう。

TLではかなり刺さるなと思っていても、実際の反応は違うって勉強になりました。Twitterを世界の全てだと思うな

前々から言われていたことですが、(少なくとも同人誌のような小さいマーケットの本では)、「値段を下げても売上は増えない」ということが実体験できました。こういう背景があるので、はける部数を増やそうとして値段を下げる人はだんだんいなくなるでしょう。

堂々の売上ゼロを達成したポストカード

新刊は「まぁ委託で頑張ればそこそこ手応えはありそうだな」という印象はあったのですが、なんと堂々の売上ゼロを達成したアイテムがあります。

物理本のおまけでつけた以外は全く売れませんでした。本当に売上ゼロです。これはさすがに笑っちゃいました。おそらくもうこのような形で、ポストカードセットを作ることはないと思います。

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全体の売上は「意外と全体の入場者数が伸びてくれたおかげで、大爆死ではないが、期待したほどではなかった」です。ただ大爆死ではなかっただけ良かったです。エアイベント2回分あるかぐらいだったので、ワンオペの徒労と差し引きすると「うーん」という感じでした(モザイク本だけ持っていった同じとこの前回のオンラインイベントのほうが売上が大きかった)。ただ大爆死にはならなかったのは、即売会関係者の努力があってのことだと思います。この疫病下の中即売会を開催するのは本当大変なことなので、そこは素直にありがとうと言いたいですね。全般的に本来買いそうな人が予定とかあって買いにこなかった感が強かったので、売上は委託で頑張りましょうという感じです。売上は取り返せるんですけど、他のサークルを回るのは取り返しできないのでむしろそっちが厳しかったです。

あとわざわざここまで来て買いに来てくださった方、どうもありがとうございました。

原稿は書けても最終的な問題は人的リソース

自分が特殊なのか、そういう人多いのかわかりませんが、まさにこういう状態です。「リアル即売会でサークル参加しようと思っても人的リソースが大変だからちょっと後ずさりしてしまう」という問題ですね。

極端な話、昔のエロ本自販機みたいなのをサークルスペースにおいて無人販売所と化して、ワンオペでも他のサークル回れたり休憩できるようにすれば(適当にスペースにいる)万事解決なのですが、スペース的、設備的におけるのか(卓上サイズでそんなのあるのか)というのが疑問です。もしぴったりのをご存知の方、いらっしゃいましたらぜひ教えて下さい。

サークル側の人的コストの点ではオンライン即売会(エアイベント)は優位

コロナで即売会が開催できなくなった代わりに、エアイベントがあるのですが、逆にこちらはサークル側の負担的な意味では楽ですね。

一例としてはメロンブックスの主催している秋葉原同人祭ですね。こちらのイベントに自分も参加予定です。

これは搬入から搬出、その後の委託まで全部メロンブックスがやってくれるので、サークル側としては本当に楽です。売上はリアルイベントよりしょぼいみたいな話もあるんですが、自分がやった限りでは現状のリアルイベントもそこまで伸びる感じではないです。あくまで一方的な話で言えば、現地で搬入ワンオペ搬出するよりかは、エアを複数回こなすだけのほうが負担としてはずっと楽です(かつてのコミケクラスに大きいリアルイベントだと違うと思いますが)。

どっちかというと刺さる層がきてくれるのが大事なので、こういった方法も活用したいなと思っています。

リアル即売会の送料がかからないは在庫の移動費をサークルが負担しているだけ

よくリアル即売会のメリットとして「送料がかからない」ということが言われるのですが、これはあくまで購入者側の都合です。実際はサークル側が搬入搬出で送料を負担しているだけなのです。なので、リアル即売会だとトータルの送料が減っているということはないです。サークルが自力搬入で送料をケチってる場合は、その分肉体労働をしているだけなので。

このサークル側の送料が、結構な費用になって、例えばダンボール1個で往復運んだだけで3000円、遠方の地域だと4000円はかかります。2~3箱になれば、もうサークル参加費よりも全然大きいです。印刷代は一回払えば終わりなのですが、これは売れようが売れまいがリアル即売会に参加し続ける限りずっとかかるので、ボディーブローのように効いてきてサークル側としては結構怖い費用だったりします。

一方で、Booth倉庫のような通販だと、送料負担が購入者負担になってしまうかわりに、一回サークルが送料を払えばあとは倉庫代だけという感じなので、ある程度部数が増えてくると、(すごい身勝手な理論ですが)こっちのほうが楽だったりします。あとはそれで買う人が増えるのかどうかになるので。

極端なことを言えば、即売会と通販で頒価が逆ザヤになるのもありだと思います。例えば、即売会が700円で、通販が500円とか。この他に掛率の概念があるんで、実際はこうはならないですけど。ただ、即売会では搬入・搬出で送料をサークルが負担しているのは事実です。リアルでいっぱい売れていたのなら、サークル側のコストは無視できても、売れなくなると搬入コストをリアル即売会価格に添加せざるを得なくなります。

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電子書籍のほうがいいんじゃない?という悪魔の囁き

実はこれまでの内容を一気に解決できるネタがあります。そう、電子書籍です。

電子書籍なら即売会やらなくてもいいので、人的コストは考えなくていいです。さらに印刷代も送料も考えなくていいです。また購入者の送料もかかりません。

電子書籍をただBoothとかでポーンと出して売るのは、それはそれで認知されなくて売れないです。認知されたとしても、例えば紙の本と電子書籍のように両方あったほうが売れやすいかなとは思っています(技術書界隈だとそういうデータがあります)。即売会の広告要素は馬鹿にできないです。Fanboxなどでサブスクリプション限定公開するというのも賢い方法だと思います。

そこらへんを含めてどういったスタンスが最適かどうか、自分もよくわからないというのが現状だったりします。もし「こういったスタンスがいい」という意見があったらぜひお待ちしております。

久しぶりの更新になったのに、愚痴みたいなエントリーになって申し訳ないですね。

あと、新刊はBoothで通販しているのでよろしければご覧ください! メロンブックスでも出す予定なので、お好きな方でどうぞ。

よく即売会で「お疲れさまでした~楽しかったです」って打ち上げ画像貼ってるのあるんですけど、あくまでそれはほんの上澄みなんで、サークル参加者全体の総意ではないですよね。自慢に聞こえたら申し訳ないですが、自分クラスでもワンオペやったらこう感じてしまうので、もし似たような気持ちになったことのあるサークル参加者の方がいらしたら、「全然そうだよ、つらかったね」ということだけ書いて、とりあえずこの記事は締めくくりたいと思います。

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