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高専人が50万人集まったら何ができるだろう

高専人会の代表理事を拝命しました、長岡高専卒業生の渋谷修太(X:@shibushuta)と申します。

突然ですが、皆さんは高専に入って良かったと思いますか?

僕は、本当に良かったと思っている派です。中学校を卒業してから普通高校に入るのがなんとなく嫌だったのと、プログラミングを学びたかったのと、何より寮生活に憧れて入学しました。
高専生活は予想通り最高に楽しかった部分と、もちろん若干後悔した部分もありますが、いずれにせよ人生においてベストな選択だったと思います。
何より良かったのは、かけがえのない仲間ができたことです。同じような興味関心を持った変人たちが集まるあの空間は、なんとも言えない心地良さがありました。

そして、その心地良さは卒業後にも実感することができました。大学に編入してから、高専人に会うとすぐに仲良くなれることに気づきました。社会に出てからも、高専出身者に会うと話が盛り上がる盛り上がる。これって実は、高専あるあるなのではないだろうか?と思い色んな人に聞いてみると、まさにその通りでした。
キャンパスは違えど、同じような学生時代を過ごした高専OBOG同士は、すぐに仲良くなる。この潜在的なネットワークを、実態のある全国的な同窓会組織として顕在化したいと考えたのが、高専人会発足のきっかけです。


高専人会はこうして立ち上がった

ことの発端は、高専関係者の集まるカンファレンスでのパネルディスカッションでした。高専制度が創設されて60周年を迎えるにあたって、「同窓会組織」に課題があることが一つのテーマになりました。

これまでの60年の歴史で、50万人を超える卒業生が存在すること。しかしながら、卒業時に集める名簿の情報が古くなってしまっていること。そして、各校の同窓会組織が高齢化問題を抱え、若い人の参加が乏しいこと。なにより、各高専それぞれに同窓会組織が独自に存在するが、横の繋がりが薄いこと。

一方で、高専同窓会の可能性や期待される役割も大きいことに気付きました。世界中で活躍する高専OBOGの存在、高専人同士はすぐに仲良くなれること、先輩が後輩を支えるという文化は既に存在しているということ。僕自身も、起業してから本当にたくさんの高専の先輩方に助けていただきました。それを次世代に還元していきたいという強い想いがあります。

そんなこんなでパネルディスカッションに登壇していた際に「三田会を超えるような全国的な高専同窓会組織が創りたい!」とその場の勢いで言ってしまったこともあり、言い出しっぺとして高専人会の立ち上げに尽力することになりました。

まず初めに、高専OBOGの起業家の先輩や後輩たちに協力依頼をしました。すると、驚くほどあっという間に協力したいという有志の皆さんが集まってくれました。様々な観点から高専について考えるべく、年齢も経験も幅広いメンバーが設立時から集ってくれたことに、感謝しています。

次世代に還元していくために財団法人という形を取ろうと早期の段階で決まり、評議員の皆様には決して少なくない金額の寄付を、そして理事メンバーの皆様には貴重な時間を投下していただき、昨年の財団設立、この度の交流会の開催まで至ることができました。

もう一つ大きかったのは、三田会さんの力をお借りすることができたことです。

実は高専人会の事務局は、高専愛のある三田会関係者の方々にご協力をしていただいています。最初に勢いで「三田会を超える!」と言ったものの、そもそも競うものではないし(笑)慶應と高専では構造も文化も違いすぎて比較するものではないと思っています。

例えば、高専が甲子園に出場した際に、全国からOBOGが集まるまではなんとかあり得るとしても、みんなで同じ校歌を歌うことは不可能です。そもそも、キャンパスごとに校歌は違うし、なんなら校歌を覚えている高専生なんてほとんどいないのではないでしょうか。
三田会さんにはものすごい歴史があり、組織構造もしっかりしており、毎年連合三田会に本当に大勢の人が集まります。そんな素晴らしい組織から学ばせていただき、真似できる部分は真似し、一方で高専らしさを大切にしながら、高専人会を育てていきたいと考えています。

ということで、パネルディスカッションでの一言から始まった高専人会ですが、素晴らしいメンバーと心強い協力団体の力を得て、いよいよ動き出すことができたのでした。


全国高専同窓会の可能性

三田会とは比べものにならないと先程書きましたが、一方で三田会とは違った観点で素晴らしい同窓会組織が創れるのではないかとも感じています。

まず初めに、組織規模です。慶應は毎年卒業生が7,500人程度とのことですが、高専は全国のキャンパスを合わせると毎年1万人の卒業生がいます。人数で比較すれば、むしろ多いのです。
そして、高専は技術に特化しているというユニークさもあります。昨今日本の最重要課題の一つとなっているDXなんかは、まさに高専の力の見せ所ではないでしょうか。50万人の高専出身者が集えば、きっと面白いことができるはずです。

さらには、高専はキャンパスが日本中に点在しているという特性もあります。地方創生や地域の課題解決なんかにも、きっと高専の大きな役割があるのではないかと考えています。

こうした高専のポテンシャルを最大化すべく、高専人会が取り組もうとしていることは主に3つあります。

1つは、OBOGネットワークの活性化です。高専人同士の繋がりを促進することで、相互に助け合う文化を醸成していきます。例えば、キャリア形成やビジネスのマッチングなど、繋がり合うメリットは大きいはずです。同じような5年間を高専という学舎で過ごした者同士だからこそ、分かり合い助け合える部分がきっとあると信じています。

2つ目は、寄付文化の醸成です。海外の有名私立大学をはじめ、卒業生が次世代に還元することで豊かなキャンパス環境をつくっている学校は多いです。高専の場合は母校に寄付をしたいという人もいれば、高専制度そのものの発展に貢献したいという人もいます。しかしながら、どこの窓口に寄付したらよいかよく分からないといった声もヒアリングの結果判明しました。高専人会が財団として窓口となることで、分かりやすい寄付の仕組みと有効な用途を築いていきます。

3つ目は、現役高専生支援プロジェクトの促進です。高専人会立ち上げにあたり、現役学生の課題を把握するためにたくさんのヒアリングを行いました。その中で浮き彫りになったのは、高専特有の様々な課題の存在です。例えば、海外留学する際の奨学金問題、各種高専関連の大会に参加する際の交通費問題、就職活動の際の時期や地理的な課題などなど。高専という世間的にはマイノリティな存在だからこそ生じる課題を、少しずつでも解決していきたいです。

三田会について学ばせていただいた際に最も感動したのは、互助の文化です。例えば海外赴任をすることになった際に、家探しなど生活面のサポートを三田会の人たちがしてくれるそうです。卒業してからも心の拠り所としての卒業生ネットワークは、心強いですよね。

と、ここまで堅苦しい感じで書きましたが、基本は同窓会組織の活性化が最大の目的です。なので、楽しくワイワイやりたいです。
高専人会がきっかけになって様々な同窓会(業界・地域ごとや趣味でつながるものなど)が立ち上がり、高専人同士の出逢いの場・再会の場が少しでも多く生まれることを願っています!


第一回高専人会交流会のご案内

さて、想いが強すぎて長くなりましたが、この告知をするのが本記事の一番の目的でした。笑
10/1の記念すべき第一回高専人会交流会のご案内です!!

多くの高専人の皆様と第一回高専人会交流会でお会いできることを、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ楽しみにしております!!

絶対に楽しいと思うので、参加登録まだの方は定員オーバーになる前にお申し込みください!!


高専人会に込めた想い

最後に、僕が高専人会に込めた想いを伝えさせてください。

僕には、ユメがあります。それは、いつの日か高専人会の存在が浸透して、世界中どこにいても高専人同士が助け合えるようになることです。
就職や転職など、キャリア形成のきっかけとしての高専人会。成功した先輩が寄付をする文化が当たり前になることで、益々後世の高専人が活躍しやすくなる。そして、高専特有の課題が解決されていくことで、高専人の可能性がさらに広がる。そんな未来を描いています。

最終的には、高専人会があることで「高専そのものの価値を上げる」ことができたらなと。

未来の高専入学生に、「高専人会の存在が魅力的だから高専を選びました。」と言ってもらえる日が来るように、高専人会一同、頑張って参ります。大きなことを書きましたが、実態としてはまだまだ出来立てホヤホヤの組織です。全国の高専人の皆様の協力が必要不可欠です!
高専人会の運営を手伝いたい!寄付をしたい!連携したい!などなど、是非ともお気軽にご連絡ください!(連絡先はページ下部に記載しています。)

まずは、10月1日の高専人会交流会が大盛り上がりになるよう、奮ってご参加いただけますと幸いです!!

高専人会 代表理事 渋谷修太


一般財団法人高専人会へのご連絡はこちら↓
info@mail.kosenjin.org

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