稽留流産〜自然排出(待機的管理)の経験を話します3

後陣痛がこんなに辛いとは

翌日、昼までよく眠った。後陣痛という子宮の収縮が始まった。カイロで温めるといくらか楽になった。遅い昼食をとってメチルエルゴメトリンという処方された薬を飲む。15分後くらいに強い下腹部痛が始まった。ベッドの上で仰向けになり、子宮の上をゾウに踏まれているかのような強い重みで、文字通り本当に動けなかった。下腹部、腰両方に痛みがあった。その日は夜まで便秘のような、ガスでぱんぱんに張ったような痛みがあり、排便とともに少し楽になった。下痢だった。その後もベッドとトイレの往復でさえ歩くのが辛かった。あまりにしんどいので、薬は飲まなかった。

翌朝、薬を処方してくれた薬局へ電話し、症状を伝えた。動けないほどの痛みは薬による影響が考えられる、とのことで、薬局から病院に電話してもらえたのがありがたかった。その後、服薬は中止してくださいとの連絡があった。昼食後、またゾウに踏まれたような痛みがやってきた。ガスによる張り、おしっこの時も圧迫感があった。それでも薬を飲んだ時よりはいくらかマシだった。

次の日、久々に調子が良い朝だった。昼食後に、子宮両側をぎゅーっとつかまれているような痛み、夕方、母親が食糧を持ってやってきた。
出前を取り、一緒に巻き寿司を食べた。夕方頃は少し楽になり、バス停まで母親を見送りに出られるくらいまでになった。

翌朝、少し冷えたのだろうか、腰周りが少し重い感じ。昼食後にまた痛みがやってきたが、着実に、前日より良くなっている気がした。姉の勧めで漢方(桂枝茯苓丸)を飲み始めた。おならをするとき、尾てい骨が刺激されている感じ。腰回りにバスタオルを巻いて冷えないようにすると楽ということがわかった。夜は気持ちもポジティブになり、動くのが楽になった。

次の日は朝からだいぶ動くのが楽になった。気持ちもポジティブだった。きゅーっとなる痛みは一度もなかった。悪露の量が激減し、どろっとしたものが出なくなった。

次の日、朝から普通通りに動けるようになった。夜時々下腹部がチクチクするような感覚があった。おりものは茶色い。

翌日、少し血が出ているけど、少量のナプキンシートで問題なかった。下腹部に時々キリキリした違和感。乳首から透明な(たまに乳白色)液体が出るようになった。明らかに発疹のようなものではなく、乳首の根本から押してみると乳腺から出ているようで、つまむと3mm玉ができるくらいだった。

翌朝、少し冷えたのか、血が少量出た。相変わらず乳首から液体が出る。眠いときはよく休んだ方がいい。翌日に1回だけ血のまざったおりものが出た。乳首からの液体はほぼ出なくなった。

やり終えた

おりものが通常通りになって2週間後くらいに、別の婦人科に診察に行ってきた。自然排出のあとの経過チェックと今後のためにセカンドオピニオンを聞ける医者を見つけておきたかった。

先生に全て事情を話した。
先生は短く、「心拍は確認できていたんですか?」とだけ質問してきた。
内診をしてもらい、結果は「ちゃんと(子宮が)戻っていますよ。排卵も終わっているようなので、また妊活を始められますよ。」ということだった。素直に、嬉しかった。

勝った、と思った。あの医者に、日本の医療に。
大げさかもしれないけれど、本当にそんな気持ちで清々しくクリニックを後にした。

その1週間後、最初の病院で診察。簡単に内診を終えた。
もう結果はわかっている。胎嚢の病理検査でも問題ないということだった。

全て終わった

妊娠初期の流産は自分ではどうしようもないことはわかっているとして、いまだになんで自分だったのかな、とふと暗い気持ちになることがある。
流産や不妊治療を経験している芸能人の記事が気になり始めて、妊婦さんを見るたびになんで自分じゃなかったのかな、なんて思ったりする。
それでも、自分が納得して、この流産の終わり方を選択できたことに、何より満足している。
6人に1人の確率で妊娠初期の流産は起こり得るなんて、結構な確率じゃないだろうか。それにしてはあまり身近に話している人が少ない気がする。
選択的に自然排出を経験した人の情報も中々見つけられず、もっとオープンにできないものか、と思ってこのブログを書いてみることにしました。

私は、手術を受けるのも、待機的管理で自然排出を待つのも、個人の自由だと思っています。身体のコンディションにもよるでしょうし、何週間も出てくるのを待つのは、自分も周りの人も憔悴させます。
けれども、自然に授かり、自然にその命を終えたなら、自然と出てくるのを待つ、というのが私の中ではごく自然なことと思いました。
手術しか本当に手段がないのか?と思って必死に情報を探して、そんな中、中絶手術で儲けている日本の医療事情、なんて記事を見て怒りを覚えたりしました。
参考:10分の「手術」と8時間待つ「飲み薬」 医会が経口中絶薬の導入に消極的な事情(https://news.yahoo.co.jp/articles/85663708926d02e4ea66ac43d016ed3d5e077f59

英語では、spontaneous abortion(直訳すると自然中絶)、expectant management(待機的管理法)で多くの情報を得ることができます。

このブログが、一人でも同じような境遇の方の心の支えになるとうれしいです。

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