稽留流産〜自然排出(待機的管理)の経験を話します2

待ちに待った鮮血

10週目には、茶色いおりものが少しずつ出てくるようになり、11週目には、オレンジ色のおりものが出てくるようになった。(オレンジゼリーと同じくらいの色)そして、食後に感じていた膨満感も少なくなっていた。
鮮血が出る前日、いつもより若干多い茶おりが出るようになった。

次の朝、鮮血が少し出るようになり、いよいよだと思った。夜、20時くらいに生理痛の時に感じるような便秘の痛みと、生理痛かそうかわからないくらいの鋭い下腹部の痛みが周期的にやってくるようになった。座っていても、寝ていても痛いので、ヨガマットの上でチャイルドポーズをして耐えていた。腰を撫でてもらうと楽になったので、痛みがひどい時には母親と姉に順番で撫でてもらった。

だんだんと痛みが強く、周期の間隔も短くなってきた。血の量はあまり多くなく、多い日用26cm程度のナプキンで足りる量だった。

少しでも楽になりたくて、血を出すべくトイレにこもるようになった。

一番ひどい痛みがやってくる。むしろ下痢に近いような痛みで冷や汗と、末端の血液が引いていくのがわかりひょっとしたら気を失うかな?という感覚が襲ってきた。汗もぼたぼたとかいていたので、水分を取らねばと、姉に麦茶をトイレまで持ってきてもらう。

何かが出る感覚があり、いきんだ瞬間、おしっこではない水がドバッと出た。きっとあれは破水だったのだと思う。それを境に、生理2日目くらいの多めの血が出始める。その日は痛みで夜3時半くらいまで眠れなかった。
痛みを軽減するのに、深呼吸すると楽になることがわかった。目安としては吸うと吐くを1:3くらいの間隔でやっていた。下腹部は冷えた感覚があったので、腰と両方にカイロを当てていた。

次の日の朝、通常の生理痛より1.5倍くらいの痛みが続いた。
周期的にやってくる強めの痛みが3回に1回くらいの頻度でやってくる。その日は何も起こらなかった。夜は少し痛みが落ち着いてよく眠れた。

次の日の11時頃、少し痛みが強くなり、なんとなく何かが出る感覚があったのでトイレへ。何か血の塊よりも大きいくらいのものが出る感覚があった。胎嚢だ。するんと出てこなかったので、ゆっくり引っ張ってそれは出てきた。明らかに経血などとは違う、白っぽいグレーっぽい5cmくらいの塊。
誰かの体験談で、赤ちゃんの姿がわかったと言っていたが、確認できなかった。

キッチンペーパーに包んで、ジップロックに入れて冷蔵庫に保管。とりあえず、出てきてくれて良かった、という安堵感が大きかった。

その後は安心感もあり、姉は帰宅、代わりに母親が来た。ご飯も通常通り食べれて、完全に安心し切っていた。

中々出てこない

夜9時頃、排便とともに何か大きいものが出かかった。
キャッチしなきゃ、という思いで、一瞬力を入れてしまったのが良くなかったかもしれない。膣の入り口で完全に引っかかってしまった。何度もいきむがまったく出てこない。仕方なく先端をつまんで、引っ張ってみた。さっきのグレーの塊が胎嚢でなく、こっちが赤ちゃんだったら・・・と思い、なかなか思い切って引っ張れなかった。

夜中になり、どうにもこうにも進展がないので母親が焦り始めた。

迷いを捨てて引っ張ってみる。すると先端がポロッと取れ、それは大きな血の塊だったということがわかった。けれどもやっぱり塊全体が取れない。その日はそのまま寝て、翌朝になっても取れなければ病院に連絡しようと思った。その間、出血は全く多くなかった。

翌日早朝にトイレに行って、確認しても状況は変わらず。母親がもういい加減病院に連絡して、と苛立っていた。7時ころ病院に電話して指示を仰ぐ。状況と出血の量を伝えて、診療時間開始の9時に来るように言われた。また、感じの悪い医者にあたってしまった。

「胎盤だと思うのですが・・・」と伝えると、「それも含めエコーで見てみましょう」とのこと。この何か出かかっているものが見えてる状態でエコーか・・と思いかなり憂鬱だったが、そんな気持ちなんかは向こうは汲んでいる様子もなく、ガチャガチャ音のする金属器具を挿入され摘み出された。膣を広げられている感覚、器具が中で動いている感覚は我慢できないほどの痛みではないけど、それでも痛かった。

一通り出し終わったあと、その医者が通常エコーのプローブで中を確認する。「まだ内膜厚い状態ですね。掻爬できれいにした方がいいんですけどね・・・。」と言った。掻爬手術はしたくないと言っているのに、しかもまだ胎嚢や胎盤が出たばかりで通常の状態ではないのだから、内膜が厚いのは当然ではないだろうか。
何を言っているんだろうと思った。

一通り問診が終わり、医者は「しばらくだらだらと血が出ると思います。お薬をちゃんと出しておきますね。この後抗免疫ヒトグロブリン注射を打ってください」と言った。保管しておいた胎嚢は、助手の女性の人に渡した。女性は両手で受け取ってくれた。

問診後すぐに肩に注射を打った。その日は打った箇所が腫れたり、熱を感じたりはほとんどしなかった。シャワーもしてOKとのことだった。

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