ブルーライト概論

いわゆるブルーライトの問題について、最近の研究が記事になりました。
https://gigazine.net/news/20180810-chemists-discover-how-blue-light-blindness/

この問題にはかねがね、「光源がLEDになったから起きるのではないですからね」と申しておりましたが、わたしも分子レベルにまで遡って解っていませんでした。
ここ2年での研究の進行に、ちょっと驚いています。

【現象の概観】
照明関係の人たちが指針として作った資料によれば、まさに青の色にあたる波長に応答して、網膜への害を及ぼしているのがわかります。
http://www.ciejapan.or.jp/?p=5541
にリンクがあるPDF資料『LED照明の生体安全性について』

【分子レベルで起きていること】
ここで問題になるレチナール(ビタミンA)は、長い鎖状の胴体を持っており、可視光を受けると、そこ鎖部分でねじれるような構造変化を容易に起こします。(ただし、基本、緑の光で起きやすかった、と記憶してます。ひよっとして、青の光ではもっと決定的な構造変化を起こすかもしれません)
そうしてできた構造変化後の分子は、「形として」変化前のレチナールとは別物となって、周りにいるのの分子と機械的な意味合いで『干渉』をします。そうして、視神経の末端にあふ受容体(信号物質の『レシーバ』)を、機械的な意味で傷つけるということのようです。
(……化学の世界では、このような機械的な理由での反応を、どう呼ぶのだろう?適切な言い方を知らないので、こういう言い方をしてしまいますが……)

【何をすればよいか】
分子レベル遡っても、どうやら、スペクトル幅がの広い、青の光全般で起きる、分子の異性化による現象とわかりました。
ですので、
ブルーライトという特定の波長の光を狙ってカットする、と謳う器具には、特に優位な理由がないといえます。なにせ、特定のブルーライト(たとえば、青色LEDが出す波長425nmの光)でなく、ブルーな光全般が原因なのですから。

なのでわたしから推奨するのは、
画面調整の中にある、「色温度」を調整する方法です。
色温度の数値を調整しながら、画面がより黄色ぽくなるように調整すら(数値が低くなる方向へ)……そうして青の成分を減らす方法で十分です。

これなら、どんなモニター、テレビ、スマホにもついてますので、追加負担ゼロですしね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?