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エンドロールはサイレン

「自分の醜さは知っている。だからなじらないで欲しい」と彼女に言った。
完璧だった。そのはずなのに一回の亀裂で心の堰は崩れ去った。
蒸せ返る部屋に当てもなく視線を宙へ泳がせる。
サイレンの音がして激しくドアを叩かれた。
テーブルの林檎が腐っている事に気づきそこで忘れていた臭気が蘇った。

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