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【ルール公開】BAG-GAI

SPEC

プレイ人数 4~5人(ベスト人数4人)
プレイ時間25分+インスト
ジャンル 2段階の競り (競り範囲選択⇒同時競り) 
モチーフ:バブル時代、ブランドバッグの爆買い
ゲーム難易度:普通~やや難しい
制作:2016年
(コンテスト参加のみ 特別賞)


ゲーム背景

 1980年代バブル期。即座の収入と大量消費こそが正義の時代。プレーヤー達はそんな時代に成りあがった成功者です。庶民共が『成金』と揶揄してこようとも、それは所詮、ただの嫉妬にすぎません。

 気にするべきはそんな声などではなく、同じ成功者達の自慢話。今は『ブランドバッグのコレクション自慢』がトレンドのようです。
 これに乗り遅れてはいけません。この時代、乗り遅れる者は悪なのです。急いでブランド物を買いあさりに行きましょう。

 幸いな事に、私達はお金に縁があります。値札を見てから買うような吝嗇な事をする必要はありません。ショーウィンドウを指さし、「ここからここまで、この金額で買うわ」と札束をばらまく爆買いこそ、我々の流儀なのです。
 
 そうして出来上がったコレクションは2日目と5日目にあるパーティにおいて自慢しましょう。真の勝者となるには『大金を一気に動かす豪快さ』と『きょろきょろと周りの人間の行動を見て、流れを掴む計算高さ』の両方が必要となる事でしょう。

この時代に適応し、羨望の的となる人はいったい誰でしょうか?

コンポーネント

バッグカード(数字とバッグの絵がかいてあるもの) 48枚
お金カード(子供銀行券 厚めの万札) 100枚
ボード 2枚
Bankと書かれたカード 2枚
コマ 5色×3 (3つのうち2つは範囲の指定、1つは自分の色を示すために使用)
スタートプレーヤーマーカー (ポーン) 1つ
勝利点チップ(1点、5点)

ゲームの進行

1.ゲームの準備

 ①ボードを2つ横一列に並べます。4人の場合は1~8、5人の場合は1~9の書かれた面を使用してください。その両端にBankと書かれたカードを置きます。これがこのゲームのボードとなります。

 ②人数に合わせて使用するバッグカードだけを選びます。右下に人マークと4が書かれているカードは4人戦専用、人マークと5が書かれたものは5人戦専用です。4人戦の場合は40枚。5人戦の場合は45枚あるはずです。

 ③3と書かれたカード(各色1枚ずつ計3枚)を抜いた上で十分にシャッフルし、裏向きの5つの山にします。それぞれの山にあるカードが各ラウンドの競り対象です。

 ④抜いておいた3のカードは後半ラウンドで使用する山3つに1枚ずつ入れ、その3つの山をそれぞれシャッフルします。

 ⑤全てのプレーヤーに好きな色のコマを1色分(3個)を配ります。3つのうち2つは範囲の指定、1つは自分の色を示すために使用します。

 ⑥最もバブル時代を謳歌していた人が1ラウンド目のスタートプレーヤーです。(ジャンケンで決定しても構いません)、そのプレーヤーにスタートプレーヤーマーカーを配ります。

 ⑦全てのプレーヤーにお金カードを配ります。基本的には20枚ですが、
 3番手のプレーヤーと 5人戦の4番手のプレーヤーは1枚多い21枚です。

所持している金額を公開する必要はありません。手に握るなどしてテーブルの下の見えないところに隠しておいて問題ありません。(一方で隠す義務もありません。札束を扇状にして扇ぐ等して盛り上げたり、けん制することは許可されています。 )

2.5回のラウンドで行う事

 各ラウンドでプレーヤーが行うことは
①『どこからどこまで買うか』をスタートプレーヤーから順番に決定する。
②『自分の決めた範囲を一個当たりいくらで買うか?』を同時に宣言する。
の2つです。

  この2つを決定することで、プレーヤーはバッグやそれを買うための資金を手に入れていきます。自慢できるバッグのコレクションを作り上げる事で、5ラウンド目の勝利点計算が終了した時点で最も高い勝利点を獲得する事を目指します。

2-1 ラウンドの準備


 ボード上の数字が書かれた場所(以下ショーウィンドウ)の上にバッグカードを山札から1枚ずつ置いていきます。下の図1のように少し重なる程度に置いていきます。

図1:ラウンドの準備が終わった時点の盤面の例

2-2 競り範囲指定フェーズ


 このフェーズではスタートプレーヤーから順に自分が競る範囲を指定していきます。
範囲の指定は自分のコマ2つをショウウィンドウ及びBankの上に置くことで行います。例えば4と7に駒を置いた場合、『私は4~7までの場所で競りに参加します』という意味になります。

 範囲指定に制限はありません。つまり、両端を指定し、全てを範囲にする事も可能です。逆に、2つの駒を同じ場所に置く事で、一か所だけを範囲指定することも可能です。

図2:競り範囲指定フェーズが終わった時点での盤面の例

2-3同時競りフェーズ

 このフェーズでは範囲に指定した場所一つにつきいくらの代金を支払うかを同時に決定します。
(テーブルの下などで)他のプレーヤーから見えないように一個当たりの金額を決定し、その金額を握ってください。最低金額は0で、上限はありません。 
 ただし、指定した支払うべき金額(つまり範囲数×握る金額)を既に持っていなければいけません。例えば20万円持っている状態で『4~8の5か所』を指定しているのであれば0~4万円を握ることができます。
 全員が決定し終わったら、「せーの」等の掛け声に合わせて(1か所に払う分の)代金をテーブルの上に叩きつけます。

2-4購入処理フェーズ

 このフェーズでは購入処理が行われ、バッグやお金を手に入れることになります。
  まず、販売処理を行う順番(以下処理順)決定します。処理順の決定方法は以下の通りです。

①握った金額の高い人が先
②①が同じなら競り範囲が狭い人が 先
③②も同じならスタートプレーヤーに近い人(つまり、先に範囲を指定した人)が先

図3:処理順決定時の盤面の例

 例として上の図3のような状態になっていたとします。この場合、握った金額が高い順に処理順1番は緑、2番は赤になります。青と黄色は同じ金額ですが、範囲が狭い黄色が3番、青が4番になります。

 処理順が決まったら、プレーヤーごとに指定した範囲全てにおいて購入処理を行います。指定した範囲で購入を行う事は義務であり、一部たりともキャンセルすることはできません。
 指定した範囲それぞれについて、置いてあるモノ(バッグ、お金)を手に入れ、代わりに指定した金額をその場所に支払います。『既にバッグカードが買われていて、代わりにお金が置いてある範囲』についても置かれているお金を手に入れ、代わりに指定した金額を置いていきます。ただし、例外的に0万円を握った場合のみ、バッグを購入することはできません。(逆に言えばお金が置いてある場合は獲得します)

 例えば上の例の場合、緑のプレーヤーは指定した範囲に置かれたバッグカードを全て手に入れ、代金として3~5の場所にそれぞれ4万円をおきます。処理が終わった後盤面は下の図4のようになっているはずです。

図4:緑の購入処理が終わった状態の盤面

 その後、処理順2番、赤のプレーヤーの販売処理を行います。このとき、4や5のショウウィンドウの上には既にバッグが無い状態ですが、ここでも購入処理は発生します。具体的には緑のプレーヤーが置いた4万円を2万円で買う事になります。
 このように『お金をお金で買う事』でのみ競りのための資金を増やす事が出来ます

 尚、後述するカードの効果によってのみ『バッグもお金も無い範囲』に対し1万円以上の金額を指定している状況が起こりえます。その場合も支払いだけ行ってください。

 また、万が一所持金の数え間違い等で支払いできない状態が起こった場合、本来握れる最大額を握ったものとして処理を行います。(その結果処理順が変わる場合、正しい処理順で処理を行ってください)

2-5勝利点計算フェーズ(2ラウンド目と5ラウンド目のみ)

 このフェーズでは 各ブランド(4人戦は赤、青、緑の三色。)について多く持っている人が勝利点を手に入れます。

 各プレーヤーは、それぞれのブランドごとに持っているカードに書かれている数字を合計します。その合計値が高い人から順位に応じて以下の表に書かれた勝利点を手に入れます。

 合計値が同じ人がいる場合は点数を分け合います(小数点以下切りあげ)。例えば、5ラウンド目に1位が2人いたのであれば(6+3)÷2で5点がそれぞれに入ります。
 また、5ラウンド目のみ8万円につき勝利点1点が加算されます。

2-6次のラウンドへの準備

 ①ショウウィンドウに残っているバッグは全てゲームから除外します。これらのバッグが再び店に並んだり、誰かのコレクションになる事はありません。
 ②場に残ったお金はBankに移します。4より小さな数の書かれた場所に置かれているお金は左のBankに5より大きい数の書かれた場所に置かれているお金は右のBankに置きます。 つまり、Bankを範囲として選ぶことでお金を(もちろん宣言した資金を支払った上で)購入する事ができるようになります。
 ③スタートプレーヤーマーカーをこのラウンドで1番最初に購入処理を行った人に渡します。

3.勝者決定


 5ラウンド目の終了時点で最も点数の高いプレーヤーが勝者となります。
同点の場合のみ、1位タイのプレーヤー全員で各ブランドの数字の合計値を比べます。その結果、より多くのブランドで(1位タイのプレーヤーの中で)最も優れたコレクションを持っている者が勝者となります。
 それでも決着がつかない場合、勝利を分かち合います。

4バッグカードの効果について

①ブランド不明(数字が2種類書かれたカード 各組合せ1枚) 
 このカードは自分の購入処理の最後にブランド(色)が決定します。カードに書かれた2種類のブランドのうちあなたが(このラウンドで手に入れた他のバッグも含めて)所有しているバッグカードの合計値が低い方になります。一度決定した後は、2度と変わる事はありません。例えば、1点の緑を3枚、2点の青を1枚所有している場合、緑と青で数字が書かれたバッグは青に固定されます。

 2つのブランドの合計値が同じ場合、好きな方を選択することができます。また、ブランド不明のバッグを同じラウンドに複数枚手に入れた場合、好きな順番でブランドの決定を行って構いません。

②お得意様の力(freeと書かれたカード 各ブランド1枚)
 これらのカードは4人戦でのみ使用します。
 このカードを取得した人はその左右にあるモノ(バッグ、資金)をどちらか選んで無料で取得します。選ぶ場所を自分が競る範囲に選択していなくても構いません。
 選択した先のカードもこの能力を持っている場合、連鎖的に取得できます。

③散財自慢(¥2:vp max4 4枚 と書かれたカード)
 このカードを購入した資金2万円につき1vpが即座に手に入ります。ただし手に入る勝利点の上限は4点までです。勝利点は4点までしか手に入りませんが、購入金額に上限はありません。
 上記のfreeの能力で手に入れた場合は0vpとなります。

FAQ

1.40枚のカードの内訳について

4人用(計40枚)
〇赤、青、緑のブランドの通常カード(10枚×3)
 3:1枚 2;3枚 1:6枚
〇特殊カード
 散財自慢 4枚、お得意様の力 3枚(各色1枚)、 ブランド不明 3枚(3種類 1枚ずつ)

5人用(計45枚)
〇赤、青、緑のブランドの通常カード(12枚×3)
 3:1枚 2;4枚 1:7枚

〇特殊カード(9枚)
 散財自慢 3枚 ブランド不明 6枚(3種類 2枚ずつ)

東京ドイツゲーム賞からの変更点

①カード構成の変更
 全体的に1の割合が少しずつ減っています。

②マジョリティーの得点変更
 中間決算の点数が2-1になりました。
 また、切り捨てだと点数があまりにも入らなさすぎるため、その影響でタイブレーク時に切り上げになりました。セットアップの落差を重視した場合の代案は『好きな色+1の チット を3~5ラウンド目の5の場所にに置く』です。
 
③各ブランドの3のカードが3~5ラウンドに1枚ずつ出るように変更
 マジョリティーが前半で決定しないように。セットアップが面倒になるのを抜けば一番バランスが取れていました。

④最初の所持金の一部変更
 1ラウンド目に3番手(5人戦は4番手も)になったプレーヤーは1万円多い21万円持った状態でスタートします。次のスタピーの決定方法の都合上、慣れてくると1,2ラウンドで連続して3番手になる人が出る事が多く、その人が厳しいので。

⑤5人戦の枚数変更
 窮屈だったため競り対象のBagの枚数が1枚多くなっています。

⑥銀行に置かれる資金の変更
 1~4が左、5~9が右のBankになりました。

〇残っている懸念点
・セットアップが少し面倒になっている
・後半に散財自慢が2つ並んだ時がかなり強い。

コンテスト時の動画


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