川柳で若い世代にエールを送りたい　24/3/17

１.川柳の一言コメント

「幸せになりたい白い雲ふわり」

　私は、世の中の大部分の人は幸せになりたいと望んでいるだろうと思っています。その人が望む幸せの形は様々でしょうが、どんな幸せでも、幸せと感じる瞬間は心が穏やかになっているだろうと思います。

２.私の経験で思う事

　世の中は争いで溢れています。今現在、地球上で幾つもの紛争が起きていて、その当事者たちはお互いいがみ合って争っています。国レベルの戦争に至らない身近な争いでも、人と人とがいがみ合う構図は同じです。

　権力を持ちたい、高い地位に立ち人を支配したい、金持ちになって優雅に日々を送りたい、人から敬われたい、有名人になりたい等々、人には様々な欲があります。そんな欲を達成するためには、争いがあり摩擦が起きます。

　人は、そんなに大きくない欲も持っています。旅行したい、美味しいものを食べたい、綺麗な服を着たい、好きな人に好かれたい等々、あまり周りの人に迷惑をかけない欲もあります。

　しかしそんな種類の欲でも、欲が大きくなると概ね人を押しのけて、人と争って相手を負かし、自分が上に立つ構図になります。

　人と争って勝ち上がれれば、その時は幸せかもしれませんが、そんな幸せを持続させるためにはずっと勝ち続けなくてはならないでしょう。また、常に次の上のレベルを達成しないと幸せと感じなくなるのではないかと思います。

　残念な事に…、或いは、見方によっては幸せな事に…、私は、そんな幸せを今まで殆ど感じた事がありません。私は勝ち続けた経験が殆ど無いからです。

　では、そんな私は幸せを感じることが出来ないでしょうか。今、私の望む幸せはもっと些細なものです。

３.川柳からイメージした絵を描いてみた

　僭越ながら、私の描いた下手な絵を載せます。

幸せになりたい白い雲ふわり

　親子が手を繋いで歩いています。お母さんが仕事帰りに買い物をして、近くの保育園に預けていた小さな娘を迎えに行って、一緒に帰宅している場面です。

　見上げると、青空にハート型の白い雲が浮かんでいました。ちょっと風が吹けばハートの形は崩れてしまうでしょうが、只今現在は綺麗な形のハートをしていて、それを見つけた娘が母親に「あそこにハートの雲がある」と話しています。

　子供は大人の事情が分かりません。母親がどんな苦労をしているのか、どんな悩みや不安を持っているのか、そんな事考えていないでしょう。今、元気で楽しくしていられれば、とりあえず満足で幸せを感じています。

　大人になるともう子供には戻れません。でも、子供の頃の欲のない穏やかな心に戻れる時があるかもしれません。それがたとえ一瞬の短い時間であったとしても。

　競争や争いに勝ち続けることができれば、それはきっと幸せなのでしょうが、人と争わない穏やかで些細な幸せも貴重ではないかと思います。