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川柳で若い世代にエールを送りたい 24/4/28

1.川柳の一言コメント

「迷い道好きな香りの方へ行く」

 日々の生活は選択の連続です。朝起きて朝食はパンにするかご飯にするか。飲み物は、お茶、コーヒー、オレンジジュース、牛乳……、コーラという人も居るかもしれません。

 そんな些細な選択なら何を選択しても大して影響はありません。せいぜい朝から気持ちよくスタートできるか、ちょっと失敗したなと反省しながらのスタートになるかの違いです。翌朝には修正できます。

 しかし、人生の節目に当たるときの選択は重要です。AかBかの二者択一ならさほど迷わないかもしれませんが、選択肢がもっと多くてABCDEの内のどれか一つを選択しないといけないとなれば結構迷います。

 高校や大学に進学するときや、好きな人が何人もいて、付き合いたいけど自分が器用でも不誠実でもない場合は、対象を絞り他者をあきらめなくてはなりません。

 職業の選択はその後の生活に直結する大きな影響があります。仕事のやりがい、仕事の難易度、収入の額、その仕事の将来性等、様々な点を考慮する必要があります。

 厄介なのは、自分がその職に就きたいと希望しても、希望通りにならない事が多々ある事です。また、最初の希望は叶っても、社会情勢の変化や、自分の家族や職場の人間関係の変化で、方向転換を迫られる事だってあり得ます。

 人の一生は常に選択の連続です。「失敗は許されない」と思って慎重に選択しても、後で「間違ったかな」と感じることはあります。しかし、それでも後戻りできません。その時々の選択の瞬間は「一発勝負」と言ってもいいでしょう。

2.私の経験で思う事

 私は何かにつけて迷う性格です。若い頃、銀行に勤めていた頃の話で、ある先輩から、
「君は決断力はあるが判断力がない」
 と、言われた事がありました。これはその先輩個人の基準による評価で、大多数の人の私に対する評価ではありません。

 しかし、仕事の進め方で要領が悪かったり、失敗をしたりする事が多かったので、先輩からそんなふうに言われたのだと思います。まあ、銀行の仕事が自分の性格に合っていなかったのが根本的な原因だったと、今振り返って感じています。

 私は自分の人生の節目で、その時々の最良と考えられる判断をしてきたつもりです。しかし、周りの影響を受けて「本心ではAを選びたいけど、家族や周りの人々の事を考えるとBを選ばないといけないな」と、決断したこともありました。

 後になって、「あの時、Bではなく自分の気持ちを貫いてAを選んでいたら、今、違った自分になっていたかもしれない」と、感じる事もありましたが、しかし、その時、出来なかった事をどうこう言っても仕方がありません。

 自分の力不足、能力不足なのです。また、別の選択をしていれば、必ず良い結果になったとも言い切れません。逆に、今よりもっと悪い結果になったかもしれません。

 時間は戻りません。若返る事もありません。過去に戻って過去の選択を変える事はできません。前に進むしかありません。変えられるのは今を含めたこれから先だけです。

 その時々の選択において最良の決断を下す。そして、その後に起きてくる問題において、解決策の選択に最良の決断を下す。その繰り返しです。できる事なら、自分の「好き・得意・楽しい」に重点を置いて選択すべきです。

 好きな事、得意な事、楽しい事をするのは元気が出ます。良い結果も出やすくなります。時には、自分を犠牲にしてでも、嫌い事、不得意な事、楽しくない事をしなければならない事態が起きるかもしれませんが、出来るだけ避けるべきです。

 どうしても避けられない場合は、その中でも自分にできる事を優先してやっていくしかないですが、世の中には、その「嫌いで、不得意で、楽しくない事」が得意な人も居ますから、そんな人に助けを求める事ができれば、助けてもらうのが良いと思います。

 今までの私は、自分の嫌い事、不得意な事、楽しくない事に関して、得意な人に助けを求めるのが下手だったと感じています。

3.瀬川さんの絵

 漫画家の瀬川 環さんが、この川柳からイメージした絵を描いてくれました。

迷い道好きな香りの方へ行く

 この絵を頂いたのは少し前です。絵の季節は秋ですね。私がnoteに書くのが遅くなって今とは季節が逆になってしまいました。少し反省してます。

 明るくて楽しそうな絵ですね。瀬川さんが感じる「好きな香りのする場所」は、こんな感じの町なのかもしれません。

 手前に三軒のお店が見えますが、恐らくここは商店街でしょう。描かれていませんが、きっと手前にも数多くの商店が軒を並べている事でしょう。買い物する人が何人もいます。喫茶店の中では読書する人やおしゃべりする人の姿が見えます。

 商店街では様々の人がそれぞれの仕事をしています。商店街を訪れる人も含めて、人々にはそれぞれの生活があり、それぞれの人生を歩んでいる事でしょう。

 絵の上半分は雰囲気が違います。台地上に見える場所や、道の周りに木々が植わっている様子から、この辺りは公園かもしれません。瀬川さんは犬が好きな人なので、何匹もの犬が描かれています。犬も人も楽しそうです。

 人生で道に迷ったとき心に思い浮かべる場面というのは、このような何気ない人々の営みが感じられる穏やかな風景なのかもしれません。

 自分の原点がどこにあるのか考えて、自分らしく無理なく生きていける場所は何処かとか、何をすれば自分らしく生きられるのかとか、これからの自分に何が出来るのかとか、じっくり考えます。

 迷ったとき、取り敢えず、自分に対する他人の評価は無視していいと思います。他人の評価は、その他人の基準による偏った勝手な評価であって、自分の正しい評価ではないと思います。自分の事は自分で決めるのです。

 やっぱり迷ったときは、自分の好きな道を選ぶべきでしょう。きっといい香りがしてくると思います。

 

 


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