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川柳で若い世代にエールを送りたい 24/1/25

1.川柳の一言コメント

「能力は大風呂敷で伸ばしてる」

 人前で現実離れした誇大な事を言うと「大風呂敷を広げている」と言われます。人から「あいつは、ほら吹きだ」とか、「あいつは、いい加減な奴だ」等と思われてしまいかねません。

 しかし、大きな事を言った人が最大限の努力をして、当初は不可能と思われた「大きな事」を実現してしまう事があります。そうなると人々の評価は「あいつは信じられない凄い奴だ」にひっくり返ります。

 サッカーの元日本代表選手・本田圭佑さんはビッグマウスと呼ばれていました。大きなことを言って、人から「そんな事お前に出来る訳ないだろう」なんて思われていましたが、本田さんは試合で度々チームを救う素晴らしいプレーをしました。

 本田さんは日本のエースとして活躍していた頃、ワールドカップ優勝を目指すと公言して戦いました。言った言葉通りの結果は残せなかったけれど、当初の人々の期待以上の活躍をしてくれたと私は思います。

 格言で、正確な言葉は忘れましたが、「鳥を射ようとする矢よりも、太陽を射ようとする矢の方が高く飛ぶ」という意味のものがありますが、目標を高く持って挑戦すると、能力を伸ばせるのだと思います。

 人に公言することで批判を受けることがありますが、応援してくれる人が現れることもあります。公言することによって自分の意識を高め、潜在能力を目覚めさせ、厚く高い壁をぶち破れたら大きな達成感が得られるでしょう。人々に感動も与えます。 

2.私の経験で思う事

 「現代川柳」は自分を詠むものですが、今回の川柳は私自身を詠んでいません。創作です。句会等で考えても納得のいく川柳が思い浮かばないとき、創作する事があります。

 私は大きなことは言わないタイプです。自分で高い目標を立てていても公言せずに、黙々と努力を続けるタイプです。「有言実行」になる勇気がなくて「不言実行」を目指すタイプです。

 「不言実行」だと、目標達成に向けて精一杯頑張って、結果、達成できなかった時に「有言不実行」にならなくて済みます。できなかった時に「不言不実行」の方が「有言不実行」より他人に悪影響を及ぼしません。逆に、目標が達成できたら周りの人は驚きます。

 人前で公言しなければ人から批判を受ける事が無いという、姑息な気持ちが心の奥底にあるのかもしれません。小さなことで達成に自信があるときは「有言実行」にしますが、大きな事で事前に自信たっぷりで「俺はやるよ」と、人に話すことは殆どありません。

 嘘をつくのが嫌いという事もありますが、やはり私は能力的に「普通の人」だと思っているのだと思います。今までの経験から、無意識で自分自身に制限の壁を作っているのかもしれません。

 しかし、こういう姿勢では厳しい競争社会の中で、正しい評価を受けにくいのです。仮に同じ結果を出した「有言実行のAさん」と「不言実行のBさん」の二人が居たとしたら、Aさんが一番でBさんは二番目の評価になりがちです。

 運が悪いと、「BさんはAさんの真似をしたんだろう」とか、「Bさんは自信が無いから言わなかったんだろう」とか、根拠のない陰口をたたかれる事さえあります。強く生き抜いて行くためには、やはり「有言実行」が望ましいでしょう。

 大きな事を言って実行できなかったら人から批判を受けますが、その時は、何でもいいから反論を試みた方が良いと思います。ただ単に、できなかったことを認めて、人から言われっぱなしで終わったら落ち込むだけです。

 できなかった事実は認めなければなりませんが、「今回は出来なかったけれど、次はきっとうまくできる」とか、「全部が全部ダメだった訳じゃなくて、少しはうまくできた所もある」とか、何かしら肯定的な部分を見つけて自分を少しでも褒める気持ちは大切だと思います。

 何だか、政治家の先生方を思い浮かべますが、あの先生方は、「有言実行」か「有言不実行」のどちらかです。皆さん強気で口は達者です。発言しないと人に伝わらなくて支持を得られないからでしょう。でも、都合の悪い事は言わないようです。

 私は政治家先生で嫌いな人が多いので、自然と批判的になってしまいますが、しかし、言ったことを実行する先生は尊敬します。やはり、社会を変えるためには実行力が必要で、そして実行する前に「○○をやる」と宣言する事は非常に大切な事です。

 前出の本田圭佑さんは、「僕は先に人格を作ってしまうんです」と言っていました。強い男、できる男というイメージを先に作って、そのイメージに見合う自分になってゆく。そういう能力の伸ばし方をしていたようです。

 私にはとても真似のできない事ですが、そんなことができればいいなと憧れます。

3.瀬川さんの絵

 漫画家の瀬川 環さんが、この川柳からイメージした絵を描いてくれました。

能力は大風呂敷で伸ばしてる

 空を飛んでいる男性は足にジェットエンジンを付けていて、風船の浮力との合わて技で飛んでいます。でも、バランスを取るのは難しそうだし、着地はどうするのか心配になります。

 飛行機などから体ひとつで空中に飛び出し、ウイングスーツと呼ばれる、飛行機の翼のような形をしたスーツで空中を滑空する超人がいます。しかしこの場合も、着地の為にパラシュートを背負っています。

 また、随分前ですが(ネットで調べると1992年)ヘリウムガスの風船で空中に舞い上がってアメリカに行こうとした「風船おじさん」と呼ばれた男性がいました。あの方は行方不明になったままです。どこかに墜落したのだと思いますが、身を守る方法をよく考えていなかったのでしょうね。

 まあ、科学的にどうかというのは別にして、この絵は夢があって楽しくていいですね。できないと思われる事でも工夫してやってみる。失敗してもあきらめない。世の中を変えるのは、こういうチャレンジ精神が旺盛な人だと思います。
 



 

 

 

 


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