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川柳で若い世代にエールを送りたい 23/12/17

1.川柳の一言コメント

「悩んでもいい木偶の坊なんだもの」

 私の川柳にはマイナスイメージの句が結構あります。現代川柳では、川柳の中のどこかに自分がなくてはなりません。つまり、「自分を詠む」のです。

 そうすると、今までの人生で反省すべき場面が数知れずある私の場合、マイナスイメージの句が多くなってしまいます。達成に向けて頑張ったけれど、達成できずに途中で挫折して落ち込んだとか、他人と競争して負けたとか、そういう経験ばかりです。

 私の半生はうまくいかない事だらけですが、それでも今まで生きてきています。自分の短所を認めた上で「しかし、長所もあるぞ」と自分に言い聞かせて、自分を自分で葬る事の無いように注意して今日まで来た結果です。

 私は凡人ですから悩みます。できる人は悩んだりする時間がもったいなくて常に前を向いて進むようですが、私はつまらない事に悩み、落ち込み、その都度止まってしまいます。

 でも、その悩む事や止まってしまう事が、自分には必要な事だと受け入れて、そして悩み終わって元気が戻ってきたら、また前に進もうと努力するのです。

2.私の経験で思う事

 自分に自信を持つことは非常に大切な事ですが、私は度々自信を失くしてしまいます。そんなとき私は、「俺は役立たずのでくの棒なんだ。仕方がない」と認めます。まず、能力の無い、弱い、不甲斐ない自分を見つめ、現在の自分の立ち位置を確認します。

 そしてため息をひとつついて、「では、こんな俺でも今から何ができるかな」と考えます。背伸びしてもできない事はできない。自分にできる事から再スタートして、少しでもできる事を増やしていく。それしか方法が無いでしょう。

 最近、ある再発見がありました。日本人なら誰もが知っている宮沢賢治の詩の「雨ニモマケズ」の中で見つけました。以下に「雨ニモマケズ」を引用します。

【雨ニモマケズ】
雨ニモマケズ 
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ       ※引用  宮沢賢治詩集 (教育出版)

 何と、あの偉大な宮沢賢治氏は「デクノボー」と呼ばれる人になりたかったのです。流石に人間のでき具合が違う。

 「褒められもせず苦にもされず」という部分は私と同じですが、私は本音を言うと、できれば「木偶の坊」になりたくないのです。度々なってますけど。

 宮沢賢治のようなエライ人でも悩んだのでしょう。そんなら、私のような凡人が悩むのは当たり前。恥ずかしいけれど凡人として普通です。できない奴だから凡人なのです。

 やっぱり、自分にできる事を一つ一つやっていくしか方法が無いようです。悩むのは無駄な時間かも知れませんが、そうしないと前に進めない自分なら、悩む自分を許すしかありません。

3.川柳からイメージした絵を描いてみた

 僭越ながら、私の描いた下手な絵を載せます。

 この絵は、私の若い頃です。まだ髪の毛がふさふさしていました。懐かしいです。眼鏡を掛けていないので高校一年生の頃のイメージです。私が眼鏡を掛け始めたのは高校二年生でした。眼科医から母の遺伝だと言われました。

 うつむき加減で暗い表情です。でも、顔は上げなくてはなりません。

「不得意」という言葉の「不」の字は、頭を上げれば「大」になります。
顔を上げて「大得意」に変えられるように、自分なりに精一杯頑張るべきでしょう。


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