矛盾。

私の教員時代を振り返って。

面接で言うべきではないこと、言うべきこと。教員になるために私たちは面接をクリアするためのイロハを教えられる。誰も試験に落ちたくはないから、スタンダードを探す。そこに表現の豊かさもなければ、寛容もない。教員になればインクルーシブ教育だの、個性を受け入れるだの、学校教員生徒保護者一人ひとりが個性を認め、そこから学ぶことがよいと価値観を押し付けられる。しかし理念はあっても現状はまるで違う。言ってはいけないことがいっぱいある面接を通り抜けた教員が、教員になって自分自身を表現できるようになる。校長になるための試験で言ってはいけないことがたくさんある試験を通り抜けたものが、新しいイノベーションを起こす。そんなことあるわけはないだろう。少なくともそれができるのはごく稀なケースである。失敗を恐れ、変化を恐れ、年長者に従い、長いものには巻かれ、そうしたものが面接を通過し、目の前に出された抱えきれない仕事をこなしていく。そしてシステムは維持される。 寛容を認めるべき立場の人間が寛容が認められないシステムの中で育つ。

矛盾。

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