文を書く理由(1)『4℃の小麦粉』
こんにちは。
なんで「書くこと」を仕事にしちゃったのかな?
という理由のひとつを書いてみました。
何か役に立つ記事でもございませんが、
暇つぶしにでも読んでもらえたら、嬉しいです。
20代、アルバイトとか、契約職員とかを転転としており、
一時、研究室で小麦粉の分析実験を
手伝っていたいました。
大学の先生の紹介で、とある研究室で
半年くらい働いていました。
研究の仕事といっても
どんな実験するとか論文書くとか、
難しいことを考えるのは教授で
私は実験の作業要員です。
手は器用だったし、そこそこ順調にやってました。
でも
ある日、ミスりました。
教授は
2日続けて同じサンプルを使う予定をしていたのに、
1日目で
私がサンプル捨てちゃったんです。
当然、教授は怒る。
まぁ実験のやり方が
教授が思ってたのと違ったのなら
やり直さなきゃ仕方ない。
そう思いながら怒られていました。
(事前の説明じゃ、同じサンプルを 翌日まで使うなんて わからなかったですよ。)
というのが正直な気持ちですが、ごねても仕方ないし。
教授が話しているのをむっつりしながら聞いていました。
そうしたら、
話の最後
教授が、私を咎めるようなニュアンスで、
「やりなおしてください」
と言い放ちました。
丸く収めるために
「はい」って答えればよかったんだろうなと思いますが、
その時の私は、
悪い癖で無言になってしまった。
そうしたら、
教授はまた怒って、
実験をやり直さなきゃならない理由とかを
喋り始めるわけですが、
「(ちがう、ちがう。)」
と私は内心繰り返す。
「(やりなおさなきゃいけないのは、わかってますって。)」
教授は
意図した実験がなされなかったことが、どれだけ問題であるかを
私にわかってほしい。
私は
私は実験をやりなおさなきゃならないことを理解してるけど、
そもそも教授の説明不足ですよ
ということを
教授にわかってほしい。
でも
それはその場では言葉で表現しきれず、齟齬が生まれて
すったもんだ しました。
翌日、
小麦粉を洗う作業をやり直したわけですが、
やり直すハメになった実験に限って、
4℃の水の中で
30分作業しなきゃならないものだったため、
同僚には、なんか かわいそう という目て見られる。
でも、そういう事じゃない。
4℃なのは、
そりゃ手は冷たいけど、どうでもいい。
私が不服なのは、
「あなたは何もわかっていない」
という扱いをされたこと。
だけど、
それを、ちゃんと説明できなくて
周りにも誤解されている気がして
私は 悶々とする。
それが、小麦粉の思い出。
明るい話ではなく
後悔の思い出ですが、
こういうことが、今の仕事に繋がっている気がしてなりません。
自分の価値観というのを知りたくなって、
自分が何を大事にしているのかとか
何に喜びを感じて
どんなことを悲しく思うのか、とか
を明らかにするワークをしたら、
思い起こされるのは、
以心伝心のような出来事か、
小麦粉のことみたいな
齟齬の出来事の どちらか。
無意識のうちに
いつも人との繋がりに
こだわりを持っていたようで、
人との関わりが記憶に強く残っているのです。
そういう訳で、
言葉を通して近くの人とも遠くの人とも
意思疎通をうみだす
言葉を編む仕事を
これからも、私は続けるのだと思います。
まだまだ道半ばですが、
自分のことが分かってきて
20代の迷いが解消されてきたこの頃です。
嬉しかったこととか
悲しかったこととか 思い出してみると、
ちゃんと見つかるものがありますね。
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長文お付き合いくださりありがとうございました。
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コサワ@文筆ワタアメ
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