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薄い本作りを模索する①

 薄い本だ、薄い本作りだ。巷ではZINEとも呼ばれてるらしいプライベート性の高い小冊子だ。
 これまで、個人誌として薄い本作りに邁進してきた。個人誌としてはやり切ったという思いから、昨年あたりからグループによる同人誌作りにシフトしてきている。研究所を名乗っているので、研究所の調査報告書や活動報告書と銘打ってリリースしている。
 直近の報告書は2種。活動報告書として、研究所主催の掌篇小説朗読イベントで発表された小説の原稿集、調査報告書として、美術館のコーディネーター職の人に、コーディネーターとはどんな事をしているのかをインタビューした本だ。

 活動報告書としての原稿集は、イベント開催が数ヶ月毎にあるので、それに付随して定期的に刊行される。次回は夏辺りになるだろう。今回インタビュー本となった調査報告書については、インタビュー相手からの推薦もあり、引き続き美術館の別職種の人へのインタビューを準備しているところだ。


 で、今まで作ってきた薄い本はキンコーズのオンデマンド白黒コピー出力で刊行するのが常だった。例外的に一度だけリソグラフによる印刷でリリースしたこともあるが、基本コピーだ。これはこれで良かったしこれからも白黒コピー出力による本作りを基本にしていこうと思っているのだが、たまには違う印刷形態で出したいと思っても、白黒コピー以外の出力、例えば赤白だったりフルカラーで本を作ろうと思ったり、となるとコストがバカ高になる(例えの赤白という黒から赤に差し替えるだけにしても料金はフルカラー扱いになる。リソグラフの時は単純に差し替え扱いで済んだがオンデマンドとは違いある程度の大量印刷をしてしまわないと一冊あたりの単価がオンデマンド程にはならないし印刷するための版の保存ができないので必要な時に必要な部数のみを作るというやり方ができない)、というハードルが存在した。
 そのハードル解消に向けて、版の保存が可能な印刷形態で、自ら印刷をするやり方ができるものを模索した。
 まず頭に浮かんだのが、写本だ。なにしろ特別に用意する印刷機器が不要だ。しかし全てが人力に頼るために労力とそれに伴う忍耐力が要求される。正直言って自分ではやりたくない。いずれ誰かを適当に誑かしてやってもらおう。今この時にやるという意味では現実的ではない。
 次に出てきたのはシルクスクリーンだ。かつて薄い本を作った時に、シルクスクリーンができる人に表紙だけシルクスクリーンで印刷してもらったことがある。それを思い出したのだった。毎回お願いするのも表紙にとどまらず本文まで含めて全ページお願いするのは気が引けていたのだったが、自分でやるのなら気遣いは無用だ。幸いシルクスクリーン印刷を体験できたり作業場として借りることができるスタジオが、市内にある事も耳にしていた。
 ということで、これからの薄い本作りのバリエーション増やしのために、シルクスクリーン印刷を導入することにした。どんなやり方なのか全くわからなかったので、ワークショップで簡単な体験をすることから始めたのだった。

つづく


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