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貧困層はオタクをしてはいけないのか、について

「貧困層はオタクをしてはいけないのか」というテーマで書いてるnoteを読んだんです。私なりに思うところがあったので書こうと思います。

まずこのnoteの筆者の方はメンズ地下アイドルのオタクです。会いにいけて、一枚千円のチェキを撮って、その間推しと話せる。そういうタイプのアイドルで、そういう楽しみ方をする現場ってことですね。

彼女は自分でワーキングプアと言ってましたが正確に年収幾らかは明かしていませんでした。でも昼職の会社員か何かなのでしょう。平日はなかなか現場に行けなくて現場に行く日はチェキ用の一万円と帰りの交通費だけしか本当に入っていないお財布を持っていく。3千円のお洋服を買うのにも躊躇う、という人です。

推しへのスタンスはガチ恋で、できたら推しの彼女になりたい。でも夜職でガンガンお金を使うオタクもいるのでそんなに推しにオタクとしても大事にされていない、そういう人みたいです。

そして彼女は周りの一切が気にならない!というタイプの人ではなく、周りが自分よりお金を使っていて、それ故に推しから優しく対応されていると嫉妬したり惨めな気持ちになったりしてしまう。でもよく知らないおじさんにサービスするのは嫌で夜職にはなれない、というタイプの人なのです。

こう言ってはなんだけれどとても普通な、ごくごく真っ当な感性、感覚の人で、彼女の気持ちがチラッとも想像できないという人はあまりいないんじゃなかろうかと思います。

ただ、彼女のような人、オタクをしてはいけないとは言わないけれど「オタクをしない方が本人のためだ」というのは議論の余地ないと思いますね。性格的にも金銭的にも、メン地下なんて過酷な現場のオタクには向いていない。自分をすり減らすことになるし何も残らないじゃないかな。

まず、メン地下のオタクは過酷です。お金めっちゃ使うことになる。何せ気合の入ったオタクは月に百万以上使う世界なんですよ。そんな金の力で殴り合うような世界で勝とうと思ったら、夜職か、でなけりゃ大企業の創業者のお嬢さんとか奥様でないと金銭的に苦しい。

もちろんその人が自分をセーブできるオタクなら話は別です。例え一回の特典会で50枚チェキをとるオタクがいて、その人が長々と自分の推しと直接話せて、対応も自分とは違って、ライブの時は必ず最前列の決まった位置で固定ファンサをもらっている、そういう状況でも「いいな〜」「羨ましいな」で済ませて「優遇されているあの子が憎らしい」「あの子に比べて私は」「お金さえあれば」「なんでうちはお金持ちじゃないんだろう」云々と辛い気持ちにならないで済む人ならその人なりのやり方で楽しめると思います。みんなが十枚チェキ撮ってても私は3枚でいいや、とか、固定ファンサとか私はないけど金使ってないしまぁしょうがないか、でケロッと納得して諦められる人なら構わない。

でも落ち込んでしまったり他人と比べて惨めに感じてしまうような人なら本当に向かないと思う。もっと大きな、全てのオタクが顔も名前もない集合体になってしまうような大手に行った方がいいですよ。でも「多数のオタクが一人の推しを楽しむ」ようなオタ活ではなくて「オタクと推しの一対一の関係」があるような現場でないと満たされないなら、それでいて金銭的に普通の人なら、推しをアイドルではなくて彼氏にするしかないです。多分愛情の深い人なんだろうから、彼女としてはよく彼氏に尽くしてくれるんじゃないかな。だからアイドルレベルに見た目はよくないかもしれないけれど、性格が良くて磨けばかっこよくなるような人と付き合って彼に大事にしてもらうのが一番いい。

まぁそんな条件のいい彼氏、そう簡単にできないってのもありますけどね。

あなたが金をめちゃくちゃ使っている剛腕のオタクを見ても「私は私!自分のペースで楽しむ」と思えるならいい。むしろ「大したイケメンでもない男とちょっと写真撮るためにあんなに金使って馬鹿じゃね?そのために夜職転職とか判断力クソだな〜。次はホストにハマるのか?夜職できない年齢になったらどうするつもりだ?」とか思って鼻で笑えるほどに冷静ならいいんですよ、別に。金で殴り合うジャンルのオタクになっても。まぁ上記の例は性格悪すぎですけど、でもこういう見方もできるわけです。夜職立派なサービス業だし頭良くないとキャバとか絶対(少なくとも成功は)できないし、ホストだって楽しい遊びですけど、でも千円のチェキを山ほど撮るためだけに始めるのは賢くない判断だな〜と思います。遥か昔からこういう異性に貢いでしまう人って山ほどいますけど、戻りたい時に戻れるか、健康は損なわないか、変なトラブルに巻き込まれないか、その辺りを考えるとあんまりどっぷりハマってしまうのはよろしくない気が私はしちゃうなぁ。銀座で、歌舞伎町で、トップを取ってお店を開くぞ!とか、そこで素敵な経営者を捕まえて奥さんになるぞ!とか人気キャバ嬢からタレントになるぞ!とか明確な目標金額があってそれをためるまで頑張るぞ!とかならいいと思うんですけど、そう言うわけでもなくて何となく始めると自分の周囲のリスクを高める結果になりそう。

そもそもオタク活動はあくまで余剰資金でやるものです。これはどのジャンルのオタクでもそうですけど。生活費があって、将来のためにこれくらいはためておきたいっていう貯蓄に回すお金があって、それらを確保した上で残ったお金でやるものです。ガチャでSSRのキャラクターが欲しくて結婚式用に二人で貯めた400万を溶かしちゃった人の話、どっかでありましたけどそう言うことをすると人生狂いますからね。子供の学費をパチンコに使っちゃうとかね。推し活のお金も同じで、必要な範囲は確保した上でやらないといけないと思う。例えば今現場に行くたびに十枚撮っているチェキを一枚にして9000円は貯金するとか、まぁ5枚にするとかして、そうすると5000円は貯められる。だって貯金ゼロだったら大きな病気した時どうするんです?苦しいと思うようならそのオタク現場から離れた方がいいと思う。

こんな当たり前のことでそうできるようならそもそもオタクではないんですけど。

結論としては、

「貧困層、全然オタクをしていい。でもあくまで余剰資金でやること。剛腕オタクと比較して苦しくなるようならそのジャンルから去るべき」

が私の意見です。