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JAMは多分知らない「ジャニーズの魅力は感情移入」の話

JO1っているじゃないですか。

韓国発のオーディション番組PRODUCE101の日本版、PRODUCE101JAPANのSeason1で2020年春にデビューした11人組です。私その番組、通称日プを見ていたんで、なんだかんだ活動をチェックしてるんですけれど、最近そのファンの方々、JAMさんですね、の発言で「う〜ん、我々(ジャニオタ)とは意識、感覚の違いに相当なものがあるな」と思わされたのでちょっとその話をしたいと思います。今回は好きなアイドルの話もポエムちっくに語っています。お恥ずかしい。

私結構オタクの愚痴アカウント、裏アカウント見るのが好きなんですよ。最近のアイドルってエゴサするんで、ファンも表のアカウントでは本音を言わない傾向があるんですよね。だからファンが本当は何を思っているのかっていうのが表のアカウントだけ見ていると良くわからない。それで裏アカ、愚痴垢も見ているわけですが、その中で最近あるJAMさんがこういう発言をしていたんです。

「最近ジャニーズも振付師にKーpop系の人を起用してきた。Snow ManやTravis Japanなんかはジャニーズでもダンスも揃っていて韓国系だし、このままだとJO1の特異性が失われるのではないか」
「(推しのグループは)新曲でダンスがあまり揃っていなかった。時間がないとかいろんな事情はあるだろうがそこはきちんと揃えてくれないとクオリティが低く満足できない」
「(推しのグループは)もっとパフォーマンスのクオリティを上げて圧倒的な差をつけないと歌番組で彼らを見たJオタたちが衝撃を受けてこっちに乗り換えてくれるチャンスが少なくなる」

私これ、「う〜ん、意識の違い!」って思ったんですよね。

まずですね〜、大部分のジャニオタって前にもどっかで書いたんですけど別にパフォーマンスのオタクじゃないんですよね。
もちろん中にはそういう人もいますよ。○○くんの歌が最高だから好き!とか○○くんのダンスが指先までビシッと決まってるから好き!とかね。でも大半がそういうアイドルのパフォーマンスのクオリティの高さに惚れ込んでいるファン、というわけではないんですよね。
もちろん自担のパフォーマンスは大好きです。歌最高、ダンス最高。でも別にそれがメインの理由ではないです。必ずしも自担のスキルが世界的に見て最高レベルだから好きってわけじゃない。何かのコンクールに出て優勝できるレベルのスキルがあるから愛してるってわけではないんです。その人が好きだから、だからその人のパフォーマンスも好き、みたいなケースが多いと思います。せいぜいきっかけ程度じゃないかな。歌うまい子いるな〜ダンス上手い子いるな〜と思って見てたら好きになった、くらいの。その後の人の魅力の部分が重要で、そこがハマらないと「歌うまいね〜ダンスうまいね〜すごーい」で終わってしまうケースも多いというか。
ジャニーズオタクって「人のファン」なんですよ。「スキルのファン」じゃない。アイドルの人柄というか、その人間のファン。パフォーマンスが好きって言ってもその裏にはその人の性格とか普段の言動とかいろんな事情を知っていて、人が好きだからこそ好きというのがある。だから別に新曲のMVが公開されて「うわぁ振付バラバラ過ぎて恥ずかしい!こんなクオリティで公開しないで!」とかなりません。

余談ですが、ジャニーズってそもそもそんなダンスがガッツリ揃うまで練習してからMV撮ったりしないんです(例外はあります)。MV撮影当日の朝に振り入れてそのまま撮影とかありますし、ドラマがあるから一度も他のメンバーと合同練習できなくて撮影当日いきなりぶっつけ本番で合わせるとかもよくあります。
当然、がっつりシンクロさせようという気はそもそもありません。そんな気があったらそもそもきちんと練習時間を取りますよ。
というかそもそもダンス練習もボーカルレッスンもないです。自分で自主的にやったりする人もいますけど、デビューして5年以上経っているけれどデビュー後一度もダンスレッスンを受けていないという人も結構います。コンサートの際に振り入れはやるけれどダンスレッスン、ボーカルレッスンはしないんです。こんなんでいいのか?韓国系のファンの方とか信じられないと思いますけどそうなんですよ。

だからですね、そもそも事務所もファンもパフォーマンスのクオリティで韓国系のアイドルと争う気がそもそもないんですよ。だから韓国系のアイドルのファンが「一生懸命レッスン頑張ってパフォーマンスのクオリティを上げればきっと人気が出る」と信じているのだとしたら、少なくともジャニーズのオタクの大半にはこれは通用しないと思った方がいいかもしれません。
我々としては好きなグループのダンス揃っていても揃っていなくてもどっちでもいいです、というか揃っていた方がいいのはわかっているけれど揃っていなくてもそれはそれで構わないです。

じゃあ一体どうすればジャニオタの心に刺さるのかっていうと、そのアイドルのキャラクターとドラマ、あと言葉にできない輝きじゃないかなと思うんですよね。キャラクターっていうのはグループ内の人間関係込みです。AとBはずっと仲悪くて口も聞かなかったけど○○をきっかけに認め合うようになった、とか。

例えばまぁ私の話をしますけど、私NEWSとキスマイが好きです。
キスマイでは藤ヶ谷くんが好きなんですが、別に藤ヶ谷くんが世界一歌が上手いとかダンスが上手いとかルックスが整っているなんて思っていません。お顔が天才とか言ってますけど、(私の目から見て)天才という意味で世界中が彼の美貌にひれ伏すだろうだなんて微塵も考えていない。
私が彼を好きなのって、うまく言えないんですが、自分は海老アレルギーだと散々言っておきながらテレビ番組で調べたら別にアレルギーじゃなくて「あれ?」ってなってるところだったりだとか、ラジオとかでみっくんの話にとんちかんな返事をしていたりするのが好きなんですよね。かっこいいところが好きというよりはちょっととぼけた笑っちゃうようなキャラクターが好き。あとライブとかMVとかですぐにやにやしちゃうところとか好きなんですけど。これってどうなんだろう。
ただ、そのすっとぼけた感じを他の人が持っていて好きになるかと言われると謎ですね。やっぱり彼の整ったルックスと歌唱力と、その辺があって初めて好きなのかもしれない。アイドルは総合得点だと思います。パフォーマンスだけでもルックスだけでもトークの面白さだけでもクリーンなイメージだけでもダメで、全てが渾然一体となっての「好き」。

藤ヶ谷くんって、NEWSのまっすーと高校同じだったんですよ。NEWSがデビューする時、学校の先生に呼ばれて「おめでとう」って言われたんですけど、彼はそれに入ってなかった。
それから一時期、ジュニアの時ですけど、干されてて、それまで呼んでもらってたコンサートのバックにつけない時があって、でもお母さんに言えなくて、「今度のコンサートのバック呼ばれてるの?がんばってね」みたいなことを言われて「うん」って嘘をついてしまったってエピソードもありましたね。
こういう時の惨めで辛い気持ち、私にも想像がつく。お母さんを悲しませたくなくて、大人にこいつはダメだ、他のやつの方がいいって判断されたのが辛くて、嘘をついてしまう気持ち。今パッとは出てこないんですが、私もきっと人生のどこかでこういう気持ちを経験している。そのシンパシーが彼を好きだと思わせるのかもしれません。

あの人、テレビだけで見てるとただのかっこつけ野郎みたいに見えませんか?なんかちょっと気取っててひょっとしたら意地悪な人かもしれない、みたいな。
私だって別に個人的な知り合いじゃないから本当の藤ヶ谷くんのことなんか一つもわからない。メディアや事務所や本人がくれる断片からこんな人じゃないかと思っているだけです。でもその断片の積み重ねから見えてくる彼が好き。

NEWSでは加藤シゲアキさんが好きなんですが、彼って歌は最近上手になりましたが元々は高音で声が裏返って「喉ちんこどっかに飛んでっちゃった?」とかいわれたりするし、運動神経悪い方なのでダンスの時1人だけジャンプの高さが低かったりするんで、パフォーマンス至上主義の方から見ると何がいいんだかさっぱりだと思います。でも好きなところはいっぱいあって、例えば最初は下手だった歌が自分でレッスン受けてどんどん上手くなったところとか。そりゃね、世界と比べたらやっぱりうまいとは言えないと思います。でも彼頑張って上手くなったんですよ。比べてみると泣きたくなるくらい。
それから泣く時顔が真っ赤になっちゃうところは特に好き。あんなに顔綺麗なのに、泣く時は本当普通の素人みたいに顔真っ赤にして泣くんですよ。泣き顔ちょっとダサくて格好悪いくらい。でもそれくらい本気で泣くんです、顔が崩れたりしない程度に泣くとかじゃなくて。そこが私の心の深い部分に触れて、それで好きになってしまった。

NEWSを好きになったきっかけはチャンカパーナなんですよね。チャンカパーナの「美しい恋にするよ」「約束するよ、チャンカパーナ」で心を掴まれて好きになってしまった。
でもドキドキしたからではないんですよ。
あの時NEWS大変だったんですよね。山下くんと錦戸くん、どちらももう事務所からもいなくなりましたが、NEWSを脱退してしまってイチゴのないショートケーキと言われていた。そんなピンチの時にあんなトンチキな曲を思い切り笑顔で歌って、挙句にセリフまで決めるっていう、その力強さに心を奪われたんですよ。アイドルの強さだな、と思って感動してしまった。大変な時でも笑顔で明るくやり切るその茶目っ気のある力強さに感じ入ってしまった。

だからなんていうのかな〜。少なくとも私個人について言えばジャニーズが好きなのはただ単にかっこいいからではなくて、「かっこいい華やかな彼らの泥臭い部分への感動と共感」ですね。

得意なこと、苦手なこと、あって当然だよ。下手くそでもいいよ。でも頑張ってるあなたが好き、っていう気持ち。光を目指してずっと頑張ってるあなたを応援してるよっていう気持ち。何しろこのずっとって本当にずっとなんですよ。ローティーンから30代になるまでの期間なんだから。本当にずっと頑張ってる。途中腐ったりすることもあるけど、でも道を逸れないでコツコツ頑張ってきた姿を見ている。まぁ途中から好きになったりすることもあるからジャニオタの全員が自担を入所から見守っているわけではないですが、それでも遡ろうと思えば遡れるんですよね。
ジャニーズの魅力は「感情移入」だと思います。ただの歌のうまい、ダンスのうまいかっこいい男の子ではなくて、欠点も長所もある特別な大切な誰か。

話戻りますけど、なのでJO1の魅力をジャニオタにアピールしようと思ったら物語性なんじゃないのかな。どんなにアイドルになりたかったか、人に先を越されて辛かったとか、お金なくて毎日塩パスタ食べてたとか、馬鹿にされて見返してやるって頑張ったとか、そういう話が見れると感情移入して好きになるんじゃないかな。だからシーズン1をYouTubeで全公開とかしたらいいんじゃないでしょうか?

もちろん卓越したパフォーマンスから興味を持つ人はいると思うんですけど、その後すぐキャラクターの魅力が見えるとハマると思います。