「絹の家」はシャーロック・ホームズっぽく始まり、途中アンソニー・ホロヴィッツになり、またホームズに戻る
アンソニー・ホロヴィッツのシャーロック・ホームズの公認パスティーシュ「絹の家」読みました。読むのが大変だった〜!途中本気でつまらなくなるんです。でもそこを乗り越えたら一気に読めます。
あらすじはこうです。
ホームズとワトソンのもとに美術商の男がやってきます。彼はアメリカの富豪に何枚もの高価な絵を売り、それを届ける途中でアメリカのギャング団の列車強盗にあいました。アメリカの富豪は絵が失われたことを怒り、アメリカの有名な探偵社を雇いアジトを突き止めます。銃撃戦となりギャング団のトップの一人は死にましたがもう一人は逃げ延びました。依頼人の美術商は逃げ延びたギャングに命を狙われるようになり、そのことでホームズに相談に来たのです。ホームズはアメリカから追ってきたと思われるギャングらしき男をベイカーストリートイレギュラーズ(浮浪者の子供たちでホームズの手先となって何かを探したり見張ったりします)に探らせます。ロスという男の子が問題の男を見つけますが彼は殺され、またそのロスも姿を消してしまいます。どうやら事件の背後には『絹の家』という場所、または組織が関係あるようなのですが、マイクロフトには調べるなと忠告されます。ホームズは聞かずに調査を続け、ついには殺人罪で逮捕されてしまいます…。
出だしはくどいくらいにコナン・ドイルっぽいんですよ。ファンの間では有名なワトソンの結婚の話(作中で結婚してすぐの頃、と出てくるのですが明らかな時期がずれていて、ワトソンは複数回結婚したのでは?と言われているネタとか)などをまじえながらホームズファンが読んで楽しいパスティーシュを始めるんですけど、物語が動き出すとめちゃくちゃアンソニー・ホロヴィッツ節になるんですよね。この人こういう展開好きだよね!!っていう。あとホームズがホームズっぽくない。でも割と面白かったと思います。お話読み始めて4割過ぎたあたりから面白くなりますので最初だれてしまっても頑張って読み進めることをおすすめします。