見出し画像

"女だから"メイクしているわけじゃあない

見つめ直し:メイク、化粧

メイクって女にとっては暗黙の了解で「社会人になったらすべきものであり、それがマナー」という扱いになっていますよね。私は大学生の頃はメイクを殆どせずにスッピンで学校に通っていました。何せ低血圧で朝は眠すぎるから家を出発するギリギリまで寝ていたい人間だったので、しなくていいものは出来る限りしないという生活を送っていました。
そんな生活にピリオドを打つことになったのはやはり就職活動が始まってから。一足先にメイクに興味を持っていた友人にあれこれ教わりながらドラッグストアでプチプラのコスメを買い揃え、間に合わせでメイクの仕方を覚えました。
社会人になるんだからと始めたメイク。それは会社に通うためにしなければならないという"義務感"の方が強く、最初の頃はやはりメイクをするために相応の睡眠時間が削られるのでめっちゃしんどかったし、コスメも最小限しか持ってなかったです。下地、ファンデ、チーク、アイブロウ、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ。口紅とか全く付けてなかったし、時間がない時はマスカラもしなかった。
アイシャドウを複数持っている人を見ると一個だけでもかなり長持ちするのに複数持ってたら全然減らないし意味なくない?ブラウンのアイシャドウが一つあればそれでいいじゃんと思っていました。そんな私が今やアイシャドウを10個以上保持していて日によって気分で使い分けているんだから人生って不思議なものです。意味がないってことはない。
メイクがいつの頃からか私にとって気分がアガる行為になっていました。それはオタク女らしくメイクがテーマの2冊の漫画に出会ったことがきっかけでした。

きっかけ① 「リメイク」 著:六多いくみ

「リメイク」は百貨店のコスメカウンターで働くBA(ビューティーアドバイザー)のお話。元々特定の職業をテーマにした漫画が好きな私はネットの広告か何かでこの作品を見つけてネット上で無料で公開されていた分を読んだのですが、一気にハマってコミックスを揃えました。デパートのコスメカウンターに行ったこともあるのでBA自体は知っていたけどBAの仕事をテーマにした話が単純に面白かったのもあるし、作中でメイクハウツーが織り込まれていたことや作者の方が元BAなのでコスメに明るく話と話の合間にコスメコラムを書いていて、色んなブランドのコスメを知れるのも楽しかった。私はかなり影響を受けやすい質なので、作中で登場したコスメが欲しくなり実際に買いに行くこともありました。
作者の方はInstagramアカウントも公開しておりそこではイラスト付きのコスメレビューを頻繁に投稿されていたので、それを見ることがコスメそのものに対して興味を持つきっかけになったように思います。この作者さんによるメイクハウツー本も出版されていて、全編漫画で分かりやすく解説されているのでご興味のある方は是非。これはむしろ高校を卒業したくらいで教科書として配布して欲しい…。社会人になったらメイクはマナーって言うくらいならハウツー本くらい渡してくれないか?

きっかけ②「だから私はメイクする」 著:劇団雌猫、シバタヒカリ

「だから私はメイクする」は複数のオムニバス形式のエッセイをコミカライズしたもの。後に原作のエッセイも読みましたが「誰かのためにメイクするのではなく、自分のためにメイクをする」って私の中では全く無かった概念でした。そりゃあそうですよね、だって学生時代はメイク禁止、社会人になったらメイクするのがマナーだったんだから自分のためにメイクをしていいというのは私の中では全く新しい考え方でした。
この本に出てくるドバイに行った女の話がとても印象的で、お洒落することで自分を肯定することや自分を好きだと思うことは悪いことではないというのも私にとってかなりの感銘を受けました。
というのも、私は元々一重でお世辞にも可愛いとは言われないタイプの顔立ち。ファッション雑誌のメイクハウツーコーナーに登場するモデルは必ず二重だし、一重にはタブーとされているピンクのアイシャドウを使ったメイクのハウツーが当たり前に掲載されていたり…。一重ってアイメイクに対する情報がなんとなく少ないんですよね。たま〜に見かけるけど大体アイラインは目を開いた時に見えるくらいに太めに入れよう、とかそういうのばかりだし。
そもそも一重である時点で美の基準からは外れていると言わんばかりの風潮があるけど、最近は一重だからこそアイシャドウをオーバー気味にしてもそれがむしろ映える顔立ちなんじゃないか?と思えるようになりました。一重だとビフォーアフターで見ればアイメイク一つで明らかに目が大きく見えるようになったり、メイクすることで顔の変化が分かりやすいのがむしろ楽しい。無理に可愛いを目指さなくてもクールやカッコイイ系を目指すならそれに合ったメイクがあるし、一重だって個性だと思っていいんじゃないかなって。
メイクすることで自分に自信を持っていい、自己肯定感を高めていい、自分が好きで何が悪い!今の私のメイクに対する考え方はこの本の影響がかなり強いですし、今ではアイメイクが一番大好きな工程になりました。

きっかけ③ 美容系YouTuberの動画

メイクが楽しいと思える第三の転機になったのが美容系YouTuberとの出会いでした。元々デパコスを友人の誕生日プレゼントに贈ろうかなと思った時に何気なくYouTubeで動画を検索したのがきっかけだったのですが、そのうちとあるYouTuberさんの某プチプラブランドのアイシャドウ全色レビュー動画を見つけてしまい「え…分かりやすいしめっちゃ参考になるじゃん…?」と思いながら何度も再生し、翌日にはその動画に出ていたアイシャドウを四色購入。いきなり買いすぎ。
ただこれをするに至った経緯としては、世の中には色んなブランドがあるけれど公式サイトでは外国人モデルが採用されていることが多かったり、そのパーツのアップの写真だけが写っていたりして何だか分かりにくいって思ったことないですか…?私は何度もあります。
だからこそ美容系YouTuberさんの感想を交えたレビューは革命でしかなかった。引きで見た時の色味とか、似ている色味を丁寧に比べてくれたりとか…わ、分かりやすぅ〜そして有り難え…と溜息しか出なかった。こんなご時世だからこそ店舗に置いてあるテスターを触るのも憚られるし、こんなに分かりやすく丁寧な動画を無料で見せてくれる時代の有り難さよ…。
そして美容系YouTuberさんのプレゼン能力が高すぎて無条件で購買意欲が掻き立てられてしまう。気が付けば現在コスメボックスにはアイシャドウが10個以上鎮座していますが後悔はしていない。
プチプラならexcelのスキニーリッチシャドウは粉質も色の組み合わせが良いからデイリーで使いやすいし(イエベな上に一重だけど06 センシュアルブラウンで絶妙なピンクブラウンのニュアンスメイクが出来るのでお気に入り)、CANMAKEのシルキースフレアイズは発色が良いから粉を瞼に乗せるだけで楽しい気分になるし、最近発売したKATEのエレクトリックショックアイズもラメがギラギラして強い女になれる。デパコスだとトムフォードのアイシャドウは発色が良いのに夕方までピタッと瞼に密着して粉落ちしない優秀さ。神。値段が値段だから何となくやる気の出ない朝でもトムフォードのアイシャドウを使えば気合が入る。正に気分がアガるコスメです。

まとめ

自分のためにメイクをしてもいいと思えるようになってからは何か吹っ切れたような気分になりました。新しく発売するコスメを知ることが楽しいし、大好きな美容系YouTuberさんのコスメレビュー動画は必ず見るし、興味をそそられるものを見つけて購入した時には明日の朝これを使ってメイクするのが楽しみだなと思えるようになった。朝起きるのは相変わらず辛いけど、毎朝メイクをする楽しみがある。メイクをすることで少し強い自分になれる気がする。顔面だけじゃなく心も武装出来る。30代でこんなことを言うのもあれですけど、月野うさぎがセーラームーンに変身するイメージと近いかもしれない。
色んな理由があるけれど、私は女だからメイクをしているのではなく、結局のところはシンプルに楽しいからメイクをしています。その日使うアイシャドウの色味によっても毎日違う自分になれるって最高に楽しいし、ああこのコスメは間違いない!ってものに出会えた時の満足感は本当に堪りません。少し前に買いすぎてしまったので今はセーブしているけれど、また爆買いするシーズンが自分の中で訪れるんだろうなって今からヒヤヒヤしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?