きちんと
近藤です。
雨が降り続いていますね。土砂災害や洪水で大変な地域のことは私にも人ごとではありません。山の我が家にいると自然のありがたさも怖さもとても近いところで感じます。風の匂いや外の音にとても神経を使っているこの数日です。
ちょっと入院していました。
病室の窓からは山の我が家の山よりはずいぶん低いけれど目の前に山が見えました。それも葉っぱが一枚一枚見えるほどの近さ。町の病院に入院したので、これは意外でした。
この入院の間に私にはへんなくせがあるもんだと実感しました。
祖母は、私たちが出かける時に「パンツと肌着、きれいなん着てる?交通事故に遭った時によれよれだったら恥ずかしいけんね」と言っていました。
交通事故ではないのだからなおさらだわ、と入院準備に最も気をつけたのはパンツでした。
そして、祖母はいつもきちんとしておかないと、と思う人でした。「ちーんと(きちんと)しとかんと。周りの人も自分も気持ち悪かったらいかんけんね」と言ってお出かけも入院も、リハビリもいろいろ気を遣っていたようです。
そんなわけで私も病室でもだらしなくしとくのは良くないと、「イテテ、イテテ」と言いつつ片付けに精を出し、毎朝起きたら着替えました。お医者様が7時前に来てくださることもあるので、5時半に起きて身支度。家にいる時よりちゃんとしていました。
入院してる時ぐらいだらだらしてもいいんだけどな、と思いましたが、心の平穏のためにはこのほうがいいのよ、と自分に言い訳して「きちんと入院ライフ」を旨としました。
そんなに頑張ったのに、ある朝、お医者様が回診にいらして、お腹を見てもらった後、ふとズボンを見たらサイズや洗濯方法を書いたタグがおへその下に。ズボンを後前に履いていたのでした。
ああ、なんてこと。こんなにきちんとしていたのに。
けれども、お医者様はもちろんこんなこと全く気にも止めていません。
いつも私はそんな感じ。肝心なところでとほほになるのです。なんでしょうね。きちんとが甘いんでしょうか。そもそもきちんとしてないんでしょうか。まあ、とほほがあることを見越して、きちんとに精を出すより他ないと思っていますが。
さて、退院してただいま自宅で療養しています。することがないので家の中のいろいろが目につきますね。家族がいない間にリハビリだと言い訳して片付けたりしてますが、きちんとが緩んでます。
緩んでいる証拠に退院したらもう5時半に目を覚ますことはなくなりました。緊張感の欠如です。でも、これはとほほではありません。普通です。
では、また。ごきげんよう。