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ワークもライフもリビングルーム

私の仕事場はリビングの一角にある。
机の向きや位置をこれまでに何度も変えているがなかなかしっくりこないので、年中部屋をこねくり回している感じである。

今週、リモート会議があった。13時から17時前までという長時間。ちょっとでも過ごしやすいように変えようと思ったのがあと20分で始まるという頃。大急ぎで配置を変え、パソコンの線を繋いで、資料を映し出し、漫画を積んでタブレットを乗せ、カメラのセッティングも完了。こういう時の方がいいのが浮かぶやんか、と思った。

私は目の前が広い方が好きなので、部屋が見渡せる場所に机がある。誰かと話しながら書き物をしたり、考え事をしたりすると落ち着く。今はディスプレイの向こうで夫がヨーグルトの容器にスプーンを突っ込んで直接食べているのが見えている(行儀が悪いので子どもにはさせないが、ヨーグルトとアイスクリームはそうした方がおいしいと思う)。
気が散る人もいるだろうが私はそういう日常がディスプレイ越しにチラチラ見える時の方がいいことが浮かぶ。

部屋に向かって机があるので、息子は学校から帰ってきたら私の前を通って部屋へ行く。会議中の時はメモ帳に「おかえり」と書いて見せると彼は口パクで「ただいま」と言いながら通りすぎるし、気の置けない人との打ち合わせだと画面に登場してこんにちは、と言ってから退散する。そしてディスプレイの向こうでおやつを食べたりしている。

誰もいなかったり、誰かがいたり、その日によってリビングの様子は違うけれど、ディスプレイのこっち側と向こう側はひと続きである。ワーク・ライフ・バランスとかワーク・ライフ・シナジーとかワーク・ライフ・ハーモニーとか「仕事と私生活の調和」ということを色々と言ってみるけれど、結局のところリビングの一角にディスプレイがちょっとした分け目になっただけの小さい仕事場があるように仕事も生活も境目があるようなないような、というのが私には心地いいのだ。

リビングの一角なので、家族がソファーにやってきてこっちの忙しさなんかお構いなしでおしゃべりをする。困ったなと思う時もあるけれど、じつはこういうの大好きなんだよな。

では、また。ごきげんよう。