11時8分、惜しい。
近藤です。
大雨の警報が出たり解除になったりする今週。土砂崩れが起こらないかと緊張感が漂う山の我が家です。我が家の辺りで雨が止んでも山の中はまだ降っていたりすると思わぬ時に山が崩れたりするからです。
私の町の小中学校では朝7時時点のNHKのニュースで警報が出ていたら午前の授業はお休み。午前11時の時点でも警報が出ていたら午後の授業もお休み。と決まっています。
今週水曜日の朝、7時時点で大雨警報が出ていました。そして、11時の時点も。
さて、学校から「午後も休校です」とお知らせが来たのは11時1分。
NHKが警報解除を知らせたのは11時8分。
子どもたちは喜びましたが、学校の方は「うーん」となったはずです。悩ましいタイミングでした。授業時間のことなどを考えるときっと1時間でも2時間でもやりたいところだったでしょう。
その日は警報が出ていたのに朝から天気はどんどん穏やかになっていて、保護者から、「なんで学校やらないの?」「やっぱりやるって言えばいいだけの話やん」という意見が(教育委員だからだと思いますが)私のところにも来ました。「警報より地域の状態を見て臨機応変に対応して欲しい」という意見も聞きました。また、学校の中には電話が殺到したところもあったようです。
けれども、「臨機応変」な対応ってそう簡単な話でもないんです。
今は多くの学校でSNSを使ったお知らせを実施していると思います。詳しくは学校のHPを見てください、ということもよくあります。(これを読んでいる人にとっては当たり前なことだだと思います)
でも、日本中の公立学校では様々な背景の子どもたちがいます。
いろんな考えの元で暮らしている家庭があります。経済的な背景も違います。家族で日本語が分かる人が子どもだけ、という家庭もあります。限られた関係者とだけしか連絡を取らない家庭もあります。
携帯電話を持っている家庭ばかりとは限りません。電話はできるけどメールやラインはしない、またはできない家庭。保護者と昼間は連絡がつかない家庭。お手紙以外の連絡手段がない家庭。保護者が情報を受け取っても子どもにすぐに伝えられない家庭。とにかく私たちが思いつく以上に様々な家庭があって、年度始めに知らせしたルールを崩すことで全ての児童生徒に情報が行き渡らない可能性があるのです。
こんなこともあって崩せない事が割とあるんです。
「学校は柔軟な対応ができない」と言われる背景の一つはこれなんだろうな、と思っています。
たった8分。しかし本当に悩ましい8分でした。
では、また。